ニューヨーク原油先物相場がアジア時間21日午前の取引で急上昇した。米国が新たに入手した情報が、イスラエルによるイラン核施設への攻撃準備の可能性を示唆しているとCNNが伝えた。
北海ブレントは1バレル=66ドルを上回った。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物は一時3.5%上昇した後、上げ幅を縮小した。
CNNによると、イスラエル指導部が攻撃の実行を最終決定したかどうかは不明。複数の匿名の米当局者を引用した。
イランと米国との協議を巡る一連の報道を受け、原油相場は先週以降値動きが激しくなっている。交渉が進展すれば市場への供給拡大に道が開かれるが、イスラエルによる攻撃が実行されれば、そうした進展を妨げ、中東の不安定化を招く恐れがある。
ウエストパック銀行の商品・炭素リサーチ責任者、ロバート・レニー氏は報道を巡り「米国とイランの核協議の重大さに加え、イランが商用の核能力維持を主張した場合にイスラエルがどこまで行動し得るかを示す最も明確なサインだ」とコメント。現在の協議が進展しない見込みの限り「原油はリスクプレミアムを維持するだろう」と指摘した。
CNNの報道を受け、スイス・フランや円といった安全資産通貨が一時的に値上がりしたものの、その後は値を戻した。
米国防総省と米国家安全保障会議(NSC)は、コメントの要請にすぐには応じなかった。在米イスラエル大使館はコメントを控えた。
イランの最高指導者ハメネイ師は20日、米国との新たな交渉努力が成果を生むとは考えていないと発言した。ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)によれば、イランの原油輸出への制裁が解除された場合、WTIは1バレル=40ドルまで下落する可能性がある。
原題:Oil Surges on Report That Israel Is Preparing to Strike Iran (抜粋)
(相場の動きやコメントなどを加え更新します)
🧠 編集部の感想:
ニュースの報道は、国際情勢の不安定さを物語っていますね。原油価格の急騰は、軍事的な緊張が経済にも直接影響を与えることを示しています。このまま交渉が進展しないなら、中東地域のさらなる不安定化が懸念されます。
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