欧州連合(EU)の執行機関、欧州委員会のフォンデアライエン委員長は16日、ロシアのプーチン大統領にウクライナとの和平交渉を迫る最新の取り組みとして、ロシアの金融部門を標的とした新たな制裁措置パッケージの策定を進めていると明らかにした。
フォンデアライエン氏は、アルバニアの首都ティラナで記者団に対し「私たちは平和を望んでおり、プーチン氏が和平を受け入れる準備ができるまで圧力を強めなければならない。そのため、新たな制裁措置パッケージの策定に取り組んでいる」と述べた。
ロシアとウクライナの代表団は16日、イスタンブールで3年半ぶりに協議した。だが、ウクライナのゼレンスキー大統領は、プーチン氏が低位の代表団を派遣すると発表した後、ロシアの交渉団を「見せかけ」と一蹴した。
ラトビアのシリニャ首相はティラナで、ウクライナとロシアの停戦の見通しについて語った
Source: Bloomberg
EU加盟国は今週、ロシアに対する17回目の制裁パッケージを支持した。このパッケージは主に、ロシアの「シャドーフリート(影の船団)」やロシア政府のエネルギー制裁回避を助ける個人や団体を標的としている。制裁には、27の加盟国全ての支持が必要だ。
ウクライナと欧州諸国は、プーチン氏に30日間の無条件停戦を約束し、和平合意に向けた交渉余地を設けるよう求めている。プーチン氏は停戦に同意せず、週末にトルコでウクライナとの直接交渉を再開する提案をした。
フォンデアライエン氏は、プーチン氏がイスタンブールでの協議に出席して交渉しなかったことを批判し「これはプーチン大統領の本心を示している。彼は平和を望んでいない。このため、私たちは圧力を強化しなければならない」と述べた。
原題:EU Prepares New Sanctions to Squeeze Russia’s Financial Sector(抜粋)
🧠 編集部の感想:
EUがロシアの金融部門を対象に新たな制裁を策定することは、プーチン政権に対する圧力を強め、和平交渉を促進する狙いがあると感じます。和平を望む声が高まる中、実効性のある策が求められていることを実感します。また、冷静な外交と強硬策のバランスが今後の課題になるでしょう。
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