若手に伝えたい「組織開発」の本質と価値観〜50代のアナタへのメッセージFUJIO

50代のビジネスパーソンとして、長年の経験を積んできた皆さんは、組織の変遷や多くの人材育成に携わってきたことでしょう。その中で、「組織開発」という言葉を耳にする機会が増えてきているのではないでしょうか？ しかし、その本質を深く理解し、実践している人はまだ多くはありません。今日は、これからの時代において、特に若手に伝えたい「組織開発」の価値観について考えてみましょう。１．「人間尊重」の価値観とは何か？組織開発の根幹にあるのが 「人間尊重」 という価値観です。これは、「人は本来、善であり、自律的・主体的に行動する存在である」という考え方に基づいています。言い換えれば、適切な環境を提供すれば、個々のメンバーは自らの力を最大限に発揮し、成長し、組織にも貢献できるという信念です。これは、日々のマネジメントにも応用できます。例えば、若手社員が思うように成果を出せていないとき、「なぜできないのか？」と問い詰めるのではなく、「どうすればこの人が持っている力を発揮できるのか？」と考えることが重要です。コーチングの視点でいえば、相手の強みや価値観を理解し、それに合った役割や挑戦を与えることが大切です。そうすることで、本人のモチベーションが高まり、主体的な行動へとつながるのです。２．「民主的な価値観」とは何か？もう一つの重要な価値観が 「民主的な価値観」 です。これは、「できる限り多くの人が意思決定に関与したほうが、より良い結論が導き出される」という考え方に基づいています。これを実践するには、組織内での 心理的安全性 を確保することが重要です。たとえば、会議で発言するのはいつも同じメンバーだけになっていませんか？ 若手や現場の声が意思決定に反映されるような場を作ることが、組織の創造性や柔軟性を高めるカギとなります。また、「民主的」というと「全員が平等に発言できる場を作る」ことだと思われがちですが、単なる多数決ではなく、「多様な視点を取り入れる」ことが本質です。コーチングでも、「相手の意見を否定せず、まず受け止める」ことが基本姿勢とされます。若手の意見に耳を傾け、対話を重ねることで、彼らの自信と成長を促し、組織としての意思決定の質も高まるのです。３．若手にどう伝えるか？50代の皆さんは、組織の中で「先輩」や「上司」としての立場にあることが多いでしょう。だからこそ、これらの価値観を 「押し付ける」のではなく、「伝え、引き出す」 ことが大切です。例えば、若手が挑戦を恐れていると感じたら、「君が思う理想の働き方は何だろう？」と問いかけてみてください。そして、「どうすればそれが実現できるか？」を一緒に考えるのです。これは、コーチングの基本である「相手の内発的な動機を引き出す」アプローチそのものです。また、意思決定の場では、「君の意見を聞かせてほしい」と声をかけ、たとえ意見が未熟でも、「なるほど、そういう視点もあるね」と肯定的に受け止めることで、若手の参加意識を高められます。組織開発は「人を育てること」組織開発は、単に制度や仕組みを変えることではありません。 「人を尊重し、成長を促し、多様な声を活かす文化をつくること」 なのです。これからの時代、組織はますます多様化し、変化も激しくなります。その中で、 「人間尊重」と「民主的な価値観」 を大切にしながら、若手を育て、組織をより良い方向へと導いていくことが、私たち50代の役割ではないでしょうか。

ぜひ、日々の仕事の中で、コーチングの視点を活かしながら、若手に寄り添い、成長を後押ししていきましょう。