土曜日, 5月 24, 2025
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金子差入店(真司くんと高史くん)はなすじ

🧠 あらすじと概要:

あらすじ

映画「金子差入店」では、真司くんが高史くんに何度も面会に訪れる姿を描いています。真司くんは初めての面会で、こず江の依頼に基づいて高史くんに接触し、その後も彼の事情に関心を寄せます。真司くんは、高史くんとの出会いを通じて彼自身の仕事に対する意識が変化していく様子が描かれています。この物語は、犯罪者とのやり取りを通じて被害者の視点を考えることの重要性を浮き彫りにしていく過程を描いています。

記事の要約

この記事では、映画の中で真司くんが高史くんに面会する様子を分析し、彼らの関係性の変化に焦点を当てています。真司くんは高史くんとの面会を重ねることで、依頼者とその背景にいる被害者に対する理解を深めていきます。また、真司くんが抱える内面的な葛藤や周囲の人々との関係が、物語の深みを増しています。最終的に、これらの出会いが真司くんにとって重要な意味を持つようになることが示唆される内容となっています。

金子差入店(真司くんと高史くん)はなすじ

記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。

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はなすじ

映画を、その中に生きる人たちの人生の一部分を切り取ったものとして観る人にとって、作品の中では語られない時間があるのは当然だし、それがその作品の深みだったり鑑賞者へのプレゼントになったりするんだと思ってる。

真司くんは作中で3回、高史くんに会いに行っている。1回目、とてもお似合いの茶色のハーフジップのニットを着て。その直後、こず江からの「あの子には話し相手が必要だと思うんです」という依頼にこたえての2回目。そして、こず江にブランケットを返却し佐知と哲のことがあってからの3回目。

でも実際真司くんは少なくとももう1回、もしかしたらもう複数回高史くんに会いに行っているのではないかな。ブランケットを返却して佐知がイチゴを送ってくるまでの期間がたった数日とも思えないし、お仕事として請け負っている以上、そんな何週間も、もしかたら月単位で依頼遂行を延ばすなんてこと考えにくい。「またな」と言って立ち上がっている真司くん、そうやってこず江からの依頼を受けてきたのかな。もしかしたらそのうち、高史くんと会うことが真司くんのライフワークになるのかもしれないなとさえ思った。高史くんの事件があったことで、真司くんの仕事に対する意識が変わったのだろうと。

真司くんの中にはこれまで依頼者と差入相手しか意識していなかった。だけど、その背後には彼らによって傷つけられた人たちがいることに気づいたのだろう。この相手のしてきたことに対する被害者がいるから、この人は今アクリル板の向こうにいるのだと。

こず江が初めて金子差入店を訪れた日の夜、換気扇の下で煙草を吸いながら「突き刺さってるみたいでさ」と弱音を吐く真司くんに、美和子は少し冷ややかに「そんなのいつもじゃないの」と返す。犯罪者を相手にする仕事では、どんな時でも被害者がいることは当たり前。妻から離婚届を突き付けられた彼にも、親からの手紙に泣いていた彼女にも、被害者がいる。今さら被害者のことを考えて胸を痛めるのは違うんじゃないのと言っているように聞こえた。

3回目の面会で目のことを聞かれ自分のことを話してくれた高史くん、そして「ありがとう」とこたえる真司くん。差入屋と受刑者という不思議な関係だけど、確実に二人の間に独特の関係性が育っているみたい。その関係はこず江が高史くんにあげた一番のプレゼントかもしれないし、真司くんにとっても大きな意味を持つ関係になるんだろう。

はなすじ



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