🧠 概要:
この記事は、観光地ではない地域が観光客を引き寄せるマーケティング戦略に焦点を当てています。著者は、無名の地域でも特徴を生かした“弱者”の戦略を提案しています。
### 概要
観光地でなくても、その地域の特性や生活に基づく体験を提供することで魅力を引き出し、観光客を呼び込む方法について説明しています。また、現在の社会の変化を受けて、非観光地にもチャンスがあることを示唆しています。
### 要約 (箇条書き)
– 観光資源がないことは不利ではなく、強みになる可能性がある。
– 観光のプロダクト定義が曖昧で、実行に困難が伴う。
– 「本物」や「日常」を求める観光ニーズが高まっている。
– SNS世代の台頭やデジタル技術の進化により、無名な町にも注目が集まる。
– 観光マーケティングにおいて「弱者」は、来訪者数の増加に注力すべき。
– 「ダブルジョパディの法則」に基づき、一度でも来てもらうことが重要。
– 科学的なマーケティング思考を活用することが選ばれる地域になる鍵。
■観光マーケティングのむずかしさ
地域で観光に携わる方なら誰もが感じているはずです。
マーケティングといっても、地域には様々なプレイヤーがいて、思い通りに戦略を実行するのは難しい。
そもそも「観光」って何? 宿泊? 飲食? 体験?それとも地域そのもの?
つまり、“観光のプロダクト定義”そのものが曖昧なんですね。
加えて、ステークホルダーが多い。行政、観光協会、個人事業主、住民……
そして、データがない。顧客の声も拾えない。
でも、これはあなたの地域だけではありません。
むしろ、多くの地域が直面している課題です。
■チャンスは「非・観光地」にある
しかし一方で、いま私たちの社会では大きな変化が起きています。
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“本物”や“日常”に触れたいという観光ニーズの高まり
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趣味嗜好でつながるSNS世代の台頭
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デジタル技術や生成AIの進化による情報発信の容易化
これらは、無名なまちにも光が当たる時代が来たことを意味しています。「地元のおばあちゃんに昔話を聞きたい」「農家の納屋でランチを食べてみたい」
そんな体験こそ、今の旅人が求めているものなのです。
■“弱者”のマーケティング戦略とは?
観光マーケティングにおける「強者」とは、知名度があり、観光資源に恵まれ、予算も潤沢な存在です。
京都、沖縄、箱根――彼らはリピート戦略で戦います。
しかし私たちはそうではありません。
だからこそ必要なのが、“弱者”のための戦い方です。
その第一歩は、こんな問いから始まります。
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どうすれば、まだ来たことのない人に来てもらえるか?
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どうすれば、一度だけでも「選ばれるまち」になれるか?
■「ダブルジョパディの法則」から学ぶ
特に「弱者」である私たちが意識すべきセオリーとして「ダブルジョパディの法則」があります。これは、「市場浸透率(ブランドを購入する消費者の割合)が低いと、購入頻度(消費者がそのブランドをどれだけ頻繁に購入するか)も低くなるというものです 。
この法則から、一般的にブランドが成長する最大の要因は“顧客数”の増加だと言えることがわかっています。
このことは、観光にもそのまま当てはまります。
リピートしてくれる人を増やすよりも、まずは“一度来てくれる人”を増やすこと。
つまり、来訪者数=浸透率を高めることこそ、弱者の戦略なのです。
■まとめ:戦い方を変えよう
観光地ではないあなたのまちが、選ばれるために必要なのは、奇をてらったプロモーションでも、潤沢な予算でもありません。
必要なのは、“科学的マーケティング思考”という武器です。
次回は、そんな“選ばれる確率”を高めるための考え方、「プレファレンス=選好性」についてご紹介します。
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