🧠 概要:
概要
この記事では、設備のコストについて論じており、具体的には設備購入時に考慮すべき要素を「モノ」と「作業」に分けて説明しています。自動化を導入する際にかかる費用を理解するためには、何が含まれているかを知ることが重要です。そのため、具体例としてネジ締めロボット装置を取り上げ、設備費の構成要素を詳細に説明しています。
要約(箇条書き)
- 設備のコストを理解するためには、「モノ」と「作業」を二つに分ける必要がある。
- 自動化導入の際、「いくらかかるのか」という疑問がよく生じる。
- 具体例として、ネジ締めロボット装置を紹介。
- モノ(製作・調達されるもの)の例:
- ネジ締めドライバー付きロボットアーム
- ケース固定用治具
- 設備据え付け用架台やフレーム
- 制御盤やセンサー
- 安全用カバーや柵
- ネジ供給装置
- 操作スイッチや非常停止ボタン
- 設計図面やプログラム
- 作業(作成に必要な労力)の例:
- 要件ヒアリング、仕様検討
- 機械、電気、ソフト設計
- 部品手配、組立、配線
- テスト、立会、据付
- ドキュメント作成
- 工程管理や納期調整
- 設備費は「モノ」の材料費と「作業」のエンジニアリングコストの合算で構成される。
- 特にロボットが複雑な動作を必要とする場合、作業コストが大きくなる傾向がある。
白鳥です。
自動化を検討するとき、「結局いくらかかるの?」というのは気になるポイントだと思います。
でもそもそも、「設備を買う=何を買うのか?」をちゃんと理解できていないと、見積が高いのか安いのかも判断できません。
そこで今回は、設備費の中身を「モノ」と「作業」に分けて見ていきます。
事例:ネジ締めロボット装置
例として、ケースのネジ締めを行う装置を考えてみましょう。
ワーク(ケース)の投入と排出は人が行い、ロボットがネジを締める構成です。
モノ(=製作されるもの)
まずは、実際に製作・調達される「モノ」の一覧です。
-
ネジ締めドライバーを持たせたロボットアーム
-
ケースを正確に固定するための治具
-
上記を据え付けるための架台やフレーム
-
動作に必要な制御盤やセンサー類
-
作業者の安全を守るカバーや安全柵
-
ネジを整列させて供給する装置
-
設備を動作させるための操作スイッチや止めるための非常停止ボタン
-
設計図面や制御プログラムなどの成果物
作業(=それを作るための労力)
次に、それらを設計・組立・調整するための「作業」です。
-
要件のヒアリング、仕様検討
-
機械設計、電気設計、ソフト設計
-
部品の手配、組立、配線、調整
-
テスト実施、立会検証、現地据付
-
ドキュメント作成(取説、配線図など)
-
工程管理や納期調整、社内外の打合せ対応
設備費は、モノと作業の掛け合わせ
設備費は、「モノ」の材料費や機器費だけでなく、
「作業」としてのエンジニアリングコストも大きく影響します。
どちらが高いかはケースバイケースですが、たとえばロボットが複雑な動作を求められる装置だと、
作業コストの比重が大きくなる傾向があります。
Views: 0