誰かと別れたときや、大切な人を失ったときに、「胸が締めつけられるような痛み」を感じたことはありませんか?
その感覚は、実際に心臓にダメージを与えることがあります。
「ブロークンハート症候群(たこつぼ型心筋症)」と呼ばれるこの病気は、精神的なショックなどストレスを原因に突然心臓のポンプ機能が低下し、重篤な合併症を引き起こすことがあります。
この病気はこれまで女性に多いとされてきましたが、実は男性のほうが致命的になりやすいという、意外な事実が最近の研究で明らかになりました。
アメリカ・アリゾナ大学サバー心臓センター(University of Arizona Sarver Heart Center)の研究チームによるこの報告は、2025年3月、『Journal of the American Heart Association』に掲載されました。
目次
- ブロークンハート症候群とは?
- 女性より少ないのに、なぜ男性は命を落としやすいのか?
参考文献
Broken Heart Syndrome Still Deadly, Especially for Men
Broken Heart Syndrome Still Deadly, Especially for Men
https://neurosciencenews.com/broken-heart-syndrome-mortality-28922/
元論文
High Mortality and Complications in Patients Admitted With Takotsubo Cardiomyopathy With More Than Double Mortality in Men Without Improvement in Outcome Over the Years
https://doi.org/10.1161/JAHA.124.037219
ライター
相川 葵: 工学出身のライター。歴史やSF作品と絡めた科学の話が好き。イメージしやすい科学の解説をしていくことを目指す。
編集者
ナゾロジー 編集部
🧠 編集部の感想:
男性が愛する人を失ったことで抱えるストレスが心の問題だけでなく、心臓に深刻な影響を及ぼすとは驚きです。特に「ブロークンハート症候群」の致死率が男性に高いという事実は、感情的な問題が身体に及ぼす影響を再認識させます。男性も感情を健康的に表現し、支援を求めることが重要だと感じました。
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