


脳に埋め込んだチップでiPadを操作することに成功
公開日: 2025年08月05日 12時00分
カテゴリ: ハードウェア
Appleが提携するブレインコンピューターインターフェース(BCI)企業のSynchronが、脳に埋め込んだチップを活用し、思考だけでiPadを操作する様子を公開しました。この技術は、特に筋萎縮性側索硬化症(ALS)を患っている患者にとって、重要なコミュニケーション手段となる可能性があります。
重要なマイルストーン
Synchronは2022年に最初のBCI臨床試験を認可され、ALS患者にBCIを埋め込むことに成功しました。その結果、患者はテキストメッセージを送信できるようになり、さらにはAmazon Alexaを使ってスマートデバイスを操作することも実現しています。最新の技術では、Stentrodeと呼ばれるBCIでiPadを操作することが可能になりました。
実際の操作例
2025年8月に公開されたムービーでは、ALS患者のマーク氏が横たわった状態でiPadを目で見つめ、思考だけで操作している様子が映し出されます。マーク氏は、「私に残された時間がどれだけあるか分かりませんが、それを活用して技術の向上に貢献したい」と語っています。
背景と技術の進展
Synchronのシニアディレクター、ピーター・ユー氏は、「マーク氏は、思考だけでiPadを操作した世界初の人物です」と語っています。また、BCIが一般的なインターフェースとして普及することを目指しているとしています。さらに、最高商務責任者のカート・ハックロム氏は、「ヒューマン・インターフェイス・デバイス(HID)」を駆使することが、BCIの成功に不可欠であると強調しました。
このBCI技術は、iOSのスイッチコントロール機能を利用しており、視覚的なフィードバックを提供しながら思考だけで操作を行うことを可能にします。
今後の展望
ハックロム氏は、「今回のリリースは、BCI業界全体にとって大きなマイルストーンとなります」と期待を寄せており、今後も技術の進化に注目が集まります。
この技術が日常生活にどのように活用されるか、そしてさらに多くの人々に福音をもたらす可能性に期待が高まります。興味のある方は、こちらのYouTube動画で実際の操作を確認してみてください。
🧠 編集部より:
脳に埋め込んだチップでiPadを操作することに成功
補足説明
Synchronが公開した映像は、脳に埋め込んだチップでiPadを思考だけで操作する技術の進歩を示しています。この技術は、身体的能力に制限のある患者がデジタルデバイスとコミュニケーションをとる新しい道を切り開くものです。
BCI技術の興味深い背景
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ブレインコンピューターインターフェース (BCI): 人間の脳信号を読み取り、それをコンピューターなどのデバイスに変換する技術です。これにより、神経疾患や障害を持つユーザーが思考だけで操作できるようになります。
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歴史的背景: 最初のBCI研究は1970年代に始まりましたが、近年、技術の進展によって実用化が進んでいます。
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Synchronの取り組み: 同社は、ALS(筋萎縮性側索硬化症)患者向けの治療技術を開発しており、体が動かせない患者が希望を持てるよう支援しています。
豆知識
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BCIの用途: 医療分野だけでなく、エンターテインメントやゲームの分野でも注目が集まっています。将来的にはBCIを使った高精度なゲーミングコントローラーなどが登場するかもしれません。
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倫理的議論: BCI技術の発展により、プライバシーや倫理的な問題も提起されています。脳の信号を読むことができる技術は、どのようにして倫理的に扱われるべきかが課題となっています。
関係するリンク
- SynchronによるYouTube動画 – 脳でiPadを操作する
- 脳インプラントを埋め込んだALS患者が「思考だけでAmazon Alexaを使ってスマートホームをコントロールする」 – GIGAZINE
- Appleのスイッチコントロール機能
この技術の進歩は、BCIが将来どのような可能性を秘めているのかを示す重要な一歩と言えるでしょう。
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キーワード: 脳インターフェース
※以下、出典元 ▶ 元記事を読む
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