月曜日, 5月 19, 2025
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西垣匠、“カメレオン俳優”として見せた新境地 『最後から二番目の恋』でさらなる躍進へ


 鎌倉を舞台に小泉今日子演じるテレビ局のプロデューサー・吉野千明と、中井貴一演じる鎌倉市役所職員・長倉和平の大人たちの青春を描くドラマシリーズの第3期『続・続・最後から二番目の恋』(フジテレビ系)。キャスト陣の見た目が全然変わらなくて、前作から11年も経っていることが未だに信じられない中で、唯一時の流れを感じさせるのが、白本彩奈演じる和平の一人娘・えりなだ。

TVerで『続・続・最後から二番目の恋』をみる

 第1期の時は11歳だった彼女もとっくに成人を迎え、いまや24歳。見た目も雰囲気もすっかり大人の女性になり、それだけでも感慨深いが、内面的な成長を強く感じさせたのが第5話だった。もともと性格がドライな上に、前作までは思春期真っ盛りで和平に対して辛辣な態度を取っていたえりな。

 その彼女が第5話で和平とお酒を酌み交わしながら、当時のことを謝罪した上で「人としては、好きだなって思う」と素直な気持ちを打ち明けるのだ。きっとドラマを通してえりなの成長を見守ってきた視聴者もつい親心で目頭が熱くなると同時に、「色々なことがあったけど、こういう瞬間に立ち会えるなら頑張って生きてきた甲斐があったな」と思わされたのではないだろうか。

 そんなご褒美のような時間を生み出した功労者は、えりなが海岸で出会った優斗(西垣匠)だ。なぜかえりなが海に流れ着くものでアートを作っていることを知っていて、いつも無言でゴミを渡してくる少し変わった青年だが、それはランチで訪れた店で和平が仕事仲間と交わしていた会話を偶然耳にしたことがきっかけ。そこで和平がえりなを「ファザコン気味の娘」と仕事仲間に紹介していたことを優斗が本人に伝え、前述のシーンが生まれた。

 演じる西垣匠はまだデビュー5年目だが、数多くの話題作に出演しているため、熱心なドラマウォッチャーなら何度か目にしたことがあるに違いない。しかし、改めて出演作を振り返ってみると「え!? この役もあなたが演じてたんですか」と驚く人が多いのではないか。それくらい作品ごとにガラリと雰囲気を変える俳優なのだ。

 デビュー作は和山やまの大ヒット作を実写ドラマ化した『夢中さ、きみに。』(MBS)。シュールな男子高校生たちの日常を描いた青春群像劇で、西垣は最終話に後輩をこき使うヤンキーの先輩役でゲスト出演している。出番は少なめだが、悪役に徹しながらも、作品のテイストに合わせて、クスッと笑える絶妙なバランスで演じていたのが印象的だ。『ドラゴン桜2』(TBS系)では、眉毛なしの丸刈り頭にピアスというイカつい見た目に。西山潤と抜群のコンビネーションで、桜木(阿部寛)の“舎弟”として活躍する愛すべき不良生徒を作り上げていた。


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 西垣は顔立ちこそ甘めだが、高身長で筋肉質なこともあり、「やんちゃな役が似合うなぁ」と思っていたら、そのイメージが大きく覆されたのが『みなと商事コインランドリー』(テレビ東京系/以下、『みなしょー』)だ。近年はBLドラマでブレイクする若手俳優が増えているが、西垣もその一人。同作はコインランドリーを舞台にしたピュアラブストーリーで、西垣は10歳年上のアラサー男子・湊(草川拓弥)に恋する男子高校生のシンを演じたのだが、この役がとにかく魅力的だった。

こんなに“年下男子”という存在の魅力を引き出している作品はあるだろうか?  『みなと商事コインランドリー2』(テレビ東京系)は…

リアルサウンド 映画部

 シンは恐れを知らないまっすぐな年下男子。ストレートに愛を表現し、湊にのらりくらりと交わされてはむくれるところなんかは特に子供っぽくて愛らしいなと思う。だが、侮るなかれ。シンは圧倒的“攻め”であり、一度攻めモードに入ると超強引なのだ。憂いと熱を帯びた瞳には10代とは思えない色気があり、そのギャップに湊も視聴者も大いに翻弄された。

 そんな西垣が『顔に泥を塗る』(テレビ朝日系)ではモラハラ男に変貌する。西垣演じるハルが、いつもより濃いメイクに挑戦した彼女の美紅(高橋ひかる)にクレンジングオイルを頭からかけるシーンは『みなしょー』ファンにとっては衝撃だったのではないだろうか。あくまでも物腰は柔らかく、されど穏やかな微笑みから狂気を覗かせる西垣の演技にはゾワゾワさせられたものだ。

 だが、『わたしの宝物』(フジテレビ系)では一転して好青年のイメージに。西垣が演じた隼人は唯一の肉親である兄の下原(持田将史)を海外のテロで亡くした役どころで、悲しみを抱えながらも前に進もうとする姿が眩しかった。このように、西垣はどの作品でも自分を排除し、完璧なまでに役に擬態するため、もはやウォーリーをさがせ状態。山田孝之、綾野剛、中村倫也など、“カメレオン俳優“と呼ばれる称される役者は数多く存在するが、これからさらなるブレイクが期待される次世代俳優の中では一番と言っても過言ではないだろう。

 今作で演じる優斗も、西垣のキャリアの中では見たことがないタイプの役だ。すべてが謎に満ちていて、年齢さえも不詳。ただ唯一、優斗がえりなに「役に立たないゴミもあるってことだ」と溢した時の哀しげな表情から傷ついた過去が見えた気がした。彼は自分のことを役に立たないゴミだと思っていて、ゴミを綺麗なアートに生まれ変わらせるえりなに救われているのではないだろうか。一見、爽やかな雰囲気だが、何かあるんだろうと思わせる演技は流石の一言。目立ったアクションもまだ起こしていないのに、自然と興味を惹かれる。そんな優斗が、5月19日放送の第6話で長倉家を訪れるそうだ。本作の真骨頂でもあるリアルで軽妙な会話劇に混ざった時、西垣がどんな演技を見せるのかが楽しみである。

■放送情報
『続・続・最後から二番目の恋』
フジテレビ系にて、毎週月曜21:00~21:54放送
出演:小泉今日子、中井貴一、坂口憲二、内田有紀、飯島直子、久保田磨希、松尾諭、佐津川愛美、白本彩奈、広山詞葉、美保純、柴田理恵、浅野和之、渡辺真起子、森口博子、石田ひかり、三浦友和ほか
脚本:岡田惠和
プロデュース:若松央樹(フジテレビ)、浅野澄美、郷田悠(FCC)
演出:楢木野礼、高橋由妃、西岡和宏(フジテレビ)
主題歌:浜崎あゆみ「mimosa」(avex trax)
制作協力:FCC
制作著作:フジテレビ
©︎フジテレビ
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/nibanmeno_koi/
公式X(旧Twitter):@zokuzokukoi2025
公式Instagaram:@zokuzokukoi2025

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編集部の感想:
西垣匠の幅広い役柄の演技力は本当に目を見張るものがあります。特に、『最後から二番目の恋』での彼の新しい役は、彼の成長を感じさせる素晴らしい挑戦だと思います。今後の彼のさらなる活躍にも期待が高まりますね。

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