複素数平面上の円の軌跡に関する京大入試数学について #Python - Qiita

円の軌跡を描く方程式を手計算で考えるのは少し複雑なので、頭が痛い。したがって、受験数学ではちょうどいいレベルの問題設定になりがちである。そこで、今回は、一文で問題文が完結する京大入試数学を用いて複素数平面の証明問題の解法の流れをつかむことを目指す。

ただし問題は、以下のサイト記事にある2004年の京大数学を用いた。

複素数平面上に$1,-1,\alpha$という点が存在するとき、$-\frac{1}{\bar{\alpha}}$を含めた4点はなんと以下のように同一円周上にある。これを示す。

厳密解による外接円の描写.png

まず、天才ではない我々一般人は、部分点を稼ぐために少しでも粘りずよく答案を書きあげる必要性がある。なので、まずは『すぐわかりそうなこと』をあぶりだしていくことである。この場合、すぐわかりそうなことは、点1,-1の垂直二等分線上に円の中心は存在することから、円の中心座標は純虚数である。
つまり、中心を$\beta$ とおいた場合

ただし、$k$は実数

と表すことができる。

この情報は点1,-1に関わる情報なので、$\alpha$に関する情報も入れたい。そこで、点1と中心$\beta$と点$\alpha$と中心$\beta$の距離は円の性質上等しい。

このことを武器にして、その値が点$-\frac{1}{\alpha}$と中心$\beta$の距離に等しければ証明終了となる。

なので、その方針で考える。

点1と中心$\beta$と点$\alpha$と中心$\beta$の距離は円の性質上等しいを式にすると以下のようになる。

ここで、

を代入し、両辺を2乗すると以下のようになる。

1+k^2=(\alpha-ki)\overline{(\alpha-ki)}
1+k^2=(\alpha-ki)(\overline{\alpha}+ki)
1=|\alpha|^2+k(\alpha-\bar{\alpha})i

一方で、

|\beta-\frac{1}{\bar{\alpha}}|^2=|ki-\frac{1}{\bar{\alpha}}|^2=(ki-\frac{1}{\bar{\alpha}})(-ki-\frac{1}{\alpha})=k^2-\frac{-k(\alpha-\bar{\alpha})i+1}{|\alpha|^2}=k^2+1

となる。

(最後の計算で、

1=|\alpha|^2+k(\alpha-\bar{\alpha})i

を用いた。)

さて、上記の例をプログラムを用いて図示してみよう。

python circle_alpha.py

import numpy as np
import matplotlib.pyplot as plt
import japanize_matplotlib
import math


alpha=3+2j

aa=1
bb=-1
cc= alpha

#三角形の座標
x1=np.real(aa)
y1=np.imag(aa)

x2=np.real(bb)
y2=np.imag(bb)

x3=np.real(cc)
y3=np.imag(cc)
#クラメルの公式の準備(行列式の計算)
A=x3-x1
B=y3-y1

D=x2-x1
E=y2-y1

C=0.5*(x3**2-x1**2+y3**2-y1**2)
F=0.5*(x2**2-x1**2+y2**2-y1**2)

#行列式の計算
delta=(A*E-B*D)
delta1=(C*E-B*F)
delta2=(A*F-C*D)
# クラメルの公式による解の計算
a=delta1/delta
b=delta2/delta

r=((x1-a)**2+(y1-b)**2)**0.5

plt.plot(x1,y1,color='red',marker='o')
plt.plot(x2,y2,color='red',marker='o')
plt.plot(x3,y3,color='red',marker='o')

plt.plot(np.real(-1/np.conj(alpha)),np.imag(-1/np.conj(alpha)),color='black',marker='o')

#極座標方式、つまり媒介変数表示で円を描写する。
theta=np.linspace(0,math.pi*2,100)

x=a+r*np.cos(theta)
y=b+r*np.sin(theta)

plt.plot(x,y,color='blue')
plt.axis('equal')
plt.savefig('厳密解による外接円の描写.png')
plt.show()

これを実行すると以下のような画像になる。

厳密解による外接円の描写.png

このように、4点は同一円周上にあることが分かる。

ちなみに、このプログラムについて詳しく知りたい方は以下の記事を参考にされたい。

今回は、複素数平面上の円に関する問題を扱った。受験数学で大事なのは、分かるところをまずは書き出し、そこから解法の糸口を広げるといった試行錯誤を行うという訓練である。今回の証明問題は、シンプルなゆえに、解析的な解き方や幾何学的な解き方など多くの別解が考えられるはずである。したがってこのような質の高い問題を別の分野の視点から眺めてみるというのも一つの数学的思考力を磨く方法になるだろう。



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