生成AIに

⚠️ この記事とリンク先は、若干のNSFW(Not Safe For Work)要素を含む場合があります

AIエージェントにコードを書かせたりコンテンツを作らせたりが、かなり実用的になり始めているみたいです。プロのライターの試用記事も目に付くようになりました。

そこで、自分でもショートストーリーを何本か書かせてみたのですが、あまりにも簡単にできすぎて衝撃的だったので、その手順とプロンプトを共有します。

PS. 続きは書けないのかというリクエストにお応えして、さらにこってりしたストーリーも追加しました。

作成したストーリー

まず次の3本を作成しました。noteに公開しています。生成AIが考えた煽情的なタイトルになっていますが、中身はさほどではありません。

1番目のストーリーの一部は、こんな感じです。ほとんどリライトしていません。

 キッチンを見ると、彼は静かに準備を進めていた。
 卵を割る手つきも、ベーコンを切る包丁さばきも、無駄がない。
 パスタを瓶から取り出すと、束を指で軽くしならせた。
 それが、どこか艶めいて見えてしまったのは、私の疲れのせいだろうか。

 ……こんなふうに人のために料理する姿を、誰かに見せたことなんてあるんだろうか。
 それとも、こんな光景を見せているのは、今夜が初めてなんだろうか。
 不意に、そんなことを考えてしまった自分に驚いて、目を伏せた。
 けれど耳は、あいかわらず彼の立てる小さな音を、逃さず拾い続けている。

「……結構、手慣れてるんですね」

それから、追加でもう少し濃厚なストーリーを書かせました。

なぜエロ小説なのか

こういうスタイルのショートストーリーを作成させた理由は、次の3点です。

まず、エロの強力さ。コンテンツとして需要が高く、注目も集めやすい。また、ストーリーの品質への期待値が高くなく、ご都合主義でも構わない。エロければいいのです!

それから、テキストがコンテンツとしても扱いやすいこと。データ量が小さく、処理能力が低くても対応しやすいからです。さらに生成したテキストコンテンツは、イメージや動画の元ネタとして再活用できるでしょう。

インタラクティブ性はなくても成立します。ユーザーの反応に応じてコンテンツを生成するのは夢がありますが、世の中にはそうでないコンテンツもたくさんあります。インタラクティブにすると、その分だけ操作が煩雑になるデメリットもあるでしょう。右手はマウスを握る暇がないほど忙しい、という場合もあるでしょう。

という訳で、新しい技術を試すときエロ小説は、なかなか悪くないと思います。

エロ小説を題材に選んだ理由

1. エロ最強
 - 需要が高い
 - 品質の期待値が高くない

2. テキストは扱いやすい
 - データが軽い: 3D > Move > 2D.Sound > Text
 - 他コンテンツの元になる

3. インタラクティブ性が不要
  - 忙しい

ただ、そのまま露骨なエロ小説を生成するの難しそうです。生成AIサービスを使えば、コンテンツポリシーに抵触するでしょう。たぶんローカルLLMなら可能でしょう。次の記事は衝撃的でした。

とはいえ、私はローカルLLMも持っていないので、今回は別の方法が必要です。

そこで、官能的な設定のクッキング小説にしてみましたが、うーむ、おっさん臭い気がするが大丈夫か。

手順

生成手順は次の通りです。ChatGPTなどのチャット型ユーザーインタフェースを使っています。

  1. 初期プロンプトを与える
  2. 不足情報を確認させる
  3. ひととおり揃ったところで、テキストを順番に生成させる
  4. 内容に合わせて、タイトルを考えさせる
  5. 選択したタイトルから、表紙画像を生成させる

プロンプト

最初に共通プロンプトと個別設定を与えています。

共通プロンプト

官能的な表現を得意とする小説家としてふるまって。
こちらから提示する設定情報と作業指示に従って小説を書いて。
必要な情報があれば、その都度確認して。

## 共通設定

小説を書くための共通設定を提示する。この他に必要な情報があれば、アイデアを提示して、こちらに選択させて。

### 舞台設定(時代・場所)

個別情報で提示する

### 登場人物

- 主人公
- 相手

### 登場人物の容姿

アイデアを提示して

### 登場人物の関係性

個別の情報で提示する

### 小説のシチュエーション

個別情報で提示する

### 小説の形式

- 主人公の一人称

### トーン

- 前半:ほのかに匂わせる程度
- 中盤:じわじわ熱を帯びていく(感情と身体感覚が混ざる)
- 後半:濃密に感じさせる(内面描写を中心に)


### 小説の主な内容

気分が乗らない主人公に対して、相手が料理を作ってあげて、食事をふるまう。
その様子を見ながら、主人公の気持ちが高ぶっていく様子を描写する。

### 料理の題材

個別情報で提示する

### 記述するテンプレート

- 小説は、次の場面で進行する
	- 場面設定
	- シチュエーションの説明
	- 料理の準備
	- 料理の開始
	- 料理の仕上げ
	- 食事
	- ラスト:気持が高ぶり行動が変容しそうになる主人公

- ひとつの場面に対して、次の要素を記述する
    - 主人公の戸惑う気持ち
    - 相手の動作
    - 主人公の感想
    - 相手と主人公の短い会話
    - 会話に対する主人公の高ぶる気持ち

- 場面を進めていくことで、少しずつ主人公の気持が高まっていくよう描写する


## 作業指示

- まず、個別情報で登場人物の設定情報を伝える。それに対して場面を順番に記述していく。そのとき、ひとつの場面に対して各要素を出力する。

個別設定

個別設定は、こんな感じです。これは3番目のもの。ストーリーごとに用意します。これを共通設定・作業指示と同時に生成AIに渡しました。

## 個別設定
- 舞台設定
	- 中規模な地方都市。アパートの一室

- 登場人物
    - 主人公:会社員になったばかりの男性。システム部門に所属
    - 相手:主人公の大学時代の友人男性の妹。18歳。ギャル系だけど、じつは料理が得意。主人公を「◎◎◎◎」と呼ぶ。

- 関係性:主人公にとって相手は、まんざらでもない存在だけど、相手が距離を詰めてくるので戸惑っている。

- 料理の題材:カレーライス

- シチュエーション:主人公は、入社後に友人の地元近くに就職して、一人暮らしをはじめた。仕事になれて来たと思ったら、大きな失敗をしてしまった。落ち込んで会社に行きにくくなり自宅にこもっている。そこに相手が、食事の材料を買って押しかけてくる。

不足する情報があれば聞いてくるので、回答していきます。

情報が揃ったところで、実際にストーリーを出力させます。

タイトル生成

その後で、次のプロンプトでストーリーに合ったタイトルを出力させます。

この小説のタイトル案をいくつか提示して。◎◎◎◎風の煽情的なスタイルで。

◎◎◎◎のところは、お好みで。

画像生成

あと、ChatGPTのようなマルチモーダルAIであれば、カバー画像や挿絵を次のプロンプトで出力させることもできます。ただタイトルに合わせるとコンテンツポリシーに抵触する場合があるので、それを回避させました。

このストーリーの表紙画像を作成して。
コンテンツポリシーに抵触しそうな場合は、タイトルを抽象的または一般的なものに変更して。

- サイズ:横長
- タイトル:画像に表示しない
- スタイル:女性向けコミック
- 色味:暖色味を減らし、ピンク系の色味+背景白色にする

ChatGPT_Image00_23_10.png

結果

できあがったのが冒頭に紹介したショートストーリーです(再掲)。

  1. 濃厚カルボナーラと、トロける私|ゆゆ・ゆゆゆ (ChatGPT 4o)
    https://note.com/yuyu_yuyuyu/n/n5ee21ff758dd

  2. スープより熱いキスを、今夜の〆に|ゆゆ・ゆゆゆ(ChatGPT o3)
    https://note.com/yuyu_yuyuyu/n/n2cbefaebcd03

  3. 年下ギャルが作るカレーは、俺の理性を溶かすスパイスの刺激|ゆゆ・ゆゆゆ(Cline + Google Gemini-2.5-pro-exp-03-25)
    https://note.com/yuyu_yuyuyu/n/n430618a2a98d

読んでみて、辻褄の合わなそうなところを少しだけリライトしていますが、各100文字もなかったと思います。

最初の2つはChatGPTで作成しました。各2000文字くらい。

3番目は、VS Code + ClineからGemini-2.5-proを呼出して作成しました。6000文字くらい。この場合は画像を生成できないので、画像生成用のプロンプトを作ってもらいChatGPTで画像にしました。

場面に応じた挿絵を何枚か生成させると、さらにらしくなるかも。

使用したトークン量

使用したトークン量を見積もってもらいました。

  1. ChatGPT 4o: 6,600〜7,000トークン
  2. ChatGPT o3: 約3,700トークン
  3. Gemini-2.5-pro: 約 57,559 トークン

約6000文字になった3番目が圧倒的に多い。

改善すべきポイント

2番目のストーリーを生成したあとで、プロンプトや追加情報の改善点をアドバイスしてもらったら次のようになりました。

より “狙い通り” の小説を引き出すプロンプト設計 10 Tips

何を盛り込むか 具体的な書き方例 効果
1 物語のゴール 「読後に切ない余韻を残す結末にして」 エンディングのトーンがぶれにくい
2 熱量カーブ 「段落ごとに官能度を 1→5 段階で上げる」 ペース配分が明確になる
3 語り手の“声” 「主人公は内省的で比喩多め。一人称は“私”。会話では砕けた口調」 語調のムラを防ぐ
4 五感ワードリスト 「味:柑橘、旨味/匂い:石鹸、鶏油…」 描写にバリエーションを持たせやすい
5 NG & OK ライン 「露骨な性描写はフェードアウト、背徳感は可」 不要な修正ループを回避
6 1 シーンの長さ 「各場面 350~400 文字、最大 5 段落」 トークン超過・冗長化を抑制
7 演出キュー 「緊張感を高めるときは環境音を1行で挿入」 臨場感が均質になる
8 キャラの呼称規則 「地の文=苗字、会話=下の名前で呼び合う」 人間関係の距離感がはっきり
9 メタデータ用テンプレ 後工程(編集・分析・画像生成)で再利用しやすい
10 改善ループの指示 「まず粗筋を出し、私が OK したら本文を書く」 途中修正が容易、無駄な書き直し防止

さらに精度を上げる追加情報の例

  • ストーリービート

    • : トラブル解決 → : 手料理提案 → : 味見で触れ合い → : 一線を越える暗示
  • キャラの一貫した癖・口癖

    • 例:彼は緊張すると無意識にネクタイを軽く引く
  • 小物・環境ギミック

    • 深夜番組の BGM、雨音、電気ケトルの沸騰音など
  • 感情タグ(シーンごとに)

    • #安堵 #焦り #高揚 #決壊
  • 画像指示用プロンプト(表紙や挿絵を想定)

    • 構図、カラーパレット、フォントテイスト

実装ステップ例

  1. プロンプト設計:上記要素を箇条書きで整理
  2. 段階出力を指示

    1. 粗筋 → 2. シーンごとの箇条書きアウトライン → 3. 本文
  3. レビュー & 修正指示:アウトライン段階でトーンや構造を確定
  4. 最終生成→ファイル出力:必要に応じて画像生成プロンプトも同梱

こうしておくと、AI 側の“解釈違い”を最小化しながら、ご自身のイメージに沿った官能小説をスムーズに仕上げられます。


たしかに、ここまで指定すれば、より精度の高い内容になると思います。とはいえ、細かく指示するのが大変なら、省略したり提案してもらっても良いんじゃないかと思いました。

最後に:これからの人間の役割は

という訳で生成AIを使って、もっともらしいショートストーリーを作成させてみました。官能的なテーマを選んだことで、小説の品質自体はあまり気にしなくてもよくなった思いますが如何でしょう。こういうコンテンツやありがちなキャラクター小説を量産したい、自分の好みに合致させたい場合には十分有効そうです。

一方で、面白いコンテンツにする力は、まだまだ弱そうです。大量に生成させて、そこから使えそうな物を選別するガチャ方式になりそう。

今回は、生成AIサービスを使っているので露骨なポルノは作成していませんが、それはローカルLLMで何とかなりそうな気がしています。

ライターの役割はなくなりそうですが、あとしばらくは面白いコンテンツを作るのに、人間の活躍の余地がありそうだと思いました。

追加版ストーリーを書かせてみた

続きは書けないかとリクエストがあったので、生成AIに限界まで書かせてみました。あらかじめ指定しておいた場面まで来た後も「その続きを書いて」と指示を繰り返しました。どんな場面を書くかは指示していません。

追加版の濃厚な個別設定

この追加版では、次の個別設定プロンプトを与えました。トーンのところで「内面描写に加えて、身体的接触を暗喩で煽情的に描写」としています。

これに加えて、最後の方の場面を描写させるとき「カルボナーラの暗喩で描写」と指定しています。

個別設定

### 場面設定

現代の都会にある、静かな高層マンション。
金曜の夜。冷たい雨が降っている。

### 登場人物

- 主人公:24歳の新人OL。仕事
- 相手:主人公の上司、S気質でツンデレだが、主人公に時折優しく接する。

### 登場人物の関係性

- 主人公は、上司の部下。仕事に厳しいが、どこかひかれる所がある。
  - 主人公は、相手を「課長」と呼ぶ。最後は、名前をさん付けで呼ぶ。
  - 相手は、主人公を「◎◎」と呼び捨て。最後は、名前で呼ぶ。

### 料理の題材

カルボナーラ

### シチュエーション

仕事帰りにふと上司の部屋に立ち寄ることになった主人公。

### トーン

- 前半:ほのかに匂わせる程度
- 中盤:じわじわ熱を帯びていく(感情と身体感覚が混ざる)
- 後半:濃密に感じさせる(内面描写に加えて、身体的接触を暗喩で煽情的に描写)

結果

追加版では、あらかじめ指定しておいた場面まで来た後も「その続きを書いて」を繰り返しました。相手の名前を呼ぶ指定は、うまく機能しなかったためリライトしました。内省と会話で別々に指定する必要がありそう。

画像生成

ことに至る場面まで書いたせいか、同じチャット内ではコンテンツポリシーに抵触して表紙画像は生成できませんでした。そのために、次のように個別設定の情報を使って、別のチャットとして画像を生成させました。

次の場面の画像を生成して

### 画像仕様

- サイズ:横長ワイド
- スタイル:女性向けコミック風

### 場面

現代の都会にある、静かな高層マンション。
金曜の夜。冷たい雨が降っている。

### 登場人物

- 主人公:24歳の新人OL。
- 相手:主人公の上司、S気質でツンデレだが、主人公に時折優しく接する。

### シチュエーション

仕事帰りにふと上司の部屋に立ち寄ることになった主人公。
主人公のために、手作りのカルボナーラをご馳走する相手。
親密になる二人。

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参考ページ



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