欧州連合(EU)は、米国との本格的な通商交渉に向けた第一歩として、米国への提案内容を見直している。ただ、トランプ政権は依然として明確な方針を示しておらず、欧州の交渉担当者が現実的ではないと考える要求を引き続き突きつけている。事情に詳しい関係者が明らかにした。
匿名を条件に語った同関係者によれば、新たなEUの提案には、貿易障壁と非関税障壁の削減を図るより具体的な手段が盛り込まれる見通しだ。また、欧州の対米投資拡大や、液化天然ガス(LNG)や人工知能(AI)用半導体などの米国製品の輸入拡大を促進する措置も含まれるという。
EUと米国の直接交渉は進展が鈍いものの、米国が英国や中国と通商合意に達したことから、欧州の貿易担当相らの間では交渉加速への期待が高まっている。
ポーランドのバラノフスキ経済開発副大臣は15日、ブリュッセルでの通商担当相会合の前に「米国側で緊張緩和の兆候が見られることから、楽観的な要素がある」と述べた。
シェフチョビッチ欧州委員(貿易・経済安全保障担当)は、14日にラトニック米商務長官と電話会談を行ったことを明らかにし、今後も両者の会合が予定されていると語った。
シェフチョビッチ氏は通商担当相会合後の記者会見で、「われわれは良い電話会談を行った。これで数回目になる」と述べ、「作業を加速させることで合意した」と続けた。
原題:EU Readies New Proposals in Push to Speed Up US Trade Talks (1)
(抜粋)
🧠 編集部の感想:
EUが米国との通商交渉を加速させようと新提案を整えているのは、前向きな動きと言えます。特に貿易障壁の削減やアメリカ製品の輸入拡大に関する具体策が含まれる点は注目すべきです。しかし、米側の明確な方針が不透明な中での交渉は、依然として課題が多いと感じます。
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