米国とイランの当局者は11日、4回目となる核協議をオマーンの首都マスカットで開始した。イラン国営メディアが報じた。両国はイランの核プログラムで新たな合意を目指している。
これまでの建設的だとみられてきた協議は、ここ最近の双方の発言でより深刻な対立が示唆され、合意の可能性は疑問視されている。
米国のウィトコフ中東担当特使は8日、保守系ニュースサイト「ブライトバート・ニュース」に対し、イランのナタンズ、フォルド、イスファハンにあるウラン濃縮施設は解体されなければならないと語っていた。
ウィトコフ氏は「イランにおいて濃縮プログラムが再び存在することはあり得ない」として、「それがわれわれのレッドラインだ。濃縮は認めない。つまり、それは解体を意味するものであり、兵器化もないということだ」と述べていた。ウラン濃縮停止の要求に対してイランは、レッドラインだとして拒否してきた。
一方、イランのアラグチ外相は、米国側の発言に一貫性がないと批判。その上で、突破口を開く可能性はまだあると示唆した。
アラグチ氏は11日、協議開始前に国営テレビに対し、「今回の協議が決定的な結果をもたらしてくれることを期待している」と述べたが、「残念なのは、先方から多くの矛盾した発言が聞かれることだ。交渉の場であってもメディアに対しても、先方の立場は常に変わっている。これこそが今回の交渉で課題の一つだ」とも語った。
同氏は10日、イランは核兵器を追求していないが「濃縮を含めて、核エネルギーの平和的利用」の権利を放棄することはないと、あらためて同国の立場を主張した。
原題:US, Iran Resume Nuclear Talks Amid Uncertainty Over Key Issues
(抜粋)