🧠 あらすじと概要:
映画『国宝』のあらすじと記事の要約
あらすじ
『国宝』は、任侠の一門に生まれた喜久雄が、歌舞伎という禁断の世界に飛び込む姿を描いた物語です。彼は、父を亡くし、上方歌舞伎の名門の当主・花井半二郎に引き取られて、歌舞伎の道へ進みます。喜久雄は、正反対の背景を持つライバル・俊介と出会い、互いに芸を磨き合いながら数々の困難に直面します。物語は、血筋や才能、人間関係の葛藤を通じて、喜久雄の壮絶な人生を描き出します。
記事の要約
映画『国宝』は、歌舞伎の華やかさと背後にある苦悩を巧みに描いた作品であり、主題が多様な感情を引き起こします。特に、主演の吉沢亮と横浜流星の演技が際立ち、彼らは女形の難しい役に見事に挑戦しています。脇を固める俳優陣も豪華で、特に田中泯の存在感が印象的です。物語は、血筋と才能、その中での努力と希望、そして芸がどのように人を成長させるのかを強調しています。様々な葛藤を抱えつつも、異なる道を歩む二人の人生を通じて、観客は感動と共鳴を体験します。
概要とあらすじ
〈概要〉吉田修一自身が3年間歌舞伎の黒衣を纏い、楽屋に入った経験を血肉にし、書き上げた渾身作「国宝」。任侠の一門に生まれながらも、歌舞伎役者の家に引き取られ、芸の道に人生を捧げた主人公・喜久雄の50年を描いた壮大な一代記。そんな「国宝」が、世界最高峰のスタッフ&キャストと奇跡のような集結を果たし、堂々の映画化。本作のメガホンを執るのは、李相日監督。『フラガール』では日本中を感動の涙で包み、第30回日本アカデミー賞最優秀作品賞、最優秀監督賞、最優秀脚本賞を受賞した、常に最新作が期待される監督。脚本は奥寺佐渡子。『サマー・ウォーズ』、ドラマ「最愛」など、アニメ・実写に限らず、複雑に絡みあう人間関係や、心のひだの部分にも光を当てる表現で、様々な脚本賞の受賞歴を持つ日本を代表する脚本家。撮影にはソフィアン・エル・ファニ。『アデル、ブルーは熱い色』で第66回カンヌ国際映画祭パルム・ドールの獲得経験を持ち、今回李監督たっての希望を受けて参加。世界にも通ずる視点でとらえた撮影にも要注目。美術監督には『キル・ビル』の種田陽平。歌舞伎という禁断の世界を美しく、鮮やかに演出する。また、四代目中村鴈治郎が本作の歌舞伎指導に入り、本編に俳優としても参加。緻密で繊細な所作を、女形を演じる俳優陣へ擦り込み、作品を更に高みへと引き上げる。キャストにも、日本を代表する超豪華俳優陣の顔ぶれ。主演である稀代の女形・立花喜久雄を演じるのは、その美貌をもちながら、どんな役でも演じ切る圧倒的演技力で、脚光を浴び続ける吉沢亮。喜久雄のライバルとなる歌舞伎名門の御曹司・大垣俊介を演じるのは、第48回日本アカデミー賞最優秀主演男優賞が記憶に新しく、その他数々の受賞歴を持つ横浜流星。そして歌舞伎名門の当主・花井半二郎に、もはや世界的名俳優と名高い渡辺謙。更には、高畑充希、寺島しのぶ、田中泯、永瀬正敏、森七菜、三浦貴大、見上愛、黒川想矢、越山敬達、嶋田久作、宮澤エマといった、日本映画には欠かせない主演級の俳優たちが一堂に揃い、物語を更に美しく、熱くする。
制作は『キングダム』シリーズ、『ゴールデンカムイ』シリーズのCREDEUS(クレデウス)が担い、観る者を圧倒するエンターテインメント作品へ昇華。
後に国の宝となる男は、任侠の一門に生まれた。この世ならざる美しい顔をもつ喜久雄は、抗争によって父を亡くした後、上方歌舞伎の名門の当主・花井半二郎に引き取られ、歌舞伎の世界へ飛び込む。そこで、半二郎の実の息子として、生まれながらに将来を約束された御曹司・俊介と出会う。正反対の血筋を受け継ぎ、生い立ちも才能も異なる二人。ライバルとして互いに高め合い、芸に青春をささげていくのだが、多くの出会いと別れが、運命の歯車を大きく狂わせてゆく…。誰も見たことのない禁断の「歌舞伎」の世界。血筋と才能、歓喜と絶望、信頼と裏切り。もがき苦しむ壮絶な人生の先にある“感涙”と“熱狂”。何のために芸の世界にしがみつき、激動の時代を生きながら、世界でただ一人の存在“国宝”へと駆けあがるのか?
圧巻のクライマックスが、観る者全ての魂を震わせる―― 。
スポットライトを浴びるのは、血か、才能か。
世襲制という歌舞伎界特有の現在も続く根強い伝統。一方歌舞伎は芸であり、その才能に客はお金を払う。歌舞伎俳優の子と、天性の女形である部屋子。この二人が同じ時代に共存した矛盾を軸に、
一つの道を極めることの苦しさと美しさを描いた大作。
足先からまつ毛の先まで全てで表現
まず、キャスティングが素晴らしい。主演の喜久雄、俊介を演じた吉沢亮と横浜流星は言うまでもない。演技力の高さは折り紙付きな二人だが、女形の歌舞伎俳優という難役も見事に演じた。舞台上で芸を通じて、怒り、悔しさ、憎しみ、喜び、悲しみ、やるせなさ、愛情のすべてを緻密に繊細に表現していた。舞台本番のシーンでは、二人それぞれの美しさに何度も息をするのを忘れてしまった。撮影に挑むまでに、どれほどの稽古を積み重ねてきたのだろう。
彼らの美しさの中に感じた俳優魂に感服した。
そして、脇を固める俳優陣は渡辺謙、寺島しのぶ、田中泯、高畑充希である。特に田中泯が演じた人間国宝・万菊の圧倒的な存在感に痺れた。
「あなた、歌舞伎が憎くて憎くて仕方ないんでしょ。でもそれでいいの。それでもやるの」
俊介に言っているようで、喜久雄に対して言ったこの台詞。
ただの劇中の台詞ではない。踊りという芸の道を極める田中泯だからこそ言うことのできる、深みのある生きた言葉であった。
自分にはこの道しかない
「自分にはこの道しかない。」想像の域を出ないが、歌舞伎に生きる者たちは、役者に限らず皆こう思っているのかもしれない。何度心が折れても、守ってくれる血や才能がなくても、血の滲むような努力が実らなくても、この道しかないから何度でも立ち上がってまた歩き出すしかないのだ。そうして極めた芸はやがて、その人の存在自身をも凌駕していくのである。何を捨ててもこの道で生きていくのだと覚悟を決めた先に、一体何が待っているのか。
芸という、正解も終わりもない世界を俳優陣の圧倒的な演技力と色彩で描いた傑作。
1997年生まれ、丑年。とにかく映像作品が大好き!映画、ドラマ、バラエティ、ニュース、CMすべて。※ホラーを除くでは、主に映画の感想をのらりくらりと記しています。いつか、ライターと名乗りたい…。エンタメ関連のお仕事もお待ちしております。
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