
2025-05-05 17:00
男性アルファ
年齢:27歳
誕生日:4月24日
身長:193㎝
体重:95~99㎏(100㎏を超えないように気をつけている)
家族関係:父、父、姉、兄
身長190㎝超えの筋肉質。家族の事業のバックアップのため、ヤクザの仕事をしています。イヒョンの父親であるキム・サヒョクが残した莫大な借金を受け取るため、イヒョンが海で自殺しようとしたところを助けました。借金返済としてイヒョンに肉体関係を要求しつつ、家や生活費を与えるなど手厚く保護。
男性オメガ
年齢:27歳
誕生日:2月29日
身長:179㎝
体重:69㎏
家族関係:父、腹違いの弟
強くて情が深く、無愛想だけど稀に見せる笑顔は格別。腹違いの弟であるキム・イヨンが新生児の頃から面倒を見てきました。ケンカが強く、同じ体格なら負けたことがないのだとか。テジュに対しても容赦なく殴ります。
生きていればいつかいいことがあると信じていたけれど、人生に絶望したキム・イヒョンは、幼い弟・イヨンを連れて海の中へと歩いていきます。
そんなイヒョンをつかまえて、海から引きずり戻して助けたのはヤクザのヨ・テジュ。その目的はイヒョンの父親であるキム・サヒョクが残した借金をイヒョンから受け取るため。
物語は絶望の淵から始まり、イヒョンは自分が借りてもいない借金返済のため、やがてテジュに体を売るという不本意な契約を結ぶことになります。
強引に肉体関係を迫るなどクズっぷり全開で最低だと言わざるを得ないテジュですが、実のところ聡明で常識人の一面もあり、親切でさらっと優しさを見せてくるので憎みきれないところがあります。
一方で、弟のイヨンを守りながら重苦に耐えて一生懸命に生きてきたイヒョン。心に深い傷を負っているのに、気にかけるのはいつも大切なイヨンのことばかり。強さで覆い隠した弱さを見ると、なおさら幸せを願わずにはいられません。
そんなダークな世界ですが悪いことばかりではなく、重い展開のなかにも絶妙なバランスでコミカルな描写があるので、苦しくなったり笑ったり切なくなったりと感情が大忙し。天使のような可愛いイヨンの存在が読者の癒しでもあります。
最初はテジュの人間性についてよく分からない部分もあるかもしれないですが、どうか最後まで見守ってほしいなと思います。
なぜならテジュが自分の想いを知ったとき、これまでの自身の行いを激しく悔いるターンが訪れるから。動揺、後悔、不安……あまりにも健気で切なくて愛に満ちていて、そしてその愛情は防衛線を張ったイヒョンの心にはなかなか届かなくて。読んでいるこちらまで泣けてくるほどに劇的な展開を迎えることになるのです。
人を愛するって様々な形があって、“自分以上に相手を大切に思う” “自分の気持ちよりも相手の心を優先する”というのもひとつの愛。そして本作ではここからもっと踏み込んで愛について描かれていて、個人的にはこの作品と出会って良かったなと強く感じた部分です。
テジュが実際にイヒョンに対してどんな言動を見せるようになるのか、同時にイヒョンの心がどう動いていくのか、ぜひ読んで確かめてみてくださいね。
テジュが心を入れ替えてからも、すれ違いを重ねる二人。すれ違いの原因はお互いの想いを読み違えていることだったりもするので、もどかしくてもどかしくて。
深層心理から紐付いている言葉や行動にもハッとさせられるところがあって、イヒョンのある行為やテジュの行動、彼らの思考に説得力があるのも本作の魅力です。
伏線回収も鮮やかで、いかに緻密なストーリーであるか思い知らされると同時に激しく感情が揺さぶられていくはず。物語の冒頭は殺伐としているようであり、読んでいるときは情緒が乱され、最終話を読み終えた時には“美しい作品”だったなと静かに余韻に包まれながら噛み締めていました。
二人のことを知った上で最初から読み返すと、さらに感極まって涙が止まらず。暗い始まりからのコントラストも印象的な作品です。
ある意味テジュとイヒョンは恋愛初心者ではありますが、何度も肌を重ねています。本作はオメガバースで発情期などがあることに加え、テジュとイヒョンが特殊な関係ゆえラブシーンはかなり多く、しかも非常に激しくて濃厚。イヒョンの匂いが大好きなテジュは、本能に振り回されるアルファの特性もあってか隙あらばイヒョンに興奮しています。
韓国BLといえば色んな意味で攻め様の“規格外の大きさ”というのもお馴染みですね。攻めのテジュは身長193㎝の筋肉質で身体の厚みが凄い。対して受けのイヒョンは179㎝と高身長ではあるものの身体のラインは細めで、わりと体格差があるカップリングです。
尊大なテジュと、自分を大切にしないイヒョン。始まりがお金と性で繋がる関係だった二人は、どのように愛を育んでいくのでしょうか。美しい作品タイトル『水辺の夜』(原題:『물가의밤』)の意味を、ぜひ体感してほしいです。
ここ数年BL作品に触れてきたなかで、テジュとイヒョンが辿り着いた“愛”は、私にとって初めての感覚でした。作者のeuja先生が伝えたかったことをできるだけ多く受け取りたいと思いましたし、テジュとイヒョンの変化が愛おしくてたまりません。外伝も楽しみです。

数年前にBLと出会い、心に潤いを取り戻しました。BLとブロマンスを愛し、大好きな作品はたくさんありますが『チェリまほ』が心のよりどころです。そして『魔道祖師』をはじめ中華BLの沼へ。趣味は国内外のBL漫画や小説を読むこと&ドラマ観賞で、これまでに執筆した記事は『チェリまほ』『美しい彼』『魔道祖師』『陳情令』『ENNEAD』など。

- 藤崎萌恵
- 数年前にBLと出会い、心に潤いを取り戻しました。BLとブロマンスが癒し。主な記事は『チェリまほ』『陳情令』等。
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