米資産運用会社ガルダ・キャピタル・パートナーズの共同創業者、ティム・マグナスン最高投資責任者(CIO)は、米財政支出拡大を問題視する債券市場の反乱は、終息には程遠く、利回りの急上昇だけが、議会に財政赤字の抑制を促す動機になる可能性が高いと指摘した。
ムーディーズ・レーティングスが、米国の長期発行体格付けなどを最上位の「Aaa(トリプルA相当)」から「Aa1(ダブルAクラス)」に引き下げたことで、19日の金融市場では、米国の30年国債利回りが一時5%の心理的節目を突破した。
マグナスン氏はインタビューで、これから起きることの予兆に過ぎないとの認識を示した。「債券市場が財政状況について最終判断を下すことになるだろう」とし、「(議員らは)さらに試されることになろう。5%は最終ラインではない」と語った。
ティム・マグナスン氏
Source: Garda Capital Partners
米下院予算委員会は18日夜に「トランプ減税」恒久化を含む税制・歳出法案を承認し、法案可決に道が開かれた。成立すれば今後数年で数兆ドル規模の新たな債務負担が生じると見込まれる。
英国では2022年のトラス保守党政権で、大型減税案などが財政不安を引き起こし、英国債とポンド相場の急落を招いた。
マグナスン氏は「いずれにせよ、市場がこの問題に規律をもたらすことになるだろう」と述べ、米国でも長期ゾーンで「英国型の売り」が発生する著しいリスクが存在すると認識を示した。

原題:Garda Hedge Fund CIO Says Bond Market’s Fiscal Revolt Not Over(抜粋)
🧠 編集部の感想:
米国の超長期金利が5%を超えたことは、財政政策への市場の懸念を反映しています。ティム・マグナスン氏の指摘通り、これは単なる始まりに過ぎず、より大きな影響が予想されます。英国での過去の事例と同様に、米国でも投資家の不安が高まるリスクがあることに注意が必要です。
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