土曜日, 5月 24, 2025
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集中力がアップするかもしれないイヤホンで、仕事は捗るのか?【家電レビュー】


オープンイヤー型ワイヤレスイヤホン「kikippa イヤホン」

以前からピクシーダストテクノロジーズが開発した「ガンマ波サウンド」という技術に興味を抱いていた。脳波の一種である「ガンマ波」の約40Hz……1秒間に40回……と同じ周期で変動を繰り返す音を聞いて、脳を刺激しようというもの。なぜそんなことをするかと言えば、ガンマ波の刺激により、記憶や集中力に良い効果があるかもしれないからだ。

以前から、この「ガンマ波サウンド」機能を搭載した、テレビ用スピーカーが販売されていたが、5月8日には、同機能をより気軽に使えるオープンイヤー型ワイヤレスイヤホン「kikippa イヤホン」が、シオノギヘルスケアから発売された。価格は29,700円。

イヤホンであれば、自分が好きな時に好きなコンテンツを「ガンマ波サウンド」にして聞くことができる。ということで、さっそく同イヤホンを借りて、体験してみた。

本体のイヤホン部

独特の音は、ラジオなどの話し声であれば2週間で慣れた

「ガンマ波サウンド」が、どのよう聞こえるかといえば、コンテンツにもよるうえ個人差もあるが、筆者の場合はブルブルと震えるような音として聞こえる。ニュース番組などで、個人を特定されたくない人が証言する時に、プライバシー保護のために加工されている音声を聞いたことがあるだろう。誰の声か分からなくなるわけではないが、エコーのかかり具合は、それと似ている。

ニュースや朗読など、人が話しているコンテンツであれば、筆者の感想としては、少し震えるような音にもすぐに慣れる。例えばオードリーの人気番組「オードリーさん、ぜひ会ってほしい人がいるんです。」をYouTubeで見たり聞いたりするのが大好きなのだが、今回は、このイヤホンを使って聞いてみた。期待はしていなかったが、やっぱり仕事に集中することはできず、聞き入ってしまった。ただし、コンテンツに集中していると、「ガンマ波サウンド」特有の音も気にならなくなる。

「ガンマ波サウンド」に慣れるのには、こういう好きなトーク番組……ラジオなどを聞くのが良い気がする。

一方で歌唱を伴う音楽だと、歌声も伴奏もエコーがかかったように聞こえてくるため、慣れるのに時間がかかる……というよりも、筆者が2週間使ってみたところ、まだ違和感が残り「音楽は普通に聞きたいな」といったところだ。

「ガンマ波サウンド」はワンボタンでオフにできる

同イヤホンは「ガンマ波サウンド」に変調させない、普通の音声も聞くことができる。本体に配置されている長方形のボタンを押すだけで、同サウンドのオン/オフが可能で、例えばラジオを聞いていて、音楽が流れてきたらオフにするといったことも簡単だ。

細長いボタンがモード切り替え用。丸いボタンは電源ボタン

本体のボタン操作では、オンまたはオフの操作しかできないが、専用アプリからの操作であれば、音の強弱の振れ幅……変調強度を「とても弱い」〜「とても強い」の5段階で調節できる。使い始めは、弱めで使い、慣れるのに従って強めていくと良いだろう。

ガンマ波サウンド変調強度は5段階で切り替え可能

もちろん「ガンマ波サウンド」をオフにすれば、一般的なイヤホンと全く同じで、むしろイヤホンの音質は悪くない。音響イヤホンの聴き比べを得意とするわけではないが、ドラムなどの低域音から女性ボーカルなどの高域音まで、音源に忠実に再生されている。変にチューニングされていないので、違和感なく自然なサウンドが楽しめる。

16mmのドライバー(振動板)が採用され、低域から高域まで自然なサウンドが楽しめる

また、アプリと連携している場合には、サウンドモードが変えられる。これは主に、テレビ用スピーカー「kikippa」のための機能だと思われるが、人の声を強調して聞かせる「くっきりボイス」や「セリフ」などのモードがある。筆者はYouTubeの解説動画をよく見る……というか聞くことが多いため、これらのモードを使うと聞き取りやすく多用した。

「くっきりボイス」などで、会話コンテンツなどが聞き取りやすくなる

独特の「ガンマ波サウンド」を聞くための専用機器ではなく、一般的なイヤホンとしても使いやすいのだ。

また、本体の形状がスポーティ。耳が小さい筆者でも耳裏のラバー(フレックスイヤーサポート)のおかげで、しっかりとフィットする。さらに耳を塞がないオープンイヤー型のため、ウォーキング時にも適しているだろう。

耳の裏側に当たる部分のフレックスイヤーサポート

耳にしっかりとフィットする

賢くなったか? は、分からない

実際に脳が鍛えられているのか? と聞かれれば、分からない。ただし、筆者が初めて「ガンマ波サウンド」を聞いた時には、脳のいつもとは異なる部分がむず痒くなるというか、反応している感覚はあった。また今も、聞くたびに使い慣れていない脳の部位が活性化しているように感じる。もちろん、あくまで個人の感想だ。

そんなこともあり、ランチ後の昼下がりに眠くなった際に「ガンマ波サウンド」を聞いてみた。すると、うっすらと眠気がひいた気がしなくもない。

それらが「ガンマ波サウンド」の影響なのかは、脳波を計測したわけではないので不明だ。筆者が「ガンマ波サウンドは脳に良い」と思い込んでいるため、そう感じるという可能性も高いだろう。

ちなみに、専用アプリには「認知機能チェック」という項目がある。空間認識力や見当識、記憶力や計画力などを簡単なゲームを行なうことでチェックできる機能だ。筆者が試してみたところ、同年齢の平均よりも下という悲しい結果になった。ここで見せられないくらいに、特に記憶力が壊滅的だった。

左が2回目の結果。記憶力がヤバいと思ったので翌日にもう一度チャレンジ。右が3回目の結果。少し改善されたが、イヤホンは関係ないだろう

まぁ記憶力は若い頃から悪かったので、年齢のせいなのかな……と、個人的には懐疑的だが、記憶力が低いことは確かなので、結果を真摯に受け止めたいと思う。

そんなことよりも、イヤホンで「ガンマ波サウンド」を使い続けると、この結果が好転していくのか、もしくは現状を維持できるのかが気になるところ。こればかりは使い続けなければ結果は分からない。

現状では、「kikippa イヤホン」を使い続けることで、脳の何かが今より良い状態になるとは断言できない。それでも数週間使ってみた筆者は、何か良いことがあるんじゃないかなぁくらいには思っている。

こうした機器は、誰かにおすすめするようなものではないので、興味を抱いた人がいれば、公式サイトなどを熟読して精査してみてほしい。個人的には、筋トレなどと同じで「効くはずだ」と思って使うほど、効果が高まると考えている。納得できないまま購入することは、おすすめしない。

一点だけ、気になるのはイヤホンの充電に、専用のケーブルが必要なこと。色々と事情はあるのだろうが、この専用というのは好きではない。せめて充電ドックには、USB Type-C端子を備えてほしかったなと思う。

専用の充電ケーブルの端子

充電ケーブルをイヤホン本体に直接つなげることができる

充電スタンドもあるが、いずれにしても専用の充電ケーブルが必要





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🧠 編集部の感想:
この「kikippa イヤホン」によるガンマ波サウンド体験は興味深いです。集中力向上の可能性がある一方で、音質に違和感を感じる点が少し残念でした。日常の仕事や学習にどれほど影響するか、引き続き使ってみたくなる製品ですね。

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