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概要
この記事では、マーケティングにおける「物語」の重要性について述べています。著者は、顧客が自己を特定できるようなストーリーを作り出すことで、物を売るのではなく、物語を売ることの価値を強調しています。また、マーケティングの現場で導線の整備が重要であることも強調しています。
要約
- 物語の重要性: 商品を売るのではなく、顧客が共感できる物語を提供することが大切。
- 営業経験: 過去の経験から、同じ商品でも異なるストーリーを持たせることで顧客の気づきを促す工夫が必要。
- ターゲット特化: より具体的にターゲットを定義する言葉が効果的。
- 導線整備の必要性: 物語で気づかせた後には、迷わず行動できるような導線を整えることが重要。
- 導線ミスの影響: 効果的に気づかせた顧客が行動に移らない場合、競合に流れてしまうリスク。
- 役割分担: マーケティングは「旗振り役」と「導線管理役」に分けて、効果を最大化する。
- マーケターの目指すべき姿: 常に「誰に届けたいか」を意識し、物語を通じて顧客に響くマーケティングを実践する。
こんにちは。
#職業経営者 の小村佳子です。
■ マーケティング現場で忘れられがちな“物語”
今日のタイトル、「物を売るな、物語を売れ」。
これは私が作った言葉ではありませんが、どこかで耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
ただ、実際にマーケティングの現場に立つと、
この“物語”が置き去りにされる場面が本当に多いのです。
■ 紙面営業時代に学んだ“気づかせる工夫”
私は2011年、リクルートのホットペッパー紙面で仕事をしていました。当時のホットペッパーでは、今と違い営業が原稿も書いていました。毎月、クライアント様ごとに打ち出し方を考え、日々仕掛けを提案していたのです。時には徒歩5分以内の同じメニューを取り扱うクライアント様の担当をすることもありましたので、特に物語を考える必要がありました。
例えば、整体メニュー。
単に「整体60分 2,980円」と書けば、他店舗との違いは出ません。
そこで、
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「子育てママの産後ケア整体 60分 2,980円」
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「天使の肩になる整体 60分 2,980円」
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「猫背・スマホ首改善整体 60分 2,980円」
など、簡単に今思いついたことを書きましたが、同じ商品だとしても、ターゲットごとにストーリー性を持たせた打ち出しをすることで、「あ、私のことだ」と気づいてもらえるようにするのです。
■ 「私のことだ」と思わせる言葉の力
これはよく私がマーケティングに関わる方にお話する例えですが…
教室で先生が「来てくださーい」と言っても、誰も動きません。そもそも誰のことか分からないからです。
では、「朝ごはん食べてる人、来てください」だとどうでしょう?どのタイミングで朝ごはんを食べた人なのかのタイミングが曖昧で、誰に向けたか分からず、足が止まります。まず質問がでるかもしれません。
でも、「赤い帽子をかぶっている女の子、来てください」なら?
迷いなく動く人が現れますよね。
マーケターとは、この赤い帽子の女の子を呼んだ時のように**「あ、私だ」と思わせて、迷いなくアクションに移れる導線をつくる人**のことだと思います。
■ 物語の後にやるべき“もうひとつの仕事”
そして重要なのが、物語で気づかせたあと。
次にやるべきは、お客様が目的地まで迷いなくたどり着ける導線を整えること。
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予約ページの導線はあるか?
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そのメニューに空きはあるか?
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アクションの直後に障害物がないか?
ここが抜けていると、せっかくの気づきがムダになります。
■ 数字で見る「導線ミス」の重大さ
よくあるケースがこちら:
① 100人が「私だ!」と気づいても、導線が悪くて5人しかたどり着けない。 ② 20人しか「私だ!」と気づかなかったけど、15人がきちんと辿り着いた。
前者は致命的。 残りの95人は、競合他社へ流れてしまう可能性が高いのです。
■ 派手さより、仕組みと分業のバランスを
だからこそ、私は自社でのマーケティング設計時に**「旗振り役」と「導線管理役」を必ず分けています。**
派手なクリエイティブやキャッチコピーを考える人がいても、地道な整備役がいなければ成果には繋がらないからです。
■ 「あ、私だ」に気づかせるマーケターになるために
物語を売る。
それは、自分たちの強みを活かし、唯一無二の戦略をつくり、
「あ、私だ」とお客様に気づいてもらうこと。
マーケティングに関わる方は、「誰に届けたいのか?」を常に意識しながら、物語を届けてみてください。
その積み重ねが、あなたを“物語を売れるマーケター”にしてくれるはずです。
私自身、日々それを忘れずに仕事をしています。
では、今日はここまで。
#職業経営者 小村佳子
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