
日本銀行が3月18 、19日に開いた金融政策決定会合では、1人の委員から、米関税措置の影響が日本の実体経済にまで大きな悪影響を及ぼす可能性が十分あり、そうした可能性が高まった場合には、利上げのタイミングをより慎重に見極めることが必要になるとの見解が示された。8日に議事要旨を公表した。
- 政策運営、予断持たずに適切に判断していく必要との認識で一致
- 現在は通商政策の動向や影響をみていくこと可能-何人か委員
- 不確実性高いからといって常に慎重対応が正当化されるわけではない、今後の状況によっては果断に対応することもあり得る-ある委員
- 不確実だから現状維持、緩和継続にはならない-1委員
- 金融過熱避ける必要ある場合、緩和調整を機動的に-1委員
- 長期金利例外的上昇なら機動的オペ、現在はその状況にない-複数の委員
会合では政策金利を0.5%程度に維持することを全員一致で決めた。米トランプ政権の関税政策を踏まえ、声明文に「各国の通商政策等の動きやその影響」をリスク要因に追加。植田和男総裁は会見で、昨年を上回る春闘の集計結果を含めて賃金・物価は想定通りとする一方、海外発の不確実性が急速に高まっているとの認識を示した。
その後、4月に入ると相互関税や自動車関税の発動などを受けて金融市場が混乱。日銀は5月1日の決定会合で政策維持を決めた一方、経済・物価を見通しを下方修正するとともに、2%の物価安定目標の実現時期を1年程度先送りした。日銀の経済・物価見通しが実現していけば、利上げで金融緩和度合いを調整する方針は維持した。
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