米消費者物価指数(CPI)は、3月は予想より低調だったが、4月は再び上昇が加速したとみられる。特に中国製品の関税引き上げが物価に響き始めている。
ブルームバーグ集計のエコノミスト予想中央値によると、米労働統計局が13日に発表するCPIは前月比0.3%上昇の見通し。前月は低下だった。変動の大きい食品とエネルギーを除いたコア指数も0.3%上昇が見込まれている。
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今回の統計では、4月に導入された対中関税や他の関税の影響が初めて明らかになるとの見方が多い。ただ、米国の店頭に先月並んだ多くの輸入品は、新たな関税の適用前に米国に到着していたものだ。このため関税の影響は限定的にとどまる可能性もある。

ブルームバーグ・エコノミクス(BE)のアンナ・ウォン氏らは12日のリポートで「玩具や靴、衣料品など中国製品への依存度が高いCPI項目は、緩やかなインフレを示す可能性がある」と指摘。「小売業者は値上げを試みるだろうが、需要急減を伴わずに価格転嫁することの難しさに気づいている。こうした状況が続けば、関税がインフレに与える最終的な影響は一般的な想定より小さいだろう」との見方を示した。
米国と中国が合意した、相互の関税率の一定期間引き下げについては評価が進められている。BEによると、この期間は小売業者が在庫補充を急ぐと同時に米国の店頭で品薄状態が生じ、消費者物価の上昇を促す可能性がある。
サービス分野に弱さ
エコノミストや政策当局者は、裁量的支出の動向を示す指標とされる一部のサービス分野を注視している。
シティグループのエコノミストは、航空運賃やレンタカーなど旅行関連分野で価格がまた低下したと予想。3月は弱い数字だったが、4月もさらに下振れすれば、旅行需要が鈍化しているとの見方を裏付けると、ベロニカ・クラーク氏らエコノミストはリポートで指摘する。
サービス分野で最大の項目である住居費は3月に大きく上昇したが、4月は鈍化が見込まれている。
パンテオン・マクロエコノミクスのサミュエル・トムズ氏らは12日のリポートで「今後を見据えると、われわれは依然として、関税がサービス分野の緩やかなインフレ鈍化継続を妨げるとは考えておらず、米連邦準備制度が今年下期に金融緩和を再開できると予想している」と分析した。
原題:US Inflation Seen Picking Up in April With Modest Tariffs Impact(抜粋)