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概要
この記事では、Web制作における「大丈夫」の言葉についての問題提起と、情報が正確に伝わらないことのリスクを論じています。特に、SSL対応のWordPressサイト移行の実例を通じて、単純な確認不足がもたらすトラブルを紹介し、責任感や検証の重要性を強調しています。
要約
- 「大丈夫」の重み: Web制作現場では、「大丈夫」の言葉がよく使われるが、その責任を確認することが少ない。
- 実話の紹介: サーバ移行中に「SSL前提で作ってある」との確認を得たが、多くの不具合が発生した。
- 具体的な問題:
- トップページは表示されたが、画像リンク切れ。
- サブページで404エラーの発生。
- WordPress内部リンクがhttpのままで動作しない。
- 確認不足の説明: 「SSL対応」との発言は、実際には適切な設定がなされていなかった。
- 責任の差: 言葉の裏には、確認と責任を伴う場合と、ただその場を収めるための適当なものがある。
- 著者のスタンス: 誠実な仕事を目指し、信頼できるチームと協力して問題解決に取り組む姿勢を示している。
記事全体を通して、専門知識の不足と責任感の希薄さがもたらすリスクを明確にし、改善の必要性を訴えています。
仕事の現場では、やたらと「大丈夫です」という言葉が飛び交います。
でも、その“大丈夫”がどこまで責任を伴っているのか、ちゃんと検証されることはあまりありません。
Webの仕事も例外ではありません。
特に、構造や仕様が複雑な領域で「大丈夫」と言い切られるとき、私は少し身構える癖があります。
ある日の実話です
旧サーバからホスティングサービスへWebサイトを移行する案件。
WordPressベースのサイトで、制作業者と一緒に進めていました。
私はDNS切替 → SSL有効化 → WordPress側の動作確認という流れを組み、
Slackで事前に段取りも共有しながら作業していました。
そして、切替直前に念のため電話で確認。
私:「SSLを有効化したとき、WordPressの設定は問題ないですかね?」
担当者:「あ、それは大丈夫です。SSL前提で作ってあります」
そう言われたので、その前提でDNSを切り替え、SSLを有効化しました。
結果どうなったかというと…
-
トップページは表示されるが、画像があちこちリンク切れ
-
サブページでは404エラーが大量発生
-
WordPressの内部リンクもhttpのままで機能せず
“前提”で作ってあるとは何だったのか?
思わず口に出てしまいました。
設定の意味を理解していないまま、発言だけが先に出てくる
このトラブル、技術的に言うとかなり単純です。
WordPressで「SSL対応」設定を有効にすれば、
以降のログインや管理画面アクセスはhttps前提になります。
つまり、httpsでアクセスできない状態では、ログインすらできない。
だからこそ私は、事前に業者へこう確認したのです。
「SSLを有効化したとき、WordPressの設定は問題ないですかね?」
この確認は、「SSL前提で動作確認済みですか?」という意味そのものでした。
しかし実際は、
-
httpの絶対パスが大量に残っていた
-
サブページで404が頻発
-
メディアURLすら未修正
という状態。
「前提で作ってある」と言った本人が、前提の挙動を一切知らなかった。
自分たちが触っているツールの動作すら理解せず、
安易に「大丈夫です」と言えてしまう、その構造に強い違和感を覚えました。
正直、「おいおい、ちゃんとしようぜ」という気持ちが湧かずにはいられませんでした。
「大丈夫です」は誰の言葉か、が大事
ここで少し補足しておきたいのは、
“大丈夫です”という言葉にも、発する人によって重みがまるで違うということです。
私がこれまで関わってきたテクニカルな現場では、
「大丈夫です」という一言の裏に、以下のような背景があります。
-
動作確認済みのログ
-
リリース前のテストステージでのシミュレーション
-
想定外の事象に備えたリカバリ策まで整えてある状態
つまり、「万が一のときも自分が責任を取る」前提での“大丈夫”です。
一方で、今回のような“残念なWeb屋”のケースでは、
確認も検証もせず、ただその場を収めるためだけの“大丈夫”が出てくる。
後者には、“壊れたらあなたが何とかしてくれるでしょ”という無意識の依存すら感じられることもあります。
これは、言葉の内容ではなく“構造”の違いです。
同じ「大丈夫」でも、その背後にあるプロセスと責任感はまったく別物なんです。
私のスタンス
私は、Web制作の仕事が正直あまり好きではありません。
でも「なんとかしてくれませんか」という相談は、いつも来てしまいます。
だからこそ、信頼できる制作業者とチームを組み、誠実な結果を出す形を目指しています。
志はあるけれど、まだテクニカル面が弱い業者でも、
一緒に関わる中で強くなってくれるなら、それが一番いいと思っています。
このシリーズは、そんな出会いをつくるための発信でもあります。
こんな話ばかり書いてますが、ちゃんとした仕事がしたい気持ちは変わりません。
一緒に育っていける人、もし読んでくださっていたら、声をかけてもらえると嬉しいです。
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