土曜日, 5月 24, 2025
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逆風下のSHOEI(7839)に投資妙味は?現状と未来を深掘り分析HR7

🧠 概要:

概要

SHOEI(7839)は、高品質な二輪用ヘルメットの製造・販売を行う企業で、コロナ禍によるバイクブームの終息や在庫調整の影響で厳しい業績に直面している。本記事では、SHOEIの2025年9月期第2四半期報告書を基に現状と課題、今後の成長可能性を分析し、投資妙味について考察する。

要約

  • 企業概要

    • 株式会社SHOEIは1959年設立の高級ヘルメットメーカーで、安全性と革新的デザインで知られる。
    • 主力製品は二輪車用ヘルメットで、国内外に販売網を展開。
  • 直近業績

    • 2025年9月期中間決算で売上高は前年同期比11.5%減、営業利益は17.1%減。
    • 減収の主な要因として、販売数量の減少が挙げられ、特に日本と欧州市場での低迷が影響。
  • 財務分析

    • 総資産は339億8,812万円(前年対比で減少)、負債は53億3,075万円(減少)で、自己資本比率は84.3%と高水準を維持。
    • キャッシュフローは営業活動でプラスを維持し、事業継続能力に問題なし。
  • 市場環境

    • 世界的な需要減速と在庫調整の影響を受け、業績は減少したが、財務基盤は依然として盤石。
  • 投資妙味
    • 現在の逆風の中でも、SHOEIは高いブランド力を誇り、長期的には成長可能性が期待される。

逆風下のSHOEI(7839)に投資妙味は?現状と未来を深掘り分析HR7

HR7

世界中のライダーから絶大な信頼を得る高級ヘルメットメーカー、株式会社SHOEI(以下、SHOEI)。その卓越した安全性と革新的なデザインは、多くの二輪愛好家を魅了し続けています。しかし、コロナ禍でのバイクブーム一巡や世界的な在庫調整の波を受け、同社の足元の業績は厳しい状況に直面しています。本記事では、SHOEIが提出した2025年9月期第2四半期報告書(以下「本報告書」)を丹念に読み解き、ウェブ上の最新情報も交えながら、同社の現状、課題、そして今後の成長可能性を多角的に分析します。逆風の中でSHOEIはどのような戦略を描き、投資家にとって魅力的な投資対象となり得るのか、徹底的に掘り下げていきましょう。

2. 企業概要とビジネスモデル

SHOEIは、1959年の創業以来、一貫して高性能・高品質な乗車用ヘルメットの開発・製造・販売を手掛けてきました。「世界一の安全」を追求し、企画から開発、生産、販売に至るまで自社グループで一貫して行う体制を構築しています。主力製品は二輪車用ヘルメットであり、その製品群はレースシーンから日常のライディングまで、幅広いニーズに対応しています。

  • 会社名: 株式会社SHOEI

  • 英訳名: SHOEI CO., LTD.

  • 設立: (創業1959年)

  • 本社所在地: 東京都台東区台東一丁目31番7号

  • 代表者: 代表取締役社長 石田 健一郎 氏

  • 事業内容: 乗車用ヘルメットの製造販売が主たる事業

  • 上場市場: 東京証券取引所 プライム市場

同社のビジネスモデルの核心は、徹底した品質管理と高い技術力に裏打ちされた「SHOEIブランド」の構築にあります。開発・製造は主に日本国内で行い、国内子会社および海外子会社を通じてグローバルに販売網を展開しています。特に、欧州、北米といった先進国市場では高いブランド認知度と市場シェアを誇ります。製品の安全性と快適性を追求し続けることで、高価格帯であっても顧客に選ばれる製品を提供し、高い収益性を確保しています。

サマリー

SHOEIは、安全性を最重視した高級ヘルメットを自社一貫体制で開発・製造し、グローバルに販売する企業です。高い技術力とブランド力が競争力の源泉となっています。

3. 直近業績と財務分析

本報告書によると、2025年9月期中間連結会計期間(2024年10月1日~2025年3月31日)の業績は、前年同期比で減収減益となりました。

経営成績の概況

当中間連結会計期間における経営成績は以下の通りです。

  • 売上高: 145億6,216万2千円 (前年同期比 11.5%減)

  • 営業利益: 43億7,330万8千円 (前年同期比 17.1%減)

  • 経常利益: 43億4,315万4千円 (前年同期比 18.8%減)

  • 親会社株主に帰属する中間純利益: 30億4,073万5千円 (前年同期比 18.7%減)

減収の主な要因は、日本及び海外を合わせた販売数量が前年度比18.2%減となったことです。 特に欧州市場では、前年同期に発売した主力2モデルの新商品(NEOTEC3、GT-Air3)の反動減に加え、フランスでの天候不順や不安定な政治状況の影響で販売が低迷し、20.1%減となりました。 日本市場も流通在庫の過剰と調整の本格化により26.9%減と大幅に落ち込みました。 一方、北米市場は景気が比較的底堅く推移し、代理店の在庫も過度な過多状態にはないため、4.3%増となりました。 アジア市場は中国市場の低迷継続や旧正月期間の小売店休業増加などにより19.3%減となっています。

販売数量の減少に対し、円安効果等により単価が上昇したものの、売上高の減少をカバーするには至りませんでした。 利益面では、生産数量の減少に比べて製造原価が増加し、広告宣伝費等の販売管理費も増加したことが響き、各利益段階で大幅な減益となりました。

財政状態の分析

当中間連結会計期間末(2025年3月31日)の財政状態は以下の通りです。

  • 総資産: 339億8,812万8千円 (前連結会計年度末比 10億9,753万5千円減)

    • 主な要因:現金及び預金の減少 (17億4,662万7千円減)、売上債権の増加 (5億9,832万2千円増)、棚卸資産の増加 (5億7,427万2千円増)

  • 負債: 53億3,075万6千円 (前連結会計年度末比 2億911万4千円減)

    • 主な要因:買掛金の増加 (2億5,179万6千円増)、未払法人税等の増加 (2億8,027万7千円増)、その他流動負債の減少 (6億4,890万9千円減)

  • 純資産: 286億5,737万2千円 (前連結会計年度末比 8億8,842万円減)

    • 主な要因:利益剰余金の減少 (6億3,734万2千円減)、為替換算調整勘定の減少 (3億384万3千円減)

  • 自己資本比率: 84.3% (前連結会計年度末 84.2%)

総資産は、現金及び預金の減少が響き減少しました。負債は、買掛金や未払法人税等が増加したものの、その他流動負債が大きく減少したため、全体として減少しました。純資産は、中間純利益の計上があったものの、配当金の支払いや為替換算調整勘定のマイナス影響で減少しました。自己資本比率は引き続き80%を超える高水準を維持しており、財務の安定性は極めて高いと言えます。

キャッシュ・フローの状況

当中間連結会計期間のキャッシュ・フローの状況は以下の通りです。

  • 営業活動によるキャッシュ・フロー: 26億1,087万7千円の増加 (前年同期比 12.7%減)

    • 主な増加要因:税金等調整前中間純利益 43億3,148万2千円、減価償却費 6億7,139万3千円。

    • 主な減少要因:棚卸資産の増加 7億4,791万9千円、その他流動負債の減少 7億3,851万8千円、法人税等の支払額 9億5,508万1千円。

  • 投資活動によるキャッシュ・フロー: 5億4,679万1千円の減少 (前年同期比 76.0%減)

    • 主な要因:有形固定資産の取得による支出 4億9,845万2千円。

  • 財務活動によるキャッシュ・フロー: 37億2,499万8千円の減少 (前年同期比 33.3%減)

    • 主な要因:配当金の支払額 36億7,399万7千円。

  • 現金及び現金同等物の中間期末残高: 136億579万6千円 (前連結会計年度末比 17億4,662万7千円減)

営業キャッシュ・フローは黒字を確保したものの、前年同期に比べると減少しました。投資キャッシュ・フローの支出は抑制されましたが、財務キャッシュ・フローは主に配当金の支払いにより大幅なマイナスとなりました。結果として、現金及び現金同等物は減少しています。

サマリー

SHOEIの直近業績は、世界的な需要減速と在庫調整の影響を受け、減収減益となりました。しかし、自己資本比率は依然として高く、財務基盤は盤石です。キャッシュ・フローも営業活動ではプラスを維持しており、事業継続能力に問題はありません。

4. 市場環境と競合ポジショニング

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HR7

毎日決算書を分析し、企業の成長可能性と投資妙味を考察。市場のシグナルを読み解き、未来の企業価値を探ります。投資のヒントを発信中。公益社団法人 日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)



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