金曜日, 5月 30, 2025
ホームレビュー映画漂流した男女3人の友情は脆くも崩れ去る…見てるこっちまで緊張してしまう空気感が堪らない!センスの塊のようなブラックコメディ人怖スリラー「ハープーン 船上のレクイエム」【ホラー映画を毎日観るナレーター】(渋谷裕輝(ホラー映画を毎日観るナレーター)

漂流した男女3人の友情は脆くも崩れ去る…見てるこっちまで緊張してしまう空気感が堪らない!センスの塊のようなブラックコメディ人怖スリラー「ハープーン 船上のレクイエム」【ホラー映画を毎日観るナレーター】(渋谷裕輝(ホラー映画を毎日観るナレーター)

🧠 あらすじと概要:

この記事の要約

映画「ハープーン 船上のレクイエム」は、親友であるリチャード、ヨナ、サーシャの間に生まれた緊張感と友情の崩壊を描いたブラックコメディスリラーです。物語は、リチャードが誤解からヨナを殴り、三人でボート旅行に出かけるところから始まります。しかし、旅行中にヨナとサーシャの実際の関係が発覚し、緊張が高まる中、殺し合いに発展してしまう。クルーザーが故障し、食料も水もなくなった状況の中で、彼らの本性が次第に露わになり、友情は崩れ去ります。作品は人間の狂気や愚かさをさらに掘り下げ、予想外の展開と巧妙な構成で展開していきます。

あらすじ

リチャードは恋人のサーシャが親友のヨナを寝取ったと勘違いし、ヨナを殴ってしまいます。誤解を解くために三人でクルーザーでの旅行を計画しますが、旅行中に本当に浮気していたことが発覚します。もつれた関係の中で、極限状態に置かれた彼らは緊張感を漂わせ、最終的には友情が破綻し、血みどろの殺し合いに発展します。クルーザーは故障し、彼らは漂流することに。友情が芽生えているように見える時もありますが、裏にはそれぞれの秘密が隠されており、次第に衝突が激化していきます。

この映画は、シンプルながら緊迫感あふれるストーリー展開とキャラクターの愚かさを巧みに描き出しており、観客を引き込みます。ナレーションも独特の神秘的な視点を提供し、作品全体の魅力を高めています。

漂流した男女3人の友情は脆くも崩れ去る…見てるこっちまで緊張してしまう空気感が堪らない!センスの塊のようなブラックコメディ人怖スリラー「ハープーン 船上のレクイエム」【ホラー映画を毎日観るナレーター】(渋谷裕輝(ホラー映画を毎日観るナレーター)

渋谷裕輝(ホラー映画を毎日観るナレーター)

2025年5月28日 19:11

「ハープーン 船上のレクイエム」(2019)
ロブ•グラント監督

◆あらすじーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーリチャードは恋人のサーシャを寝取られたと思い、親友のヨナを思い切り殴ってしまう。しかし、それはヨナとサーシャが誕生日プレゼントを買うために隠し事をしていたに過ぎなかった。リチャードはお詫びとして、3人でボート旅行に出かけることを提案する。(Filmarksより引用)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

•予告動画

•この映画を一言で表すなら?

『海の上で故障したクルーザーに取り残された男女親友3人組。腹に一物抱えた彼らは極限状態に追い込まれ、ついには本性を現して殺し合いに発展!?』

という、精神的にも肉体的にも限界を迎えた人間の狂気をコミカルに描いたワンシチュエーションのブラックコメディスリラーです。

そこまで有名な作品ではありませんがこれは相当面白かったです!

良い意味で何度も期待を裏切ってくれますし、オチも余裕で想像を超えてきます。これは良作ですね!

不幸体質のヨナ(https://m.imdb.com/title/tt7831358/mediaindex/?ref_=mv?ref_=mv_smより引用)

•具体的にはこんな作品!

老人ホームで働くサーシャ、不幸体質のヨナ、大金持ちだけどとにかくキレやすいリチャードの仲良し3人組。

ある日、ヨナが自分の彼女であるサーシャを寝取ったと勘違いしたリチャードは問答無用でヨナをボッコボコ!

もちろん彼の誤解だったので、これは本当に申し訳ないと、3人で高級クルーザーでの日帰りクルージングを提案。

右からリチャード、サーシャ、ヨナ(natalie.muより引用)

仲直りしたと思ったのも束の間、実は本当にヨナとサーシャが浮気をしていたことが発覚!

3人は血みどろの殺し合いに発展&クルーザーの故障で遭難!

水も食料もない…助けも来ない…絶対絶命のピンチの中で友情が深まったと思いきや!そこから事態は二転三転!物語は思いもよらぬ方向へと舵を切っていく!!

といった感じのお話です。エグいシーンも多々あるので痛い描写が苦手な人はあれかもしれませんが相当面白かったです!

唯一まともなサーシャ(https://m.imdb.com/title/tt7831358/mediaindex/?ref_=mv?ref_=mv_smより引用)

•良かったところと気になったところ

冒頭でも触れましたが、極限状態に追い込まれた人間の愚かさや醜さ、そして本性が露わになっていくという展開がシンプルながら相当面白かったです!

また、オチもまったく予想できないところに着地するなど脚本や構成も見事です。あとちなみにですが邦題についてる副題の「船上のレクイエム」はちょっとあれですね笑

正直なところリチャードがクズすぎて、なんでこんなやつと付き合ったり仲良くしたりするのかはまったく理解できません。なんですけども、実は他のヤツも他のヤツで実は別ベクトルでヤバかったり、付き合わざるを得ない事情があったりとストーリー的に無理が無いのも良かったです。

とにかくキレやすい&実家がカタギじゃないリチャード(https://m.imdb.com/title/tt7831358/mediaindex/?ref_=mv?ref_=mv_smより引用)

また、ナレーションがすごく良い味を出しているのも特徴的でした。

『カモメを船に乗せるのはよくない』、『左足からの乗船は縁起が悪い』、『赤毛はよくない』、『ヨナという名前の男も縁起が悪い』

などの迷信や昔話を交えながら3人の行く末を俯瞰で見る神様的なポジションになっており、あまり他作品では見られない斬新さがありました。

ちなみにこのナレーションを担当したのは「ストレンジャー・シングス」シリーズのバウマン役でおなじみのブレット•ゲルマン氏です。

ブレット•ゲルマンWikipediaより引用

ナレーターを職業にしている者として学ぶべきところがたくさんありました。今後もこういうナレーションが聴ける作品とか見てみたいですね!

•監督はこんな人&視聴可能なサブスクは?

そんな今作で監督•脚本を務めたロブ•グラント氏は発表作自体は少ないものの(日本で公開されていないだけかもですが)、今作は2019年にロッテルダム国際映画祭でワールドプレミア上映され、カルガリー・アンダーグラウンド映画祭では観客賞を受賞。

どの映画評価サイト何かを見ても相当評価が高いので、今後も要チェックのクリエイターさんです!

同氏の長編映画監督デビュー作の「デッド•アンド•アライブ」(’18)も各種サブスクで視聴できるようなので近いうちに見てみます!

そして!

今作は現在U-NEXT、DMMTV、huluにて配信中のほか、Amazonプライムではレンタル(400円〜)が可能です。

けっこうエグいシーンもありますが先の展開がまったく予想できないので相当面白いと思います!この後、いつも通りさらっとストーリーを紹介していきますが、ネタバレしてしまうと面白さが半減するので御興味ある方はこれ以降は読まないほうがいいかもです!

さりげなくオチを示唆しているところにセンスが感じられます。(natalie.muより引用)

•がっつりストーリー紹介

※ネタバレも含みますのでお気をつけください!

両親が事故死&多額の借金が発覚した幸薄系の青年ヨナ。

そこへ大金持ちだけどとにかくキレやすい親友のリチャードが突如押しかけ、問答無用でヨナをボッコボコ!

どうやら自分の彼女サーシャを寝取ったと勘違いして烈火のごとく怒り狂っていましたが全ては勘違い。ただ単にサプライズで彼への誕生日プレゼントを選んでいただけでした…

流石に反省したリチャードはヨナとサーシャを自身が所有する高級クルーザーに乗せて日帰りクルージングへと繰り出します。

めちゃめちゃボコボコにされたヨナ(natalie.muより引用)

ヨナとサーシャから一発ずつお見舞いされてこれで痛み分け。仲直りをした3人は楽しいひと時を過ごすも、やはりリチャードは何だか腑に落ちない…

ついにはプレゼントに貰ったスピアガン(銛)でヨナを脅して、本当に浮気をしてないかを問いただす。

彼の凄まじい剣幕に気圧されるヨナ。するとサーシャが背後から鈍器のようなものでリチャードを襲撃。

「バレたのね…」

やっぱり浮気してました!

プレゼントにもらったスピアガン(銛)を構えるリチャード
パソコンのパスワードが思い出せないだけで大型テレビを破壊するレベルでキレやすいです。(natalie.muより引用)

すぐに意識を取り戻したリチャードはヨナをぶん殴り海へと突き落とす。しかしサーシャがリチャードの股間に一撃。その拍子に放たれた銛は海から上がってきたヨナの手の甲を貫通!

海上警備に通報しようとするサーシャをリチャードが襲撃。通信機を破壊し、サーシャの首を絞めて殺そうとする。しかし、ここでヨナが背後からリチャードをぶん殴って気絶させる。

どうやらリチャード家はヤバい(おそらく裏社会と繋がってる)らしく、このままだとヨナもサーシャも殺される。

なもんで二人は結託して事故に見せかけ、リチャードを海へと突き落とす。

これで万事解決?(https://m.imdb.com/title/tt7831358/mediaindex/?ref_=mv?ref_=mv_smより引用)

リチャードは意識を取り戻し、ヨナたちに罵詈雑言を浴びせるもこのまま置き去りにすればいいだけのこと。

しかしどこにもクルーザーの鍵がない…

クルーザーの鍵を持っていたのはリチャード。このままだと3人とも助からない!ということで3人は交渉開始。

お互い殺し合わないように武器になりそうなものを全て海に捨てたら、この鍵を使って陸まで戻ってやる!

交渉は成立し、リチャードは無事クルーザーに帰還。これ見よがしにクルーザーのエンジンを掛けるもうんともすんとも言わない。

どういうわけかクルーザーが故障。3人は海に取り残されてしまう…

果たして助けは来るのでしょうか…(natalie.muより引用)

水も食料も無ければ、救命ボートも故障中。

険悪なムードが漂う中、なんとリチャードは元カノを妊娠させたうえ中絶を迫り、その元カノは何者かに殺されたらしい。

だからサーシャは怖くて別れることが出来なかったのだ。

3人の関係性は最悪のまま、漂流生活は5日目に突入。

可哀想すぎるサーシャ(natalie.muより引用)

奇妙なことに友情が戻っているようにも見える3人。

食料を手に入れたいけど武器になりそうなものは全て捨てているのでどうにもならない。ヤケクソになったリチャードはゴルフボールをカモメにぶん投げてみると奇跡的にヒット!

大喜びでカモメの血を絞り出し、血肉を分け合う3人。さらにラッキーは続き、お酒が一本残っていたので3人でまわし飲み。

ここで!

酔いも回ってきたのでカミングアウトタイム!

『いつから浮気してたの?』、『どっちの方が上手かった?』等、なんだか楽しそう。リチャードの方が良かったと言われ、リチャード本人は大はしゃぎ。逆にヨナは「感じてる時のサーシャの顔ちょっと変だったわ」などと負け惜しみ。

男のプライドですね。(https://m.imdb.com/title/tt7831358/mediaindex/?ref_=mv?ref_=mv_smより引用)

しかし楽しい時間は束の間、ヨナの手の傷が化膿しており、かなり具合が悪そう。

どうやら感染症を引き起こしており、細菌が心臓や脳に行かないようにと切断を試みるも割れたビンではどうにもならず、というか痛すぎて断念。

この辺りで実はリチャードの元カノを殺したのはヨナだったことが発覚!

リチャードだけでなくヨナまでヤバいヤツだったことが明らかになっていく。

絶望感漂いまくりのサーシャとヨナ(natalie.muより引用)

兎にも角にもこのままでは3人とも死んでしまう。

クジを引いてハズレだったヤツを殺して食べようとなるも、ハズレを引いたヨナが割れたビンでリチャードを襲撃。彼の首を掻っ切り殺してしまう。

呆気に取られているサーシャを尻目に、彼女と二人っきりになれてウッキウキのヨナは実は序盤に見つけていたお菓子を一緒に食べようと持ち掛ける。

更にはエンジンのヒューズを外していたのもヨナだった。クルーザーは故障などしておらず、彼はもとよりリチャードを殺してサーシャを自分のものにしようとしていたのだ。

リチャードとは別ベクトルでヤバいやつでした。(natalie.muより引用)

ヨナがヒューズを元の位置に戻したのを見届けたサーシャは隙をついてヨナをぶん殴って海へ突き落とす。藻掻くヨナはクルーザーのモーターに巻き込まれてバラバラに…

1人になったサーシャはクルーザーの操作など分からず、とりあえず前進するっぽいレバーをMAXまで倒す。

するとクルーザーは急発進!
あまりの勢いにサーシャは海に転落してしまう。

リチャードの遺体を乗せた無人のクルーザーがどんどんサーシャから離れていく…そして後にリチャードの死亡だけが確認されたという…

というところで物語は幕を閉じます。

日本版のこのジャケ写は一見平和に見えるも不穏な感じが滲み出ていて良いですね!(Amazon.co.jpより引用)

•自分なりのまとめ

シンプルなストーリーながら構成や展開が巧みで、緊張感を作るのがまぁ上手かったですね!気まずい空気のときは見ているこっちまで気まずくなりました。

さらには出血シーンなんかが妙にリアルで、周りの慌てっぷりなんかもすごいんですよ!役者さんが上手いとやっぱり作品が締まります。

3人とも良い役者さんでした。(https://m.imdb.com/title/tt7831358/mediaindex/?ref_=mv?ref_=mv_smより引用)

オチも想像を超えてきますし、ナレーションが神様視点みたいな感じで俯瞰でヨナたちを見ているのも面白いですし、迷信なんかをちょいちょい混ぜてくるのも良かったです。

映画としての完成度がかなり高いので映画製作に携わる方や俳優をやっている方、目指している方なんかにもオススメしたいです!すごく面白かったです!

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