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ガラケー時代を含めるともう四半世紀もの歴史を重ねてきた,位置情報ゲーム。今では,さまざまなIPを活用した位置情報ゲームがスマホ向けにサービスされているのは,皆様ご存じのとおりだろう。
筆者は現在,「Pikmin Bloom」(iOS / Android)と「モンスターハンターNow」(iOS / Android)をプレイしているのだが,とくに「Pikmin Bloom」は歩くことそのものに娯楽要素を付け加えたようなゲームであるため,運動不足解消のための散歩のお供にもってこいだし,散歩をするモチベーションを高めてくれると感じている。
「Pikmin Bloom」をプレイするために近所の公園をぐるぐる歩き回りつつ,イヤホンではスマホのradikoアプリを使って,BSN新潟放送で放送されている「スーパー・ササダンゴ・マシンのチェ・ジバラ」や「チェ・ジバラのつづき」「スーパー・ササダンゴ・マシンのセッパン」などを聞くのが,ここ数年の余暇の過ごし方だ。
なので「最近の趣味は?」と問われたならば,胸を張って「ラジオを聞きながら公園で散歩すること」と答えられる。そういや,子供の頃に近所の公園で小型ラジオを聞きながら散歩している高齢者をよく見かけたものだ。気付けば自分もそっち側にいるのだなぁと思うと非常に複雑な気分になる。
![]() 「Pikmin Bloom」
(C)2021 Niantic, Inc., Pikmin and Mii Characters / Artwork / Music (C)2021 Nintendo All Rights Reserved.
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![]() 「モンスターハンターNow」
(C)2023 Niantic. Characters / Artwork / Music (C)CAPCOM
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ともあれ,イヤホンで耳がふさがった状態だと,車通りの多い道路などを歩くのはなかなか危険である。そういうこともあって,筆者は公園を歩き回りがちなのだが,それでもやはり完全に耳がふさがった状態だとヒヤッとする瞬間はある(ランニングをしている人が後ろから抜き去って行ったときなど)。
対策として,外音取り込み機能の付いたイヤホンを使ってきたが,カナルタイプで耳穴がふさがっていると,聞こえない音はどうしたって聞こえない。ほかにも,耳穴をふさがない骨伝導タイプのイヤホンを使ったこともあるが,筆者の場合は耳がくすぐったくなってしまうので使用をやめてしまった(とくに船木誠勝選手のYouTubeを聞いているととても耳がくすぐったかったので,骨電動タイプのイヤホンをお持ちの方は試して,筆者と同じくすぐったさを体感してほしい)。
そこで買ってみましたNTTソノリティのBluetoothワイヤレスイヤホン「nwm DOTS(ヌームドッツ)」。少し前にTVCMで耳をふさがない,そして骨伝導でもないイヤホンの存在を知り,位置情報ゲームのために歩き回りつつラジオを聞いている人間にとって,最適なソリューションなのでは? と思ったので。
スペックとしてはBluetooth 5.3対応,対応コーデックはAAC/SBC/LC3。マルチポイント接続で2台のデバイスに同時接続可能で,LE Audioにも対応。ペアリング登録台数は10台と,Bluetoothイヤホンとして申し分のないものになっている。
音楽再生時の音質に関しては,低音こそあまり鳴らないものの,中高音はクリアで繊細なイメージだ。
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本体は片耳約8gでイヤホンをフックで耳に引っ掛ける形。耳穴に向けて離れた位置から音が鳴るような仕組みなので,まったく耳をふさがないのに,周囲の音とBluetooth接続した機器で鳴らしている音が同時に聞こえるのは,なんとなく不思議な感覚がある(ちょっとVRヘッドセットの内蔵スピーカーに近いかも?)。
同梱されているS/M/Lのシリコン製テールチップで耳との装着具合を調節可能だが,耳穴に入れるタイプではないため,“装着している感”が少ないあたりは,好みが分かれるかもしれない。
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そんな本製品,この1か月ほどさまざまなシーンで使用してみたので,使用感をまとめてみよう。
散歩をしながらラジオを聞いてみた
まず,散歩をしながらラジオを聞くときの使用感としては,想像したとおりにいい感じだ。ただしそれは,比較的静かな環境に限る。
というのも,耳穴をふさがない=音漏れしやすい機構でもあるためか,音量をマックスにしてもさほど大きな音にはならない。なんでもNTT独自技術であるという,PSZ技術(パーソナルサウンドゾーン)が採用されており,逆位相の音波を発することでとくに中高音域の音漏れを低減しているらしいのだが,なんにせよ大音量にはならない。
なお,音漏れに関しては最大音量時でも静かな屋内で1mぐらい距離が離れていれば,気にならないレベル。逆に言うと,1m以内だと「あーこの人なんか音漏れしてんなー」といった感じ。
実際に週末の日中に公園を歩きながら「Pikmin Bloom」で花を植えつつ,ラジオを聞いていたとき,近くでキッズがキャーキャー言いながら楽しげに追いかけっこをしていると,ラジオの音よりもそっちのほうが大音量で耳に入ってきた(元気でうらやましくもなる)。なので,「急に駆け出すキッズにぶつかられないように,ちょっと歩くルートを変えよう」などの判断がしやすいのはうれしい。
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歩道を歩いているようなときも,横の車道を大型車両が通り過ぎるときなどは,エンジン音に遮られてラジオの音は聞こえにくくなる。なお,電気自動車などのモーター音もばっちり聞こえる,近くに車がいることを察知しやすい。身の安全を守るという意味では,ここはポジティブに受け止めたい。
また,散歩の流れでスーパーに入ったりすると,店内のBGMやアナウンスにかき消されてラジオの音は聞こえにくくなるのだが,レジでの店員さんとのやりとりが発生したときなどに,イヤホンを外すことなく先方が発する言葉が聞き取れるのは,やはり良いものだ。
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余談だが,筆者がよく足を運ぶDDTプロレスの後楽園ホール大会では,動画配信サイト「WRESTLE UNIVERSE」を経由して,会場にいながらにして実況・解説音声を聞けるというサービスが行われている。本製品であれば,場内の音を聞きつつ,実況も聞けるのでは? と思って試してみたが,これはもう場内で鳴り続けている音(入場テーマ曲,歓声,拍手,手拍子,人間がリングに叩き付けられる音,人間と人間の肉体がぶつかり合う音など)に負けて,実況音声は何も聞こえないぐらいだった。
屋内でオンライン会議時に使ってみた
ついでに,オンライン会議でPCとBluetooth接続して使ってみた感想もお伝えしておこう。本製品にはMagic Focus Voiceという技術が備えられている。これは,雑音をカットしてユーザーの声をクリアに届けるというものだ。
ただ,こればっかりは,自分で話していても相手にどのように聞こえているのかを確認するのは難しい。そこで,会議の相手に軽く確認してみたところ,「問題なく聞こえています」という回答は得られた。試しに会議をしながら洗い物をしてみても,それに気付かれることはなかった。
前述のとおり,周囲で騒音が鳴っていたり,環境音がややうるさかったりするような場合は,先方の声は聞こえにくくなる。そのため,例えば多くの人が働いている職場の自席からオンライン会議に参加するような場合は,あまり適していないだろう。
ただ,静かな環境であれば,やはり耳の穴をふさがないというのは大きなメリットに感じる。常に周囲の音も聞こえているので,オンライン会議中に玄関のインターフォンが鳴ったり,家の外で防災無線の音声が流れたりしたときに,ちゃんと気付きやすい。
ちょっと高いな……と思ったけど,買って良かった!
前述のとおり,周囲が常にざわついている状態だとそちらに負けてしまうが,比較的静かな公園で散歩をしながら使うような用途には完璧にマッチしていた。ラジオを聞きつつ,位置情報ゲームを遊びつつでも,周囲の音が聞こえる。小鳥のさえずりなどの環境音によって季節の移り変わりを感じられるのも,耳をふさぐタイプのイヤホンを使っていたときには得られなかった体験だ。
音楽を聞く場合であれば密閉型のイヤホンのほうが没入感も高く,より高音質な製品は数多く存在することだろう。ただ,例えば家事や炊事をしながら音楽を聞くような場合でも,周囲の音がちゃんと聞こえるのは,それだけで(謎の)安心感を得られることにも気付く。結果,家で過ごしているときも,「nwm DOTS」の使用頻度が高まってきた最近である。
筆者のように,散歩をしながらラジオを聞きたい,あるいはAudibleなどの音声コンテンツを楽しみたいというような需要に対しては,かなり高い満足度を得られる製品であるような気がする。
最後になるが,「nwm DOTS」は現在,各種ストアで2万4200円(税込)で販売されている。筆者自身,購入前は価格にやや尻込みもしたが,結論から言うと買って良かったと思っている。位置情報ゲームをやりつつラジオを聞きながら公園を散歩したい人は,ぜひ試してみてほしい。
「nwm」公式サイト
🧠 編集部の感想:
「nwm DOTS」は、耳を塞がない新しいタイプのイヤホンで、安全性を確保しつつ音楽やラジオを楽しめるのが魅力的です。特に散歩中の使用に理想的で、周囲の音も耳に入るため、環境を意識しながら快適に過ごせます。価格は少々高めですが、それに見合う満足感が得られる製品だと感じました。
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