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食物アレルギーは皮膚炎などの皮膚疾患を持つ人に多く見られることが過去の研究で判明していました。イェール大学医学部が主導した皮膚と食物アレルギーに関する研究によって、食べたことのない食品を初めて口にするとき、皮膚に新しい切り傷などがあると食品に対するアレルギーを発症する可能性が高くなることが示されました。
Skin damage signals mediate allergic sensitization to spatially unlinked antigen | Science Immunology
https://www.science.org/doi/10.1126/sciimmunol.adn0688
Skin Injuries And Food Allergies May Have a Mysterious Connection : ScienceAlert
https://www.sciencealert.com/skin-injuries-and-food-allergies-may-have-a-mysterious-connection
2025年4月に免疫学の査読付き科学誌であるScience Immunologyに掲載された論文では、イェール大学で免疫生物学を研究するダニエル・A・ワイズマン氏やイェール大学医学部皮膚科のイザベラ・ブラウン・ソレル氏らが共同で、皮膚の損傷とアレルギーの関連について深堀りしています。
研究では、マウスを用いて皮膚に損傷を受けた直後に新しい食品を摂取したときの反応を調べています。結果として、皮膚に損傷を受けた直後に新しい食品を腸内に入れられたマウスは、その食品に対してアレルギー反応を起こすことが発見されました。
皮膚が損傷されると「体液性反応」と呼ばれる免疫反応が引き起こされます。細胞伝達物質のサイトカインによりB細胞が刺激されると、B細胞が形質細胞へと分化して大量の抗体を産生し、抗体は体液中を循環して全身に広がります。これにより、傷口からウイルスや毒素が入って傷が悪化したり体調を悪くしたりすることを防ぎます。
ワイズマン氏らの論文によると、サイトカインが引き起こす全身の抗体反応は、異なる部位から取り込まれた抗原に対してもアレルギー反応を引き起こすと考えられるそうです。つまり、皮膚を損傷した直後に食品を摂取すると、皮膚の損傷に反応した信号が、「今体に入った食品が問題」として認識されてしまうというわけ。研究者らはこれを「遠隔プライミング」と呼んでいます。
本来、感染や外敵から体を守るための抗原反応が、皮膚の傷と腸の食品という「空間的に離れた抗原」にも反応して食物アレルギーを形成しうるということが示されたのは、この論文が初めてです。皮膚の損傷と食物アレルギーの関連が観察されたのはマウスだけであり、人間でも同様に確認されるかは不明。研究者らは、特定の食品へのアレルギー反応を生じさせている他の細胞を特定することに取り組んでいます。
ワイズマン氏は「食物アレルギーを理解するには、腸が食べ物や飲み物に関してどのような寛容さを持っており、どうやってその寛容さが無視されて食物アレルギーが発生するのか、知る必要があります。こうしたことは必ずしも体の同じ場所で起こるわけではない、という考え方の変化が必要だと今回の研究で分かりました。異なる臓器系がどのように相互作用するかを詳しく調べる必要があります」と述べています。
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