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概要
この記事は、Webマーケティングにおいて「結果が出ない」理由を探り、効果的な施策を提案する内容です。著者の松崎まさひろ氏は、長年の経験をもとに、「やってます感」に陥る企業の共通の問題を分析し、成功するための戦略や心構えを示しています。
要約の箇条書き
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問題意識: 多くの企業がWebマーケティングを行っているが、実際には効果が出ていない状況。
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「やってます感」の罠:
- Webマーケティングの施策が目的化し、戦略が欠如している。
- 明確な目標設定がない中で、手段が目的のようになっている。
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陥る理由:
- 戦略の欠如: 流行や他社の模倣に走る企業が多い。
- ユーザー視点の欠如: 自社の良さばかりをアピールしがち。
- 表面的な模倣: 他社の成功をそのまま真似ても効果は出ない。
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成功する施策:
- 明確な目的と戦略: 具体的な目標設定が必要。
- ユーザー視点の徹底: 自社の情報よりもユーザーの関心に焦点を当てる。
- 一貫性と継続性: 施策を継続的に実行することが重要。
- 分析と改善の習慣: PDCAサイクルを実行し、効果を見直す。
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本質的改善へのステップ:
- 現状の評価: 正直な現状認識が出発点。
- 目的の再定義: 具体的な目標を設定する。
- ユーザー理解: ターゲットユーザーを深く理解する。
- 持続可能な計画: 長期的に実施可能な戦略を立てる。
- 測定・分析・改善のサイクル: 定期的な見直しを行う。
- 結論: 本質を理解し、継続的な努力が必要である。少しずつ意識を変えることで、成果は着実に現れる。
でも、肝心の「何のために」「誰に向けて」「どんな価値を届けるのか」という本質的な部分が欠けています。
これは、昔からある「手段の目的化」という問題です。本来は目的を達成するための手段であるはずのWebマーケティングの施策が目的になってしまい、「やっている」が目的を達成していると勘違いしてしまうのです。
なぜ「やってます感」に陥ってしまうのか
この「やってます感」になぜ陥ってしまうのか。
1. 本質的な戦略の欠如
多くの企業が「他社もやっているから」「流行っているから」という理由で、どこもやっている流行りののWebマーケティング施策に飛びつきます。でも、そこに明確な戦略がないのです。
「そもそも御社はなぜSNSをやるのですか?」「そのWeb広告は誰に何を伝えたいのですか?」
とお聞きして、目的を聞くようにしています。
でも、この質問に明確に答えられる中小企業は多くありません。
「知名度を上げたい」「問い合わせを増やしたい」といったどこにでもある曖昧な回答が返ってくることがほとんどです。
これでは、どんなに多くの施策を打っても、効果が出るのは難しいです。これは「目的のない船出」と同じだと思っています。どんなに風が良くても、行き先が決まっていなければ、ただ漂うだけですよね。
2. ユーザー視点の欠如
もう一つの大きな問題は、「ユーザー視点」の欠如です。
多くの中小企業がWebマーケティングで発信する内容は「私たちはこんなに素晴らしい会社です」「当社の製品はこんなに優れています」といった自社視点のものばかり。
でも、ユーザーはそんなことに興味はありません。
ユーザーが求めているのは「自分の問題を解決してくれるか」「自分の生活をより良くしてくれるか」という点です。もちろん例外はありますが、基本的に人は自分の問題や関心事にしか注目しないものなのです。
この視点のズレが、Webマーケティングの効果を大きく下げている要因だと私は考えています。
3. 表面的な模倣
「あの会社がInstagramで成功したから、うちもやろう」
「競合がLINE公式アカウントを始めたから、うちも始めないと」
こういった理由でWebマーケティングを始める中小企業がほとんどではないでしょうか。
しかし、表面的な模倣だけでは成功しません。なぜなら、同じ手段を使っても、背景にある戦略や実行力、ブランド力が異なるからです。
他社の成功事例をそのまま真似ても上手くいかないことがほとんどです。なぜなら、見えている成功の裏には、見えていない多くの要素・努力・試行錯誤があるからです。
結果が出るWebマーケティング
では、どうすれば「やってます感」を超えて、本当の結果につながるWebマーケティングができるのか。
結果を出している中小企業に共通するポイントをお伝えします。
1. 明確な目的と戦略
結果を出している企業は、まず「何のために」という目的が明確です。
「月に10件の問い合わせを獲得する」「Webサイト経由での売上を20%増やす」など、具体的な数字を持っています。
そして、その目的を達成するための道筋(戦略)もしっかりと考えられています。
「どのようなユーザーに」「どんな価値を」「どのように届けるか」が明確です。
「マーケティングは旅行計画に似ている」と説明します。
目的地(ゴール)が決まっていなければ、どの道を行けばいいのか分かりませんよね。そして、目的地に着くためには地図(戦略)が必要です。
2. ユーザー視点の徹底
成功している中小企業は、徹底的に「ユーザー視点」を大切にしています。
「私たちが伝えたいこと」よりも「ユーザーが知りたいこと」を優先するのです。
強調したいポイントは「ユーザーの気持ちになること」という点です。
自分が提供するサービスや商品のことだけを考えるのではなく、「ユーザーはどんな悩みを持っているのか」「どんな情報を求めているのか」を常に考えることが大切です。
これは簡単なようで、実はとても難しいことです。
自社の視点から離れて、本当にユーザーの立場で考えるには、意識的な努力が必要です。
3. 一貫性と継続性
Webマーケティングで結果を出すためには、一貫性と継続性も欠かせません。
多くの中小企業が「すぐに結果が出ない」と判断して、次々とは流行りの新しい施策に飛びついてしまいます。
でも、本当の結果は時間をかけて少しずつ積み上げられるものです。
私が支援してきた中で成功した企業の多くは、地道に同じ方向性で継続的に取り組んでこれています。
SNSにしても、SEOにしても、短期間で劇的な結果を出すことは稀です。
「石の上にも三年」という言葉がありますが、Webマーケティングもまさにその通りだと私は思っています。一貫した方向性で継続的に取り組むことが、最終的には大きな差となって現れます。
4. 分析と改善の習慣
結果を出している中小企業に共通するもう一つの特徴は「分析と改善」ができていることです。
「やりっぱなし」ではなく、常に「効果はどうか」「なぜそうなったのか」「どう改善すべきか」を考え、次のアクションにつなげています。これは、PDCAサイクル(計画→実行→評価→改善)そのものです。
よく見かけるのは「分析」が「数字を見る」だけで終わってしまうケースです。
しかし、重要なのは数字の先にある「理由」と「次のアクション」です。「なぜこのページの離脱率が高いのか」「なぜこの投稿の反応が良かったのか」を深堀りして、次に活かすことが大切です。
本質的な改善への道筋
「やってます感」から脱却し、本質的な結果につなげるためには、どうすれば良いのか。
ステップ1:現状を正直に評価する
まずは現状を正直に評価することから始めます。
「何となくSNSを続けている」「アクセス数は増えたが問い合わせは増えていない」など、現状をありのままに認識することが重要です。
私は「現状分析」の時間を設けます。
多くの企業が「思っていたより状況が良くない」ことに気づくのですが、この「気づき」が改善の第一歩になります。
正直な現状認識なしには、適切な対策も立てられません。
時には厳しい現実を直視する勇気も必要かもしれませんが、それが本当の成長していくために必要な方法です。
ステップ2:本質的な目的を再定義する
次に、Webマーケティングの目的を設定します。
「なぜWebマーケティングをするのか」「最終的に何を達成したいのか」を明確にします。
この時、できるだけ具体的な数字を伴う目標にすることが重要です。
「認知度を上げる」ではなく「ターゲット層の認知度を20%向上させる」、「問い合わせを増やす」ではなく「月間問い合わせ数を現在の15件から30件に増やす」といった感じです。
明確な数値目標を持っている中小企業は、そうでない企業に比べて実際に結果を出す確率が格段に高いです。なぜなら、具体的な目標があることで、取るべきアクションが明確になり、また進捗も測定しやすくなるからです。
ステップ3:ユーザーを深く理解する
目的が明確になったら、次はターゲットとするユーザーについて深く理解します。
「どんな人に価値を届けたいのか」「その人はどんな悩みや願望を持っているのか」「どのような情報を求めているのか」を徹底的に考えます。
私は「ペルソナ設定」を大切にしています。
ペルソナとは、ターゲットとなる顧客の具体的なイメージのことです。「30代後半の共働き主婦で、時短を重視している」「50代の経営者で、業務効率化に悩んでいる」など、できるだけ具体的なイメージを持つことが重要です。
ペルソナが明確になると、「この人なら、どんな情報を求めているだろう」「この人の悩みは何だろう」と考えやすくなります。そして、その答えがそのままコンテンツのアイデアになるのです。
ステップ4:一貫した戦略と持続できる計画
目的とターゲットが明確になったら、それを達成するための戦略と計画を立てます。
重要なことは「持続可能性」です。短期間で燃え尽きるような無理な計画ではなく、継続的に実行できる現実的な計画を立てましょう。
最初は意気込んで「週3回のブログ更新」「毎日のSNS投稿」と決めたものの、数週間で挫折してしまうケースです。これでは効果が出る前に諦めてしまうことになります。
むしろ「週1回の確実な更新」でも、それを1年間続けられる方が、はるかに効果的です。マーケティングは短距離走ではなく、マラソンだと思って、自分たちのペースで続けられる計画を立てることが大切です。
ステップ5:測定・分析・改善のサイクル
そして、定期的な測定・分析・改善のサイクルを確立します。
「何を」「どのように」「どのくらいの頻度で」測定し、分析するかを決めます。
おすすめは、月に1度の「振り返りミーティング」です。
前月の結果を確認し、「何が上手くいったのか」「何が上手くいかなかったのか」「なぜそうなったのか」「次月はどう改善するか」を話し合います。
このサイクルが習慣化されると、少しずつですが確実に結果が向上していきます。小さな改善の積み重ねが、最終的には大きな違いを生むのです。
「やってます感」を超える
Webマーケティングで本当の結果を出すには、「やってます感」を超えて、本質的な取り組みが必要です。
明確な目的、ユーザー視点、一貫性、継続性、そして分析と改善のサイクル。これらがあってこそ、Webマーケティングは力を発揮します。
もちろん、これらを一度に完璧に実践するのは難しいです。
でも、今日から少しずつ意識を変え、行動を変えていくことで、必ず結果は変わってきます。
私はこれまで多くの中小企業のWebマーケティングを支援してきましたが、成功する企業と失敗する企業の差は、才能や予算の差ではなく、「本質を理解し、地道に実践できるか」という点にあると思っています。
もし今、Webマーケティングで悩みを抱えているなら、当社ブログ「Webマーケティングで結果が出ない本当の理由」もぜひ参考にしてみてください。
あなたの「気づき」のきっかけになれば幸いです。
松崎まさひろ(自己紹介)
有限会社流楽 代表。大阪産業局Webコンサルタント、中小機構専門家、群馬・奈良・岡山商工会連合会専門家。
デザインも性能も行き届いたWeb制作とユーザー視点のWebマーケティングが得意。中小企業の集客を内製化するためのwebコンサルティングも。
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