フランスの高級品ブランドグループ、LVMHモエヘネシー・ルイヴィトンは、需要低迷が続いていると投資家やアナリストに警告していると、事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。同社が4月14日に発表した1-3月(第1四半期)の売上高は市場予想に届かなかった。
非公開情報だとして関係者が匿名で語ったところでは、同社は4-6月(第2四半期)の見通しについても慎重な姿勢を示している。特に中国での消費者心理の弱さが影響しているという。4-6月期の業績は前期から改善しないこともあり得ると、一部の関係者は示唆している。
中国の消費者が高額な買い物を手控えるようになったこともあり、高級品市場は低迷からなかなか抜け出せずにいる。中国はこれまでLVMHやシャネル、エルメス、リシュモンなどの業界大手にとって重要な成長エンジンだった。トランプ米大統領が先月、さまざまな業界や国・地域への輸入関税を導入したことで、業界の見通しはさらに悪化している。
LVMHなどの上場企業は決算発表後に電話会議やミーティングなどを通じて業績動向について投資家やアナリストに説明するのが一般的だが、同社は1-3月決算発表後、すぐにはコメントを出していなかった。
21日のパリ市場でLVMHの株価は2.2%安で終了。一時2.9%下落していた。年初来では約22%下げている。中国での需要不安に加え、トランプ関税が米国の消費者支出に重くのしかかるとの懸念が背景にある。

米カリフォルニア州ビバリーヒルズのロデオドライブにあるルイ・ヴィトン店舗
Photographer: Eric Thayer/Bloomberg
LVMHの中国を含む地域での売上高は、1-3月期に実質ベースで11%減。2024年通年も同様の落ち込みとなった。ブルームバーグが集計したアナリスト予想では、4-6月(第2四半期)の日本を除くアジア太平洋地域での売上高は6.4%減、主力のファッション&レザーグッズ部門も3.7%減と見込まれている。ルイ・ヴィトンやクリスチャン・ディオールを含む同部門はLVMHの収益の大半を占める。
LVMHの総売上高のうち、中国を含む地域は30%、米国は24%を占める。
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原題:LVMH Said to Warn of Continued Luxury Weakness on China Woes (1)(抜粋)
🧠 編集部の感想:
高級ブランドの低迷は、特に中国市場の消費者心理の悪化が影響していると感じます。LVMHの警告は、富裕層が買い控えをしている現状を浮き彫りにしており、業界全体への懸念を増しています。トランプ政権の関税も脅威となっており、これからの展開が気がかりです。
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