欧州連合(EU)の執行機関、欧州委員会は、銀行のトレーディング勘定に関する規則の適用を、2027年1月まで再び延期する方針だ。事情に詳しい関係者が明らかにした。
匿名を条件に語った関係者によると、延期は、国際的な銀行の新たな資本規制「バーゼル3最終化」の実施に向けた、米国の計画が明確になるのを待つためという。
欧州委員会の報道官は、コメントの要請に今のところ応じていない。ロイター通信が以前、延期の可能性に関するニュースを先に報じていた。
欧州は当初、バーゼル3最終化を今年導入する計画だったが、米国がこの規制について合意に至らず、計画は行き詰まっている。トランプ米大統領は銀行を含め広範な規制緩和政策を掲げており、この規制の導入に対するワシントンの意欲は、さらに不透明になっている。
欧州委員会は、ドイツ銀行やBNPパリバといった域内の金融機関が、米国の競合他社に対して不利な立場に置かれることを避けるため、トレーディング勘定規制の見直しを2026年にすでに延期している。
米国の対応が不透明な中、フランスを含む欧州各国は、域内の銀行が公平な競争環境を維持できるよう、欧州委員会に対し、規則のさらなる導入延期を求め、圧力をかけている。各国は、延期により余裕が生まれた資本を融資に活用することで、経済成長を促進できるとも主張している。
原題:EU Set to Delay Implementation of New Trading Rule for Banks(抜粋)
🧠 編集部の感想:
EUが銀行のトレーディング勘定規制の見直しを延期する方針を示したことは、国際的な金融環境における不確実性を反映しています。特に、米国の動向を見極める姿勢は、欧州の銀行が競争力を保つために重要な戦略と言えるでしょう。今後の規制導入のタイミングが経済成長にどのように影響するか、注視が必要です。
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