日曜日, 6月 1, 2025
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街ぐるみの恐怖、個人の心許なさ『ホステル』感想幽香/ホラーコンテンツを愛す🧊

🧠 あらすじと概要:

あらすじ

映画『ホステル』は、若い男たちが旅行中に立ち寄った魅力的なホステルが、実は恐ろしい陰謀に満ちた場所であることに気づき、命からがら逃げ出すというストーリーです。主人公たちは最初は楽しいひとときを過ごしますが、仲間の一人が行方不明になり、次第に恐怖が迫ってきます。物語は、見知らぬ土地で誰にも頼れず、警察すらも信用できない絶望的な状況を描いています。

記事の要約

この記事は、映画『ホステル』の感想やテーマについての考察を展開しています。著者は、街全体で一個人を狙う恐怖の描写が特に印象に残り、無力感や絶望感が心に残る作品であると述べています。また、スプラッター映画としての魅力はあるものの、特に日本人女性の被害者の存在から生じる文化的な抵抗感があるため、勧めにくい作品でもあると語っています。全体的には面白いが、過激さゆえに観る人を選ぶ映画であるとの評価がなされています。

街ぐるみの恐怖、個人の心許なさ『ホステル』感想幽香/ホラーコンテンツを愛す🧊

⚠️ネタバレを含みます。
前情報なしで観たい方は、視聴後に読んでもらえると嬉しいです。

「ホステル」は2025年5月現在U-NEXTで視聴できます。

街ぐるみの恐怖を描く

ホラーと一口に言っても、オカルトにゾンビもの、SFと様々です。

その中でも、街ぐるみで一個人を陥れようとするものは、特に無力感を強く突きつけられます。

同じ人間同士であるにも関わらず、一方に対して強引に権利や保証を機能させない。

本来存在するはずのセーフティが機能しないという当たり前の瓦解に加えて、集団で敵対してくるのですから、これも立派なホラーでしょう。

というわけで、今回紹介するホラー映画は「ホステル」

旅行中に訪れた街がとんでもない街だと発覚し、命からがら逃亡するスプラッター映画です。

序盤は呑気なシーンが続きますが、物語が進むにつれて一転します。
それが本作の魅力でしょう。

男は女に弱い。だから騙される

主人公を含めた3人の若い男は旅の途中で、手軽に女とイチャイチャできるホテル(ホステル)の存在を知ります。

2人は既に浮かれており、主人公も疑念を抱きつつも彼らに同行。

主人公の憂いは的中しており、このような話には常に裏があるものです。

ホテルに到着してしばらくは噂通りの良い思いをするわけですが、明け方に仲間の1人が帰ってきません。

さらに、「彼はチェックアウトしている」とフロントでは言われ、首を傾げざるを得ないことになっていました。

戻ってこない彼は「エリート・ハンティング」という、人間をお金で買い取り、拷問にかけたり、殺害を行える施設に連れ込まれていたのです。

主人公らはまだこの施設の存在を知らないでいますが、作中では、このあたりから不穏な空気が漂い始めます。

そうして、巨悪な犯罪に主人公らは巻き込まれていきます。

知らない土地、誰にも頼れない恐怖

冒頭に話したように「見知らぬ土地で、誰にも頼れない」という点が、この作品の最たる恐怖だと思います。

スプラッター映画でもあるので、そういった部分が恐怖を演出するのですが、それはあくまでも一過性のものです。

継続して恐怖を感じさせるものではありません。

その点、街や巨大な組織単位で敵意を向けてくる場合は、いつまでも恐怖が付きまといます。

例えば作中では、現地の警察に「友人がいなくなった」と相談していました。

しかしながら、エリート・ハンティングに連れていかれたのだろうと警官は分かっていて、しれっと揉み消されているのです。

その後、主人公はエリート・ハンティングに捕まってしまいます。
命からがら抜け出しますが、当然、街を出るまで関係者から追われることになります。

しかも、エリートハンティングによる連絡で警察による検閲が始まるものですから、一筋縄ではいきません。

本来であれば味方となる警察が味方しないというのは、絶望感の強い事実となるのです。

勧めたいけど勧めにくい映画

そんな「ホステル」ですが、微妙におすすめしにくい。

作品自体は面白いですし、スプラッターシーンなどもそれなりに秀逸です。

スプラッター映画として、おすすめできます。

ただ、登場人物に日本人女性がいる。
それも被害者として。

これが勧めにくい。

このような発言は危ういですが、「同じ人種が痛々しい思いをしているのはつらい」という人は多いかと思います。

この点をクリアしている人にはおすすめです。

個人的に勧めづらい理由-道楽とご都合主義-

以下は、私個人の信念が大いに混ざった感想ですが

  • 道楽でやるスプラッターなので、気に食わない。信念がない。

  • ラストに報復が続き、都合の良いストーリーという感覚が強い

という点も気になります。

作中のスプラッターは、「悪魔のいけにえ」のレザーフェイスのように殺人をしなくてはならない性分から来ているものではありません。

遊びで人を殺しています。
私はこれが好きでないです。

人を殺したくて殺したくてたまらない人物が、己の危険を顧みずに獲物を探し出し、直接手にかけるから面白い。

人に用意してもらったものをお金を出して拷問、秘匿性もありますよって、殺しの真実を知らない人間がやることです。
覚悟が足らない。

また、終盤に「酷い目に遭った原因」に当てはまる人物に対して、軒並みやり返します。

「そんな都合よく勢揃いしないだろ!」というのが私の意見で、場面を作ったなとどうしても感じてしまいました。

前者は私の「変わり者」が出ているとして、後者は割と共感してくれる人は多いだろうと思っています。

まとめ

「ホステル」はスプラッター映画でありながら、無力さからくる絶望感を描いたのが非常に面白い作品です。

ただ、生々しいがゆえに過激度が高い。

この作品における恐怖や舞台の演出として、超能力や悪霊といったオカルトじみたものが登場しません。

極端に言うと、「実際にそういう街があるのかもしれない」という疑念を振り払うことが出来ないのです。

それ故に、Wikiの賛否両論という評価はよく分かります。

というか、「イーライ・ロスによる反応」の部分を読んで、割とムカついた。
ここから3000文字くらいは余裕で文句を書き綴ることのできる。

と、まぁそれは彼の作品を全部見たうえで「嫌いな監督」と称して記事にしてやります。
私も性根が悪い人間なのだ。

話が逸れましたが、先ほども言ったように過激度は高いです。
なので、スプラッターに慣れている人向け。

間違っても「スプラッターが苦手」、「ホラー映画に慣れていない」という人は観ないほうがいいです。

普段、「映画を観て、感想をまとめて、WikiやChatGPTを足掛かりに間違いがないか精査」という段階を踏んで、記事にしています。
ただ今回は、Wikiを読んでしまったがために評価がぶれました。

「非常に面白い作品だけど、好きとは言ってやらない」というのがこの映画の総評です。

《🔗作品リンク》

✅「悪魔のいけにえ」(レザーフェイス)については語っている記事はこちら。

他のホラー映画の感想はこちらから



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