by waltarrrrr
自動運転タクシーでは、誰も車両を運転しないので、運転席の横にあるセンターコンソールはデッドスペースになりがちです。そこに手書きのメモを置いて、求人や恋人の募集に使うことが話題になっていると、The Washington Postが報じました。
Tech workers are leaving notes in robot taxis seeking workers and lovers – The Washington Post
https://www.washingtonpost.com/technology/2025/04/12/waymo-handwritten-notes-jobs-ads/
あるX(旧Twitter)ユーザーは、サンプランシスコを走るWaymoのロボットタクシーを利用中に、センターコンソールに置き手紙があるのを見つけ、それを写真に撮ってSNSで共有しました。
投稿に添付された画像のメモには、「シニアソフトウェアエンジニアを募集しています。AI/MLプロジェクトに取り組み、一緒に作り上げましょう」との言葉と、マイアミ州のマーケティング企業・Influurのサイトのアドレス、そして同社のCEOであるアレッサンドラ・アンジェリーニ氏のメールアドレスが書かれています。
このささやかな求人広告を展開した結果、アンジェリーニ氏の元には60通の履歴書が届いたとのこと。アンジェリーニ氏は、The Washington Postに「これはかなり手応えのあった昔ながらのタイプの求人広告になりました」と話しました。
アンジェリーニ氏のアイデアがXで話題になってから数日後、また別のXユーザーがWaymoの車内で恋人を募集するメモを発見しました。
メモには「独身女性および独身の友だちがいる人へ。26歳男性、身長5フィート9インチ(調子のいい日は5フィート10インチ)、テック業界で働いていますが、それが私の全てではありません。マラソンを走ります。もし年が近くて、興味がおありでしたら、私に『マンゴー』とテキストメッセージで送信してください」とのメッセージと、連絡先とおぼしき番号が書かれています。なお、5フィート9インチは約175cmです。
テクノロジーの中心地であるサンフランシスコでは、「人間を雇うのをやめろ」と呼びかける広告が掲載されたり、OpenAIやAnthropicなどの大手AI企業が人間の代わりに仕事をする「AIエージェント」や、人付き合いの代わりに心の隙間を埋める「AIコンパニオン」を我先にと開発したりしています。
AIスタートアップの「人間を雇うのをやめろ」とのディストピア広告が物議を醸す – GIGAZINE
そんな中、こうしたアナログな手法で仕事や恋人を募るのは、質の高い人と人とのつながりを見つけることの難しさや、タクシーへの手書きのメモのような基本的な手段に頼らざるを得ない状況を浮き彫りにしていると、The Washington Postは論じています。
また、オンラインデート講座を開いている作家のダモナ・ホフマン氏は、The Washington Postの取材に対して、「若い人たちは、デートの方法をもっとシンプルな時代に戻そうとしています」と話しました。
ただし、ロボットタクシーを恋のキューピッドにするのはなかなかの妙案ではあるものの、効果的とは言いがたいとホフマン氏は評しています。
ホフマン氏は「この方法ではクリティカルマスにリーチできませんし、車に乗る人の中に、条件に合致していて、なおかつ見知らぬ人にテキストメッセージを送るリスクを取るような人が十分いるとも考えにくいです」と指摘しました。
前述のメモを残した26歳の男性は、メディアからの接触に応じなかったそうです。一方、Waymoの代表者は「個人的にも仕事上でもモビリティを推進できることを光栄に思います」とコメントしました。
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🧠 編集部の感想:
自動運転タクシーのセンターコンソールを利用したメモによる求人や恋人募集のアイデアは、アナログな手法がデジタル社会の中で新たな価値を持つことを示しています。このような取り組みは、人間同士の真のつながりの重要性を再認識させられます。また、シンプルなアプローチが求められる時代の変化を反映しているのも興味深いです。
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