トランプ米大統領は17日、小売り大手ウォルマートが値上げの方針を示したことについて、関税のせいにすべきではないと同社を非難した。
トランプ氏は「ウォルマートはチェーン全体の値上げの理由を関税のせいにするのをやめるべきだ。ウォルマートは昨年、予想をはるかに上回る数十億ドルの利益を上げた」と自身のソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」に投稿。「言われているようにウォルマートと中国が『関税を飲み込む』べきであり、大切な顧客に一切負担をかけるべきではない。私は注視しており、顧客もそうだ!!!」と記した。
ウォルマートが15日発表した2-4月(第1四半期)決算では、売上高と利益が堅調な伸びを見せた。ただ、関税で経済の混乱が深まる中、世界最大の小売業者である同社でさえも値上げを避けられないことを警告した。
同社のジョン・デービッド・レイニー最高財務責任者(CFO)は15日のインタビューで、「まだ値上げに気づいていないとしても、5月には実施され、今後さらに顕著になるだろう」と述べた。
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ウォルマートの広報担当者は17日、同社としては可能な限り長く低価格を維持する方針だとし、小売業の利益率が薄いことを指摘した。
トランプ氏は別の投稿で連邦準備制度をあらためて批判し、「利下げを先延ばしせず、早めに実施すべきだ」と述べた。自身の関税政策が招いた経済的影響の責任を米金融当局に転嫁しようとしているもようだ。
トランプ氏が引き起こした貿易戦争は、あらゆる業界の企業活動に混乱をもたらしている。米国と中国が90日間の関税率相互引き下げで合意するなど、一時的な措置がサプライチェーンへの圧力を短期的に緩和すると期待されているが、急激な変化の連続により、企業は対応や計画が困難な状況にある。
レイニー氏は「関税の引き上げ幅はあまりにも大きく、小売業者だけで吸収するのは不可能だ」と述べた。
原題:Trump Says Walmart Shouldn’t Blame Tariffs for Higher Prices (1)(抜粋)
🧠 編集部の感想:
トランプ氏がウォルマートの値上げ計画に対して関税を理由とすることを批判する一方で、企業の利益があるならば、消費者に負担をかけるべきではないという主張が強調されています。この発言は、関税政策が経済全体に与える影響を軽視しているとも受け取れます。小売業界におけるデリケートな状況を考慮すると、単純な理由付けでは解決できない問題が多くあることを認識すべきです。
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