4月の米中古住宅販売件数は市場予想に反して減少し、7カ月ぶりの低水準となった。値ごろ感のある物件が不足していることが影響し、重要な春の販売シーズンは低調なスタートとなった。
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販売件数は4月としては2009年以来の低い水準となった。
NARのチーフエコノミスト、ローレンス・ユン氏は「住宅需要の積み上がりは続いているが、実際の取引に結び付いていない」と発表資料で指摘。「住宅ローン金利が有意に低下すれば、こうした潜在的需要を解き放すことに寄与するだろう」と述べた。
中古住宅の販売在庫は増えたが、物件価格は依然高く、住宅ローン金利も高水準で推移しているため、中古住宅市場が持続的に回復する可能性は低い。
ミシガン大学の消費者マインド指数(5月速報値)は過去2番目の低水準となった。今が住宅購入に良い時期だとみているとの回答比率も、過去最低水準に近い。
関連記事:米消費者信頼感、過去2番目の低さ-インフレ期待は記録的高水準 (2)
米30年物固定住宅ローン金利は先週6.92%と、前週比6ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇した。これは3カ月ぶりの高水準。米国の財政赤字拡大への懸念を背景に米国債利回りが上昇傾向にあり、連動性の強い住宅ローン金利も高くなってきている。
販売在庫は前年同月比で21%近く増加し145万戸と、4月としては2020年以来の高水準。
それでも物件価格は下がらず、中古住宅販売価格(中央値)は前年同月比1.8%高い41万4000ドル(約5960万円)。4月としては過去最高水準で、高価格帯の取引が活発化したことを反映している。ただ、NARのユン氏は上昇率が23年の年央以来の小ささだったと指摘した。
統計の詳細は表をご覧ください。
原題:US Existing-Home Sales Decline, Marking Worst April Since 2009(抜粋)
(統計の詳細やチャートを追加して更新します)
🧠 編集部の感想:
米中古住宅販売が予想外に減少したことは、住宅市場の厳しい状況を反映しています。物件が不足し、高い価格と金利が購買意欲を削いでいるのが主な要因です。この春の販売シーズンが低調なスタートを切ったことは、今後の回復も難しいことを示唆しています。
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