水曜日, 5月 21, 2025
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生成AIは人の仕事を奪う!?~SPADEモデルで読み解く、広告代理店や人間の価値について~IRMAN

🧠 概要:

概要

この記事では、生成AIの登場が広告代理店や人の働き方に与える影響について考察されています。特に、BINKSが提唱する「SPADEモデル」を用いて、AIと人間がどのように共存し、業務プロセスを再構築できるかを探ります。AIの利用によって、広告代理店がより効果的に価値を発揮するための方向性も示されています。

要約(箇条書き)

  • イントロダクション

    • BINKSが6期目を迎え、広告代理業務の変化と新たな展望について語る。
    • 生成AIの影響を受け、人間とAIの関係性を再考する。
  • 生成AIの影響

    • 生成AIが情報の検索方法を変革している。
    • AIによって人間の仕事が奪われるのではなく、業務が変わる可能性がある。
  • SPADEモデルの紹介

    • 仕事プロセスを「見つける」「決める」「やりきる」の3つに分類。
    • 各ステップで求められる能力を分析し、AIとの適合性を探る。
  • ダイエットの例

    • AIは「見つける」段階で役立つが、「決める」や「やりきる」には人間の役割が重要。
  • 広告代理店におけるAIの役割

    • AIが「見つける」作業を担うことで、代理店は「決める」「やりきる」ことに注力可能。
    • クライアントの事業ビジョンやボトルネックを深掘りし、価値を提供する役割を担うべき。
  • 人間の価値の再評価

    • ビジネスパーソンは自己の市場価値を意識する必要がある。
    • 経験から得たスキルや知識の言語化が重要。
  • 結論

    • AIは業務における役割分担の再考を促すものであり、代理店はAIを活用して新たな価値を提供できるチャンスがある。
  • 呼びかけ
    • 読者に対し、SPADEモデルについてのフィードバックやさらなる議論を求める。

生成AIは人の仕事を奪う!?~SPADEモデルで読み解く、広告代理店や人間の価値について~IRMAN

お久しぶりです。IRMANです。

の更新がかなり滞ってましたが、BINKS創業からついに6期目を迎えました!
広告代理店としての支援から、徐々にクライアントのマーケティング全般や事業成長にコミットすることも増えてきました。

同時に、BINKSにジョインする仲間が増えたり、新たな事業展開のためにアライアンスしてくださるパートナーができたりもしています。

新年度を迎えるこの時期、今後このを更新していく意気込みを改めて表明します!

これからでは、BINKSが考えるマーケティングや広告代理店のあるべき姿について、広範囲に語っていきたいと思います。

過去の記事は、僕たちの歩みや気付きに留まっていましたが、6年間事業をやってきたなかで得たノウハウやナレッジの発信に、今後は注力したいです。

例えば、こんな方々にご一読してもらえると嬉しいです。

  • 広告代理店で3年以上働く中堅社員の方

  • 事業会社のマーケターや企画担当の方

  • 今後のビジネス展開や自身のキャリアパスを考えたい方

  • 純粋に「BINKSって何をやっている会社?」に興味がある方

僕たちの発信内容が、正解かどうかは分かりません。
ですが、BINKSが考えていることを表明することで、新たな気付きやきっかけ、時には反論を巻き起こすコミュニティーとして、この場を使っていきたいと思ってます。

今回のテーマは「生成AIの登場で、広告代理店や人の働き方はどう変わるか?」です。

1. 序章:生成AI時代における「人間の価値」とは

過去にも「モバイルインターネット(2008年)」や「働き方改革(2017年)」など、社会の‟当たり前”を揺るがす動きはありました。

望む/望まないにかかわらず、ビジネスや働き方のパラダイムチェンジを促す技術改革やムーブメントです。

そんななか、最近ビシバシと僕たちの働き方に影響を与えているのが「生成AI」ではないでしょうか。

ChatGPTをはじめとするAIの台頭で、検索の概念も大きく揺らいでいます。
例えば、これまでは何かを「知りたい」「調べたい」と思ったら、検索結果では広告費を払っている記事が上部に表示され、その後に検索エンジンからの評価上位の記事が並んでいました。

ユーザーはタイトルタグ表示や、クリックしたあとの記事を読み「これは自分が知りたい内容かどうか?」を判断していました。

ですが生成AIは、あらかじめ世の中の記事全てをクロールした上で、自分の疑問にまとめて答えてくれます。

下手をすると、メンバーシップ型雇用がメインな日本企業においては、まだピヨピヨ状態の新卒社員よりもAIは優秀なリサーチャーとして機能するかもしれません。

こんな潮流を受け、世の中では「AIに仕事が奪われる?」「10年後にAIによって無くなる仕事ランキング」など、ややネガティブなニュースも増えてます。

AIに限らず、これまでもIT技術進化やオートメーション化で、人間が担わなくなった業務は少なからずあるはずです。

ですが、AIは「まだどう使えるか分からない」という曖昧さが前面に出ている状態です。
つまりよく分からない技術に、多くの人間の仕事が奪われるのではないか?という、ちょっとした恐怖感情が先行し過ぎているかもしれません。

今回の記事は「AIはよく分からない」ではなく「AIは何を助けて、何を助けられないのか」ということをクリアにするのが目的です。

その上で人間とどううまく共存していくかを考えていきたいと思います。

3. SPADEモデルの提唱

AIが仕事に与える影響を、僕たちの身近な広告代理店業務に置き換えて、具体的に「何が不要になって」「何が残るのか」を考えてみました。

アレコレと考えてみた結果、整理に最適な「SPADE(スペード)モデル」というものを思いついたのです。

SPADEモデルとは

SPADEモデルでは、仕事の汎用的なプロセスを縦軸にシンプルに置きます。
具体的には以下のような5ステップです。

  1. S(Statement)指針設計 :事業・プロジェクトの方向性を決める

  2. P(Parameter)目標設計 :KPIを定義し、成果の基準を明確化

  3. A(Approach)解決策設計 :目標達成のための施策を決定

  4. D(Design)実行計画   :リソース配分とWBSを策定

  5. E(Execution)遂行   :計画を実行し、最適化

このステップはどのような業態・職種にもある程度当てはまるのではないでしょうか。

さらに、この各ステップで求められる能力を洗い出すと、おおよそ以下の3つに集約されます。

この2つを掛け合わせたモデルの全体像は以下のようになります。

SPADEモデルと「見つける」「決める」「やりきる」を掛け合わせた全体像

このSPADEモデルは、BINKS独自のものになります。
公の場での初披露となるので、感想などもお待ちしております!

このSPADEでの「見つける」「決める」「やりきる」を細かく分解し、AIとの代替可能性を矢印で探ると、さらに新しい発見があります。

端的に言うと、「見つける」という分析や情報を咀嚼するステップの大半は、AIに置き換えられるのです。
ですが「決める」「やりきる」にはまだまだ人間の出番は必要そうです。

これだけだと、ちょっとピンとこないかもしれません。

ここから先は、身近な「ダイエット」というテーマで、「見つける・決める・やりきる」でどんなことをAIが代替し、どこを人間が担うべきなのかを説明していきます。

ダイエット場面での「見つける→決める」

生成AIでは必要なデータを投げ込めば、ある程度「これが問題だ」「これが解決策だ」を示してくれます。

この作業を代替してくれるだけでも、前述した人間の目で検索記事をチクチクと眺めながら解決策をまとめるプロセスは省けるでしょう。

ただし、それらAIから提案されたソリューションに対し「これにしよう!」と決めることはAIにできません。

ある程度AIもデータの分析によって、解決策の優先順位はつけてくれるでしょう。
ですが、ダイエットを進める人間側には色々な事情があります。

例えば「今は忙しい」「モチベーションがわかない」など、アルゴリズムに反映しにくいような変数です。

結局は、AIデータから導き出された提案を、自身の本質的な最適解にするには「自分にはこれがピッタリ!」と思えるような、人間による「決める」作業が必要なのです。

ダイエット場面での「決める→やりきる」

続けて、ダイエットを例にとり「決める」から「やりきる」の例を説明します。
結論から言うと、この領域はAIの出番はそこまでなさそうです。

「やりきる」と聞くと、完遂力を思い浮かべる方も多いかもしれません。
ですが、現実的には無理にやりきりすぎるのも仇になる場面もあります。

ダイエットの例に戻すと、「運動する」を作戦として選択したものの、夏や冬は面倒になる場面もあるはずです。思いがけずケガをすることもあるでしょう。

であれば、その際は食事制限など運動以外の作戦を優先した方がいいかもしれません。

このように、目標達成に向けて、現実の条件をチューニングしながら「やりきる」ことは、今のところ人間の出番が大きいでしょう。

2. 生成AIがもたらした変化と代理店の未来

ここからは、広告代理店の業務にスポットを当てながら、AIとの共存を考えていきます。

生成AIの登場が変えた業務領域

SPADEモデルの変化の煽りをダイレクトに受ける業界のひとつは、広告代理店といえます。

僕たちもこれまでクライアントワークでのデータをもとに「見つける」「決める」「やりきる」のプロセスを一通り辿ってきました。

ですが、今回のモデルで整理するとBINKSの今後、というより広告代理店全体のバリュー発揮を考えると、違う可能性が見えてきます。

これまでも、これからも、「見つける」はある程度業務として残るでしょう。
ですが、この先は「見つける」で終わりではなく、見つけたファクトを武器にしながら、「決める」「やりきる」までのリーディングに注力すべきです。

もっというと、「見つける」領域はAIに任せて、そこからはじき出されたリコメンドをもとに、「決める」「やりきる」に集中すると、違う未来が見える気がしています。

AI時代における代理店の本質的価値

今後、広告代理店の業務領域を捉えるために、大前提としてスタンスのシフトも重要です。

ちょっと極端な例ですが、これまでの広告代理店は「CPAが!」「CVRを!」という指標・単語を振りかざしていました。(自戒も込めて……)
結果、クライアントは「何だかよく分からないから、外部にお願いすべきかな」という、良いか悪いか分からないような依頼を生み出していたようにも思います。

本来的には「この指標改善は何を意味する」や「指標が事業に与えるインパクトとは」という説明をすべきところを、業界風潮的にうやむやにしているような雰囲気すらありました。

しかし今後は「CPAが!」「CVRを!」などの改善対象は、AIが勝手に「見つけて」くれます。

今後は、クライアントの事業ビジョンや現状のボトルネックを深掘りし、「御社はこれをすべきなのでは?」と説得するのは、広告代理店に残されたミッションです。

むしろ客観データでクライアントを説得できる、希有な外部ポジションになっていくものと考えています。

SPADEモデルが示す「人間の価値」

広告代理店を例にして説明しましたが、このモデルは企業で働くビジネスパーソンに普遍的に適用できるモデルとも思ってます。

ゼネラリスト育成を指向している日本企業では、ビジネスパーソンは「自分は何ができるのか」という自身のマーケット価値に無頓着な傾向にあります。

よく「自分のキャリアを棚卸ししましょう」みたいなフレーズがありますが、これもうまくできる日本のビジネスパーソンは少ないでしょう。

ひどい場合は

・〇年~〇年:△△部署に所属

という職務経歴書のような情報を「棚卸し」と勘違いしている方も多いようです。

この情報羅列のみなら、AIといわずタレントマネジメントデータから引っ張り出すだけで事足ります。

重要なのはその「△△部署に所属」という経験で、どのようなスキルやマインドを身につけたかを言語化できることです。

このように、「部署名」「職種名」だけでなく、経験を通じた仕事の意味・価値を見出すのは人間にしかできない領域です。
ただし、仕事にのめり込みすぎたり、主観的な目線が強すぎたりすると、案外難しいものです。

その意味でもSPADEモデルは、これまで担った経験がどのような意味合いを持っているかを考えるフレームになるはずです。
そして、この先鍛えるべきスキルはどのような方向性なのかを「決める」「やりきる」の指針にもなるでしょう。

4. SPADEモデルとBINKSのバリュー「見つける・決める・やりきる」

最後に、BINKSや広告代理店事業に戻りながら、僕たちのバリュー「見つける・決める・やりきる」とSPADEモデルとの接続点を解説します。

見つける

「見つける」とは、課題や機会を発見するための分析力と仮説構築力です。

BINKSの仕事で考えて見ても、これらの業務は徐々にAIに置き換えられると考えています。

AIによるデータ分析は自社内でできるクライアントも増えるかもしれませんが、真の意味で「見つける」に辿り着くには、マーケットデータが必要です。

例えば業種や商材によっては、適正と思われる広告費は異なります。
そんな代理店だけが持っているデータを武器に、クライアントの「見つける」に伴走することで、後半のプロセスにも関与できることにつながります。

そのように柔軟に発想を変えながら、僕たち広告代理店は「決める」「やりきる」で価値を発揮できるよう、シフトする必要があるのではないでしょうか。

決める

「決める」とは、複数の選択肢から最適なものを選び、意思決定を行う力です。

最近の生成AIは、選択肢の提示だけでなくある程度のリコメンドもしてくれるので、部分的に「決める」サポートはしてくれるかもしれません。

例えばBINKSの社内事例ですが、社員数拡大に伴い機能分化や権限移譲という‟ベンチャーあるある”の壁に、昨年ぶつかりました。

そこで改めて業務の洗い出し・再整理を行いました。
ここまではもしかしたら将来的には、AI的な機能に部分的に任せられるかもしれません。

ですが、そこで「見つけた」情報をもとに、僕たちはより高いレイヤーで価値提供するために、組織改編をすることを「決めた」のです。

広告代理店の仕事も同様ですよね。
分析結果を「どんなビジョンに向かうのか」「どうやって解決するか」を決めるのは、AIではなく代理店の人間が担うべきです。

クライアント側も自分たちと同じ視座で自事業を捉え、そのうえで客観的な目線で自分たちでは導き出せない提案をする代理店は、心強い存在となるでしょう。

やりきる

「やりきる」は、決めた施策を最後まで実行し、成果を出すまで責任を持つ行動力です。

AIは実行を補助するツールではあるものの、実際に実行を推進し続けるかどうかは、人間に依存しています。

クライアントの内部事情やマーケット環境は日々動いているので、「決めた」段階では予想しなかった事態に遭遇するケースも多いかもしれません。

BINKSでは、不慮の事態に遭遇しても「原因特定→対応検討」をできるだけスピーディー&パワフルに回すことを重視しています。

むしろ変化の渦中にいるクライアントは、何をすればやりきれるのか見えなくなっていることもあります。

外部ならではの「やりきる」提案をしながら、クライアントと目指すゴールに伴走しきることが、今後代理店には求められるでしょう。

5. 結論:AI時代において代理店が進むべき方向

BINKSも創業当時は狭義の広告代理店として、価値発揮をしてきました。

ただ外部にいる人間からすると「クライアントは、こんなひずみを見逃している」や「こんな他社と違う強みに気づいていない」と歯がゆく思う場面も多かったのです。

そこから代理店だけが持つデータから導かれる客観的な提案をもとに、徐々にクライアントの懐に飛び込んでいきました。

今回はそんなBINKSの歩みとクライアントの課題解決の中で生まれたSPADEモデルを紹介しました。

少し長くなったので再度まとめます。

⚫︎AIの台頭によって代理店の価値が下がるということではない、役割分担を考え直すきっかけにすることが重要
⚫︎むしろ「見つける」をAIに委ねて「決める」「やりきる」に集中することで、広告代理店ならではの価値発揮ができるチャンス

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

P.S.
SPADEモデルの議論をしたい、BINKSのAI活用について話を聞いてみたい、マーケティングに困っているなどこのの感想を含めてお話したいことがあれば、ぜひ僕にDMをください!

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