欧州連合(EU)は、米国との貿易摩擦緩和を目指す協議が不首尾な場合、米ボーイング製の航空機に関税を課す提案を行う方針だと、事情に詳しい関係者が匿名を条件に明らかにした。
EUは約1000億ユーロ(約16兆3000億円)相当の米製品に追加課税を課す計画。対象製品のリストは今週中にEU加盟国と共有され、今後1カ月の協議期間中に変更される可能性がある。
EUの行政執行機関である欧州委員会は、先月トランプ米大統領がEUからのほぼすべての輸出品に一律20%の関税を課すと発表して以来、米当局との会合を重ねている。この関税は7月までは10%に軽減されている。
トランプ政権は加えて、自動車および金属製品にも25%の関税を課した。

欧州委の報道官はEUの計画についてコメントを控えた。
EUと米国の交渉はほとんど進展が見られず、現状では米国の関税の大半が維持されるとの見方が強い。
欧州委は米当局との週内の協議再開を目指して提案文書を提示する予定だと、ブルームバーグはこれまでに報じている。EUの提案には、貿易・非関税障壁の削減や米国への投資促進などが含まれる見通し。
欧州委の計画について英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)が先に報じていた。
原題:EU Plans to Hit Boeing With Tariffs If US Trade Talks Fail (1)(抜粋)
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