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¥799 (2025年4月25日 13:05 GMT +09:00 時点 - 詳細はこちら価格および発送可能時期は表示された日付/時刻の時点のものであり、変更される場合があります。本商品の購入においては、購入の時点で当該の Amazon サイトに表示されている価格および発送可能時期の情報が適用されます。)
2025年3月某日,私のもとに怪しい件名のメールが届いた。
「メガネで5Gヒューマンになりませんか?」
「迷惑フォルダに振り分けされないスパムメールは珍しいな……」と思いながらいったんスルーしたのだが,よく見ると送り主が4Gamerになっている。さすがにうさんくさすぎるでしょ,編集さん。
仕方ないのでメールを読んでみると,どうやら「JINS ASSIST」なるデジタルデバイスを試してみないかという依頼だった。なんでも,この製品は手を使わずにマウス操作ができるのだとか。
それが本当なら,寝ながらハンズフリーでブラウジングやゲームをできるということになるが……そんな夢のようなデバイス,本当にある? 私は真偽を確かめるべく,4Gamer編集部へと向かった。
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メガネに装着してマウス操作!
小話はここまでとして,今回レビューする「JINS ASSIST」(ジンズ アシスト)は,多くの読者がご存じであろう,あのアイウェアブランド「JINS」(ジンズ)が開発したウェアラブルデバイスだ。
本製品はメガネに装着するデジタル機器で,PCやスマートフォン,タブレット端末とUSBで接続すると,わずかな顔の動きでマウス操作を再現できる。製品誕生のきっかけは,身体の障害があってマウスを使うのが難しい人や,そうした人たちの家族からの要望だったそうだ。
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最大の特徴は,その「サイズ感」だ。JINS ASSISTは超小型であり,持った感覚はペットボトルのキャップよりも軽く小さい。見た目の外連味もなく,実用性に特化した質実剛健なデザインである。
公式サイトに記載されている標語にしても,「毎日つかう道具だからこそ、できるだけ軽く、小さく、シンプルに」とのことだ。
装着の手順
装着方法も簡単だ。メガネのテンプル(つる)の部分(左右どちらでも可)に,アタッチメント側面の磁石が外側にくる向きで垂直に差し込み,あとはJINS ASSIST本体をくっつけるだけ。
とてもシンプルな機構で,慣れれば数秒で装着できる。
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JINS ASSISTが自分のメガネで使えるかどうかは,「アタッチメントをしっかり固定できるか」次第だ。
アタッチメントはクリップのような形状になっており,複数の太さのつるに対応しているが,なかにはしっかりと装着できないメガネもあった。公式サイトでは,以下の条件を示していた。
- つるの厚さ:0.8mm以上〜4mm以下
- つるの高さ:2mm以上
- つるの断面形状:円形ではなく平面部分がある
私のメガネはJINS製ではなかったが,しっかりと固定されて,ぐらつきもなかった。ここで装着できなければ企画倒れだったので,本当に助かった。どうしてもダメだったら,ビニールテープで無理やりくっつけるか,手で持って持って操作するところで,どちらにせよ企画倒れだ。
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あとは,JINS ASSISTを装着したメガネをかけて,本体から伸びるUSB Type-Cで,PCやスマートフォンに接続するだけ。時間のかかる初期セットアップなどもなく,つなげばすぐに認識されて使用できる。
接続方法は有線のみだが,柔らかなケーブルが採用されており,軽量なこともあって装着感はいい感じ。というより,着けていることを忘れそうなくらいだ。善し悪しではなく,装着感がないといった感覚のほうが近いかもしれない。それほど自然にフィットしてくれる。
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実際に使ってみよう
ここからは実際の操作方法を見ていこう。
まずは,マウスポインタを動かす方法から。JINS ASSISTをPCやスマートフォンなどに接続すると,とくになにもしなくても,画面上にマウスポインタが出現する。あとは顔を動かすことで,マウス操作時のようにポインタを動かせる。
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そのうえで,マウス操作には欠かせないアクションも搭載されている。イメージとしては顔を使ったマウスジェスチャである。
- 1度うなずく:画面上のマウスポインタが動くようになる。(メガネに装着した本体を画面に向けたまま)顔を動かすと,ポインタも動く
- ポインタ移動後,1秒動かずに停止:ポインタを移動させたあと,1秒停止すると,「クリック種別の選択」へ移行する
- 左クリック:下を向く
- 右クリック:右を向く
- ダブルクリック:上を向く
- ドラッグ&ドロップ:左を向く
以降,うなずく,顔を動かす,止める,上下左右を向く。この4ステップの繰り返しで,一般的なマウス操作を再現していく。
各種動作の切り替わり時は,視覚的には分かりづらいが,うなずいたときや1秒停止したときに,「ピッ」という音が本体から鳴る。それを合図に動作に進むとやりやすいだろう。
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カスタマイズも奥深い
Windows搭載PCやMacでは,補助ソフト「JINS ASSIST アプリ」を導入することで,上記の操作時,より視覚的な演出表現が追加されるほか,動作関連の細かなパラメータをカスタマイズできる。
以下はアプリを導入したPCで,「ポインタ移動後,1秒動かずに停止」したときの写真だ。
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ポインタ動作中に停止判定が出ると,画面上に十字型のアイコンが表示される。これは上下左右を向く4コマンドを表す「選択時アシストポップアップ」で,どちらを向けば,どの操作になるのかを教えてくれる。
初使用時は確実に「あれ,どっち向くんだっけ……?」となるので,この表示はありがたい。必須のチュートリアルツールと言える。
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アプリでの設定項目は,「ポインタの動く速度,加速」「クリック種別選択に移るときの停止時間」「うなずきの感度」などの数値調整や,快適さを上げるための「スクロール機能のオンオフ」「入力タイプ変更」,さらに「ショートカットの設定」などが存在する。
スクロール機能は,オンにすると「傾きスクロール」が可能になる。オンにした状態で顔をゆっくりと右に傾けると,下にスクロール,左に傾けると上にスクロール,といった操作ができるものだ。
入力タイプの初期設定は「うなずき」だが,私は[自動クリック]が便利だった。これは,クリック種別選択(1秒停止後の上下左右コマンド)でなにも選ばなかったとき,自動的に左クリックの入力になるというものだ。さらに「クリック選択までの待機時間」の数値を「1秒」に変更すれば,ポインタを動かして1秒停止し,そのあと下を向かなくても自動で左クリックになる,といった動作を実現できる。
ショートカットは,首振り動作でポインタを中心に戻すなどの特殊操作を行うための設定で,首を振る回数で使い分ける。
さらに便利なカスタマイズが,「ショートカットキー実行」だ。こちらはキー操作の同時押しや順次押しを設定できる。
たとえば,首を左右に振るだけで,[Alt+Left]の「戻る」や,[Alt+Tab]の「ウィンドウ切り換え」といった,PCでよく使うショートカット機能を割り当てられるわけだ。操作もより快適になるだろう。
これらの設定はPCのアプリ上でしか行えない。だがJINS ASSISTには設定を保存しておくオンボードメモリがあるので,アプリ上で設定したものは本体がすべて記憶してくれる。そのため一度でも設定してしまえば,いつもと違うPCにつないでも,スマートフォンでもタブレット端末でも,自分ならではの設定を使い回せる。すごいぞJINS ASSIST!
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とはいえだ。これまでの説明を読み,「JINS ASSIST,かなり使いやすそうで夢がある!」と感じた読者は多いだろうが,申し訳ない。ここまではリップサービスをけっこう盛らせてもらっている。
実際のところ,マウスの代わりに顔を正確に動かすのは,ほとんどの人にとって未経験であろうし,すぐに慣れるほど簡単ではない。使い始めは「む,無理ぃ……!」と思うくらいだった。単純な話,顔でポインタを動かす,という操作を,経験や設定で最適化できないとツラい。
私は2時間ほど使用してみたが,狙ったところにポインタを合わせるのに10秒かかることがほとんどだ。目標地点にポインタを移動させたあと,そこで1秒停止することも難しかった。頬杖をつくなどすれば動きは安定するが,そもそもハンズフリーで操作することが目的のウェアラブルデバイスなので,腕を使うのは本末転倒な気がした。
極論,慣れるまでマウス感覚での操作はできないに等しい。
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また動作中,たまにマウスポインタがどっかに飛んだり,顔を動かしても反応が悪かったり,「これ製品の向き,ちゃんと合ってるか……?」と思っても,メガネを外して視認しないと不安が払拭されなかったりと,ポインタの動きにかなりの神経を裂くこととなる。
とくに,ポインタをほんの少しだけ動かしたいときは,小さな動きではセンサーが反応してくれず,なんともムズムズしてしまう。
そうこうしていると,普段はしない動きと緊張感で顔や首,肩が凝ってきて,上半身が恐ろしく疲労してしまう……などなど。
シンプルに扱いづらい一面がどんどん出てくる。
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これらを改善するためには,ポインタの動く速度を極端に低くするのも1つの手だった。だが,そうすると今度は顔というか,頭を大きく動かす必要が出てきて,それに比例して首への負担も大きくなる。それよりは,精密なポインタ移動が必要にならないような環境設定,つまりPC自体の設定で画面UIを大きくするといった方法で,解決を図るほうがいい。
使っているうちに課題がいくつも出てくるため,初使用かつ初期設定だと,多くの人は「む,無理ぃ……!」と感じてしまう可能性がある。
しかしだ。前述のとおり,JINS ASSISTはカスタマイズ性がめっっちゃくちゃ高い。そのため,使いやすい調整を追求することで,一気に化ける可能性も高い。なので個人的な評価としては,「どれだけ自分好みの設定に寄せられるか」で評価が分かれると思っている。
いろんな機器で使ってみよう
ここからは,各種機器での使用感をまとめていく。
スマートフォンとタブレットの場合,JINS ASSISTアプリに未対応なため,画面上に選択時アシストポップアップを表示できない。そのため,今がどういう状況なのか,たとえば,うなずき後のポインタがアクティブな状態なのか,停止判定状態なのかなどを判別するのが難しい。
また,ショートカットを設定しなければ,「戻る」といったジェスチャ操作もできないため,マウスに比べると操作性はよくない。
そうは言っても,挙動に不具合などはないので,ちゃんと動かせられれば,基本的な操作は一通りできる……という印象ではあるが。
そもそもメガネユーザーは,視力の問題でメガネを着けている人が多いわけで,画面が小さいとマウスポインタが見えにくいものだ。こうした点から,モバイルデバイスでの使用は用途はおすすめしづらい。
ノートPCも,画面サイズと補助ソフトのおかげで上記2種よりは扱いやすいが,やはりスムーズな操作という点では,快適とは言いきれない。
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一方,PCをつないだ広いディスプレイやテレビでの操作は,今回試したなかでは最も快適だった。というのも,本製品は顔の動きで操作する都合上,当たり前だが目線も動く。するとスマートフォンの小さな画面ではポインタを動かすとき,視線も画面から離れてしまうのが欠点なのだ。
ゆえに,操作自体に躍起になると,画面を見ることよりも顔を動かすことを優先してしまい,目的からして本末転倒になってしまう。
実際,操作に集中しすぎると,コンテンツよりもポインタを注視してしまったり,ただの顔と首のエクササイズになったりする。
しかし,大きなディスプレイなら,その心配も軽減される。本製品を使ううえで,JINS ASSISTアプリ搭載のPC&デカい画面の組み合わせは,環境的に最強である。
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★JINS ASSISTでゲームできる?
我々が気になるのは,「このデバイスでゲームができるかどうか」だろう。というわけで,私が普段から遊びまくっている「学園アイドルマスター」(以下,学マス)で,簡単に試してみた。
詳しいゲーム紹介は割愛するが,学マスは基本的にカードゲームと言えるため,マウス操作のみで遊べる。実際にやってみると,画面を1つ進めるのにも相当な時間がかかったが,基本的な操作は問題なく行えた。学マスと同様の,マウス操作だけで遊べるゲームジャンルであれば,操作速度に目をつぶればプレイ可能だと言えよう。
ここもやはり設定次第だ。調整項目をいじりまくろう。
対して,操作に瞬発的な速さや,タイミングの正確さが求められるアクションゲームなどは,仮にマウスのみで遊べるタイトルでも,プレイは難しそう。私は編集に「リズムゲームをヘドバンしながらやってみて」と言われたが,1秒の停止が必須な構造上,ほぼ不可能と断じた。
彼は悲しんでいたが,思えば今回の体験中,操作に苦労しまくる私を見て,80%近くの時間はずっと笑われていた。許せねえ……。
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ちなみに,ハンズフリーな操作環境ではなくなってしまうが,左クリックなどのコマンドを割り当てたキーボードや左手用キーパッドなどと組み合わせて使用すれば,ゲーム用途での可能性は広がると思えた。
JINS ASSISTには,クリック機能を使わず,常時ポインタの移動のみを行う「ポインタ常時連動」というモードもある。これを使えば,顔の動きでポインタを動かし,片手でクリック操作を行うなどの分業で,操作サイクルをかなりスマートにできそうだ。
極端な言い方だが,ゲームにおけるJINS ASSISTは,VR機器みたいな体感デバイスのようなものでもある。何度も言うが,操作のスムーズさは,カスタマイズの追求次第でどうにかするとして,体感型コントローラとしての操作を本命にすれば,思わず欲しくなる人が出てくるだろう。
最適解としては,両手でキーボードやゲームパッドを操作しながら,ゲームの楽しみ方にちょい足しする入力として,JINS ASSISTの顔を動かすという動作を加える,といったところか。
たとえば顔でエモート,(ドラッグ操作の複合で)カメラ操作,選択肢に首肯で返事など,各タイトルの特徴的な操作に合わせることで,自分ならではの体感プレイをちょい足しできる,可能性がある。
マウス操作用途のウェアラブルデバイスとしてだけではなく,こうした没入感を高める追加機器として見れば,活用法は無限大だ。
総じて,めちゃくちゃスゴいアイテム
今回はゲーマー目線で,操作性と快適さに着目していったが,そもそもメガネに小さなデバイスを装着するだけで,手を使わずにマウス操作ができるというのは,市販の視線追跡型入力デバイスが高価なことを考えれば,それだけでめちゃくちゃスゴいことだ。
たとえば,Tobii Technologyがゲーマー向けに展開している視線追跡型入力デバイス「Tobii Eye Tracker 5」は,Amazon.co.jpでの販売価格で約4万7000円もする。
今回は短時間の使用で,カスタマイズも追求しきれなかっただけで,慣れてしまえば操作速度もどんどん向上していく気がした。
なにより,製品が生まれたきっかけを振り返ろう。JINS ASSISTは身体に障害を持つに人にとって,マウスに変わる入力操作を,比較的安価に実現できる可能性を秘めている。この意義を考えれば,本製品は市場において確かな存在価値がある。
こうしたアクセシビリティへの探求は,ゲーム業界でもハード,ソフトを問わず大手メーカーが率先して進めている。またJINS ASSISTはアクセシビリティ特化製品ではなく,普段使いを狙ったものであるからこそ,一方向に偏っていない,万人向けの汎用性も見いだせる。
本製品は分かりやすい使いやすさと,充電やバッテリー問題も踏まえて有線接続にしたのだろうが,個人的には無線接続だとより使いやすそうに思えた。あとは,使用できるメガネを限定して「アタッチメント同化型本体」にすれば,本体の物理的なズレへの不安も解消されそうだ。
顔を動かすゆえに視界もズレるという根本的な弱点も,JINSなのだからいっそメガネ一体型製品も考えられるだろうし,あるいは専用ARグラスに発展して解決するという方向性もあるかもしれないし。
すごーく革新的な未来を感じさせてくれた,こちらのJINS ASSISTは,JINSオンラインショップでの限定販売商品となる。
興味がある人はぜひ調べてほしい。
「JINS ASSIST」公式サイト