中国経済は広範に持ち直しており、分散投資を目指す外国人投資家も中国への関心を高めている。米銀JPモルガン・チェースの中国共同代表リタ・チャン氏はこうした見方を示している。
世界的な関税体制が投資ポートフォリオの見直しを促し、中国企業による海外展開が進展。「この12カ月間の展開は、間違いなく前向きだ」とチャン氏は述べ、「流動性や取引量の面で幅広い回復が見られる」と指摘した。同行が上海で開いた「グローバル・チャイナ・サミット」の会場からブルームバーグテレビジョンのインタビューに応じた。
JPモルガンはここ数年、中国・台湾事業の経営体制を再編し、業務を縮小。中国での事業拡大には想定以上の時間がかかっていることを認めている。
ジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)は引き続き中国市場への関与を表明しているものの、ウォール街の金融機関全体では中国市場からの撤退が進み、融資や取引、投資などを含めた全体のエクスポージャーが約2割減った。
しかし、ここにきて香港・中国本土での株式発行の増加など、ビジネスに回復の兆しが見え始めている。中国指導部も金融市場の開放をあらためて表明し、経済立て直しのための刺激策を打ち出した。
チャン氏は現在「非常に良好な勢い」が見られるとし、中国企業による海外進出や国際化の流れは変わっていないと説明。「この複雑な環境を乗り越えるために必要な越境サービスへの需要は、確実に増加している」と語った。
日本とインド
JPモルガンは中国事業の拡大に向け、多大な経営資源を投入してきた。過去3年という短期間で、中国における先物・証券・資産運用事業の全てで完全子会社化を達成した唯一のウォール街の銀行となった。
同行はアジア全域に対しても強気の見方を示している。
上海でブルームバーグテレビジョンのインタビューに応じたアジア太平洋担当CEOのシュールト・レーナート氏は、同地域の成長が世界平均を大きく上回ると予想しており、日本には「非常に大きな好機」があると述べた。
インドについては、「現政権が投資家に一貫した政策継続への信頼感を与えている」と話す一方で、「中国と比べると経済規模がまだ小さく、道のりは長い」との考えを示した。
JPモルガンのアジア太平洋事業は昨年、純収入が前年比13%増の120億ドル(約1兆7300億円)となった。
原題:JPMorgan Sees Broad-Based Recovery, More Interest in China (1)(抜粋)
🧠 編集部の感想:
JPモルガンが中国経済の復調を見込む中、日本にとっても大きなビジネスチャンスが広がるとの見解に期待が高まります。外国投資家の関心が高まることで、新たな投資の流れが生まれる可能性があります。経済の回復に向けた政策が進む中、アジア全域の成長にも注目したいです。
Views: 0