🧠 あらすじと概要:
あらすじ
「父と僕の終わらない歌」は、横須賀で楽器店を営む父・哲太が、息子・雄太のために夢を諦めるが、アルツハイマー型認知症を発症してしまう物語です。忘れゆく記憶の中で、哲太を支えるのは息子、母、仲間、そして音楽。歌を歌うことで一時的に本来の自分を取り戻す哲太の姿を通じて、家族の絆が強まっていきます。
記事の要約
映画の感想文では、主人公哲太と息子雄太の関係や、アルツハイマー病への理解が深まる過程が語られています。アルツハイマーという現実に直面する中で、音楽が哲太にとっての癒しであり、活力の源になることが強調されています。また、SNSでの人気や誤解、家族の苦悩、そして愛情に満ちた親子のやり取りが描かれ、感情的な描写に多くの共感が寄せられています。特に、哲太と雄太が共に歌うシーンが印象的で、終わりには愛のメッセージが伝わり、温かい感動が残る作品となっています。
おはようございます。
今日は先日見た、「父と僕の終わらない歌」の
感想を書いていこうと思います。
あらすじ
かつてレコードデビューを夢見たものの、息子・雄太のためにその夢を諦めた父・哲太。横須賀で楽器店を営みながら、時折地元のステージで歌声を披露しては喝采を浴びてきたユーモアたっぷりで人気者の哲太は、ある日、アルツハイマー型認知症と診断されてしまう。全てを忘れゆく父を繋ぎ止めたのは、彼を信じ支え続けた息子、強く優しい母、強い絆で結ばれた仲間、そして父が愛した音楽だった――。大好きな歌を歌う時だけ、いつもの父さんが戻ってくる。父さんの夢は僕ら家族の、皆の夢となって再び動き出す―。
感想(ネタバレあり)
終始、号泣した映画だった。
原作はサイモン・マクダーモット著『父と僕の終わらない歌』。海外の話を上手く現代の日本に合わせてストーリーを調整したなという印象。
結婚式の披露宴で歌を披露し、その帰り道息子の雄太を送り届けた後、哲太は自分が帰る家の場所がわからなくなる。これをきっかけに哲太は病院で自分がアルツハイマーということを知り、生活を進めていくが…というもの。
アルツハイマーになって苦しいのは本人も周りも、アルツハイマーになる前までは出来ていたことが出来なくなることだろう。そのギャップで病気なのだということを自覚したり、周りの人に迷惑をかけてしまう。
アルツハイマーの予防や改善には計算やその人が病気にになるまでしていた「習慣」をすることがアルツハイマーには効果があるらしい。哲太にとってそれは歌を歌うことだった。哲太は商店街のイベントで歌うはずだったが、家でアイロンをかけていたが別のことを思い出し雄太のことを探しに出てアイロンを消し忘れ、ボヤ騒ぎを起こしてしまい、イベントは中止になってしまう。いなくなった父、哲太を探しに車を走らせる雄太。イベント会場から遠く離れた場所で父を見つける。
イベントで歌うことを忘れ、ただただ息子を探していた哲太。雄太と話をしてイベントで歌いたかったという気持ちを思い出すがイベントに間に合わないことに落胆する。雄太は「1番のファンがここにいる」と言ってスマホで父の歌う姿を撮影する。
そして、イベントの参加を待ち侘びていた人に向けてイベントを中止することになった謝罪文と共に父がアルツハイマーを患っていること、父は変わらず歌を歌うのが好きで歌っている動画を一緒に投稿する。
その動画はバズり、歌うことを習慣として行い記録を残しSNSにアップロードし哲太と雄太はたちまち有名になる。しかし、雄太が描いたイラストが特定され広告に起用されていることから、売名行為だったのではないかというデマが流れる。
ここはSNSのよくないところだと思う。最近はPRに対して宣伝目的であることを明記するようになったのがよかったと個人的にはよかったと思う。
個人的には何かでバズった人が何かを宣伝しても気にならない派ではある。何かを宣伝していても、俺がいいなと思ったその作品がいいのは変わらないからだ。でも、宣伝が絡むと素直に作品を見ることができない人がいるのもわかる。
ここから、哲太は家で探し物をするために家のものをひっくり返して探すようになったり癇癪を起こすようになってみているのが辛かった。雄太と雄太の母は施設に哲太を入れるか決めかねていたが、母の意見で施設には入れず自宅で介護をすることに決める。
これは難しい問題だ。自分も父が病気だったが、緩和ケアで病院からホスピスに転院させようか考えていた時に父は亡くなってしまった。病院ではなく自宅で過ごしたかったのではないかと考える時がたまにあるが、介護する俺も母も限界ではあった。多分、家族が選んだ選択は間違っていないと思う。どっちを選んでも後悔はあると思う。後悔より思い出が上回るように過ごせば親も自分も許せる気がすると個人的には父の経験から思う。
そして雄太が気にしていたことがある。それは自分がゲイであることを父にカミングアウトして月日が経っているが、父がどう思っているかを知りたいということだ。ボヤ騒ぎでイベントが中止になった時も哲太は息子から自分がゲイであるということをカミングアウトした手紙を読んで(過去に読んで話はついている)、いてもいられなくなり、家から飛び出してしまった。
癇癪を起こしながら物を探してる哲太は雄太に対して、暴言を吐く。ゲイであることを受け入れられないと言う。哲太はショックを受け、車で人がいない埠頭に行き車の中で叫ぶ。
家に帰ると哲太がお茶を入れてくれる。先程の癇癪を起こした人とは思えない程、穏やかだ。それからしばらくして父が探していたのはデビューするために昔録音したカセットテープだったことが判明する。
以前デビューの連絡を受けていたが、宣伝目的なのではという炎上でデビューの話は流れる。デビューするには配信ライブで同接5000人を超えるのが条件だと言われる。
一悶着あり、ライブで歌う哲太。しかし途中で歌えなくなってしまう。そこで雄太が一緒に歌うシーンがとても優しい目をしていて、優しい声をしていて一層泣いた。
最後に父、哲太に自分のことをどう思ってるのかを聞く雄太。その答えは愛に溢れていて、アルツハイマーになっても心は変わっていないのだなと実感した。そして最後にSMILEと顔を持ち上げる仕草をする哲太のシーンで映画は幕を閉じる。
寺尾聰さんが演じる哲太の歌が渋くて、カッコいい。
そして優しさも含んでいて素敵な歌声だ。
趣味に仕事に生きるこんなカッコいいおじさんになりたいなと思った。
松坂桃李さんが演じる雄太、いい奴すぎる。病気で父の見たくない姿を見たり、自分を否定されるような発言をされても父を見捨てず、父に優しく寄り添って母を支えている。素晴らしい。最後自分のことについて父が認めていたシーンは俺だったら息子さんのこと知っている風で話を合わせると思ったけれど、正面から向きあう雄太は優しくて強い人だなと。
推しの齋藤飛鳥さん、役は少しの出演だったが同接人数を超えた時のホッとしたような嬉しいような表情が可愛い。
そして息子のことを認めていた父にまた泣かされた。
この映画は歌、笑うこと、病気になっても変わらない者がテーマになっていると思う。歌は哲太にとってのルーツで、歌は個人によって何になってもいいと思う。例えば、俺なら散歩やカメラ、好きな音楽を聴くこととか。哲太が雄太に「son, Just Smile」というシーンが多々ある。笑っている人はその人が内心笑えなくても、笑うという行為をすることが周りも自分もハッピーにするのだ。俺も笑って日々を丁寧に過ごしていきたい。
読んでいただきありがとうございます☺︎
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