「江端瀧昌、後期訓練も終わり、無事帰還しました!」
その元気そうな姿に視聴者の多くがホッと胸を撫で下ろしたに違いない。『波うららかに、めおと日和』(フジテレビ系)第5話では、瀧昌(本田響矢)となつ美(芳根京子)の感動的な再会が、まさかの事態に発展。その隣で、もう一つの恋が芽生える。
瀧昌が出立して数週間。なつ美は海軍士官の妻の集まりである「花筏(はないかだ)の会」で出会った潤子(小島藤子)から艦が沈んだと聞かされ、不安に苛まれる。しかし、それは過去に起きた水難事故の話で、瀧昌の艦は沈んでいなかった。なつ美は安堵すると同時に、瀧昌の仕事が常に危険と隣り合わせであることを実感する。
自ら望んで瀧昌のもとに嫁いだわけではないが、その不器用な優しさに惹かれ、一緒にいる時間が心から幸せだと思えるようになったなつ美。その分、一人でいる時の寂しさも、瀧昌を失うかもしれない恐怖も増す一方だが、瀧昌と結婚したことに後悔も迷いもなかった。今回の一件で改めて軍人の妻として覚悟と心構えを胸に刻んだなつ美の姿に、愛する人とともに生きるということは、いつ来るとも分からぬ別離の苦しみも請け負うことなのだと教わったような気がする。

一方、瀧昌はそんなことになっているとはつゆ知らず、上官や先輩たちにしこたまお酒を飲まされて泥酔。同僚の深見(小関裕太)に付き添われる形で帰宅するのだった。訓練が無事に終わった安堵感と、なつ美にようやく会える喜びも相まってお酒が回ったのではないだろうか。いつもはキリッとした瀧昌が酔っ払って無防備になった姿は正直、ぐぬぬとなるほどかわいい。

でも、なつ美の気持ちを考えると看過できない気持ちになる。直前に風邪を引いて寝込んでしまったなつ美。どうにか当日までに熱を下げたが、まだ体調万全とは言えない中、たまたま来客した芙美子(山本舞香)と一緒に夕飯の支度をしたり、来たる冬に備えて編み物をしたりしながら瀧昌の帰りを心待ちにしていたのだ。それなのに待てど暮らせど瀧昌が帰ってこず、事故の可能性も頭に過ぎった矢先の帰宅。なつ美は怒りと悲しみから再会の抱擁を求めてきた瀧昌を突き放し、そのまま外に締め出してしまった。

「仕事の飲み会で連絡もなしに帰宅が遅くなった夫を許せるかどうか問題」は、夫婦の今も昔も変わらない永遠のテーマなのだろう。夫婦になって初めて思いがすれ違ってしまったなつ美と瀧昌だが、どちらも穏やかで口下手な性格なので激しい喧嘩にはなり得ない。代わりに議論をぶつけ合うのが、芙美子と深見、そしてインサートの形で登場したなつ美の姉・はる江(森カンナ)と父・篤三(高橋努)だ。
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郁子(和久井映見)の家で深見と一夜を明かした瀧昌は翌朝、なつ美に心配をかけたことを謝罪しつつ、上官や先輩との飲み会も仕事の一環として理解を求める。それを言われてしまうと、今でいう専業主婦で瀧昌に養われているなつ美の立場としては分が悪い。「瀧昌、気持ちは分かるけど、ちょっと狡いよ」と思っていたら、芙美子が代わりに「仕事を盾にするのはいささか卑怯では」と抗議してくれて溜飲が下がった。

それに対し、「仕事を優先して何が悪いんです? 仕事をして帰ってきた家主を締め出すなんて、それこそ失礼では」と反論するのが深見だ。午前様の夫に怒りを露わにするはる江に、篤三も「家族を養うのが男の責任だ。仕事を優先するのは当然だろう」と男の立場から主張する。それぞれが真っ向から対立し、口論はどんどんヒートアップ。最終的には自分たちのせいで他人が喧嘩している状況に居た堪れなくなったなつ美と瀧昌によって御開きとなるが、それこそが芙美子の狙いだった。
どんなに腹の立つことがあっても、自分より怒っている人を見ると怒りが収まるのが人間の心理というもの。夫婦の関係に亀裂を生じさせぬように自分が緩和剤となりつつ、なつ美が口に出すのを憚られる瀧昌への不満を昇華させた芙美子のファインプレーに拍手喝采を送りたい。芙美子の計画に気づいて上手く乗じた深見も、さすがは“MMK”(※「モテてモテて困る」という海軍士官の隠語)。“しごでき”な2人のおかげでなつ美と瀧昌は無事に仲直りすることできた。

瀧昌も後期訓練が終わり、しばらくはなつ美とゆっくり過ごせそうな雰囲気。2人の本格的な新婚生活とともに、気になるのは芙美子と深見の恋の行方だ。芙美子が深見に好意があると早とちりしたなつ美は2人の恋のキューピッドになろうとする。だが、深見は特定の相手を作らないと決めているプレイボーイ。対して、芙美子はタイピストとして活躍する自立した女性で、結婚は望んでいない。そんな2人だったが、芙美子が自分をお見合いを回避するための捨て石に使っていることを知った深見は彼女に興味を持つ。今までモテまくってた深見にとって、自分になびかなさそうな芙美子はいわゆる「おもしれー女」なのだろう。これまで数多くの強気な女性を好演してきた山本舞香と、小悪魔男子を演じさせたら右に出る者がいない小関裕太のラブストーリーなんて興味が湧かないはずがない。果たしてどちらが先に恋に落ちるのか見ものだ。
■放送情報
『波うららかに、めおと日和』
フジテレビ系にて、毎週木曜22:00~22:54放送
出演:芳根京子、本田響矢、山本舞香、小関裕太、小宮璃央、咲妃みゆ、小川彩(乃木坂46)、戸塚純貴、森カンナ、高橋努、紺野まひる、生瀬勝久、和久井映見ほか
原作:西香はち『波うららかに、めおと日和』(講談社『コミックDAYS』連載)
脚本:泉澤陽子
音楽:植田能平
主題歌:BE:FIRST「夢中」
プロデュース:宋ハナ
演出:平野眞
制作協力:FILM
制作著作:フジテレビ
©︎フジテレビ
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/meotobiyori/
公式X(旧Twitter):https://x.com/meotobiyori
公式Instagram:https://www.instagram.com/meotobiyori/
公公式tiktik、
編集部の感想:
このエピソードは、夫婦間のコミュニケーションの大切さを再認識させてくれました。瀧昌と名美の間に生じた誤解と感情のすれ違いは、現代の夫婦にも共通する問題です。愛情を抱えることで、相手を理解しようとする姿勢が必要だと感じます。
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