アニメーション作家/イラストレーターの冠木佐和子さんが、個展「Secret Lukewarm Pleasure」を、西麻布のアートギャラリー・POCKO GALLERY TOKYOで開催する。
会期は5月2日(金)〜25日(日)。初日の18時〜21時には、誰でも参加可能なエキシビジョンパーティーが開催され、冠木佐和子さんも在廊予定だ。
アートブック刊行記念、冠木佐和子の新旧作品を展示
個展「Secret Lukewarm Pleasure」は、冠木佐和子さんのアートブック『THE VISUAL 冠木佐和子作品集 tenesmus』の刊行を記念して開催される。
会場では描き下ろしを含めた、新旧の作品を展示。なお、冠木佐和子さんが日本で個展を開催するのは5年ぶりとなる。
冠木佐和子さんのコメント
こんにちは。
私は元々絵を描くことが好きではなかったのですが、4、5歳くらいの時にたまたま丁寧に描いてみた絵を保育園の先生にめちゃくちゃ褒められ調子に乗ってしまい、それからずっと絵を描いています。
イラスト作品では点描をしたり、小さいものをたくさん描いたりというような、アニメーションでは動かすのが大変そうな繊細な表現を後先考えずやりまくれる所が好きでよくやっています。あとは基本的にお尻を描くことが多いです。造形が好きなのと、お尻周辺で行われる出来事が好きだからです。
ニューヨークと東京を拠点に活動する冠木佐和子
冠木佐和子さんは、ニューヨークと東京を拠点に活動するアニメーション作家/イラストレーター。
幼少期、保育園の先生に絵を褒められたことをきっかけにイラスト制作に開眼。
その後進学した多摩美術大学で制作したアニメが、世界4大国際アニメーション映画祭の一角に数えられるザグレブ国際アニメーション映画祭にノミネートされるなど話題になった。
ちなみに、アニメーション映画『化け猫あんずちゃん』の監督・久野遥子さん(山下敦弘さんとW監督)や、同作で作画監督の石舘波子さん、中内友紀恵さんとは多摩美術大学の同期でもある。
大学の教員が“変態”と称賛した冠木佐和子の独創性
冠木佐和子さんはその作品の中で、鮮やかな色彩と遊び心があるテーマを融合させ、女性のセクシュアリティ、身体イメージ、社会規範を探求してきた。
1970年代の日本のグラフィックデザインと浮世絵の大胆な構図からインスピレーションを得ており、伝統とモダンスタイル の融合によって独自のスタイルを確立。
その独創的な感性は大学時代から発揮されており、卒業制作作品に対しては担当教員から「冠木佐和子は変態である、もちろん表現者として」と賛辞が贈られている(外部リンク)。
アートブック『THE VISUAL 冠木佐和子作品集 tenesmus』の収録作品
現在はAmazon Music、日清などのクライアントワークを手がけながらオリジナル作品を制作。
世界各国の記事を発信するWenメディア、クーリエ・ジャポンが主催する「世界が注目した日本人100人」(2023年度版)に選ばれるなど、国内外で注目を集める。
2月に刊行したアートブックには、新作の描き下ろし作品やクライアントワークを収録。ルーツに迫るインタビューを日英バイリンガル表記で掲載している。