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概要
この記事は、著者の「よっしー」が派遣社員としての経験を通して感じた孤立感や自己制限について語っています。正社員への強い憧れが彼を追い詰め、ただの肩書きに囚われた結果、自分の本当の価値や生き方を見失ってしまった様子を描いています。最終的には、派遣社員と正社員の枠を超えた広い視点で、自分が本当に求めている価値観を考えることの重要性を伝えています。
要約(箇条書き)
- 著者は派遣社員として長時間働いたが、過酷な経験はなかった。
- 最大の苦悩は孤立感と疎外感で、職場で正社員とのコミュニケーションが難しかった。
- 波風を立てぬように生き残る戦略を取ったが、これが成長の機会や人間関係を損なう結果に。
- 正社員へのコンプレックスが膨らみ、「正社員にならなくてはならない」という思い込みが強化。
- 明確な目標を持つことが必ずしも良い結果に繋がるわけではないと気づく。
- 「なぜ正社員になりたいのか?」という自問を怠り、人生の方向を見失う結果に。
- 正社員や派遣社員を問わず、自分が本当に求めていることを考えることが重要であることに気づく。
- 次回の記事では、著者がこの状況から抜け出すきっかけについて触れる予定。
こんにちは、『よっしー』です。
これまでの記事でも触れてきましたが、僕は派遣社員として長い時間を過ごしました。派遣社員の「つらさ」というと、経済的に苦しいとかパワハラを受けるといった経験を想像するかもしれませんが、幸いなことに僕にはそうした経験はありませんでした。
じゃあ僕にとって何がつらかったのか? 今回は、そのことを少し深く掘り下げてお話ししたいと思います。
「派遣社員の見えない壁」と孤立感
派遣社員だった頃、僕がもっとも感じていたのは孤立感と疎外感でした。職場では正社員同士が楽しそうに雑談をしていても、そこに僕が自然に入っていくことはありませんでした。
飲み会にもほとんど誘われませんでした。たまに参加しても、そこにはなんとなく壁を感じていました。
でも自分自身はっきりわかっていたんです。壁を作っているのは正社員の人たちではなく、僕のほうだ、と。
正社員と対等ではないという意識が常に僕を支配し、自分自身のささやかなプライドを守るために、鎧を着るようにして壁を作ってしまったのかな、と思っています。
波風を立てない「生存戦略」の代償
そして僕は徹底して、「波風を立てずに生き残る」という働き方を選んでいました。正社員には逆らわず、指示されたことだけをこなし、余計な提案や意見をしないようにしました。
派遣会社からそういう指示が出ていたのも確かです。でも、徹底してそういう方針を貫いてしまったのは、私が厚い鎧を着て、壁をつくって、正社員の人たちから距離を置きたがる気持ちがあったからだと思います。
しかしこの戦略には大きな代償がありました。自分の成長や新しい挑戦のチャンスを自ら遠ざけ、職場の人間関係も表面的なものにしてしまいました。結果的に、本当の信頼や友情、さらには自分自身の可能性までをも失うことになってしまいました。
そして何よりも、自分の頭で考える力がどんどん弱くなっていくのを感じました。
膨れ上がる正社員へのコンプレックス
生存戦略として波風を立てない働き方をしているうちに、僕の中では正社員がますます現実離れした理想的な存在になっていきました。派遣社員としての孤立感が、正社員への羨望や憧れを極端に高める効果を生み、「絶対に正社員にならなければいけない」という思い込みが強化されていったのです。
就職氷河期で内定をひとつも取れなかった苦い経験も重なり、僕にとって正社員になることは人生の唯一の成功への道となっていました。
いま振り返るとほんとうにおかしな行動だと思うんですが、当時の私は、何か失敗したり、思い通りにならないことがあってストレスを感じると、無意識に「正社員にならなくちゃ、正社員にならなくちゃ、、、」と、頭の中で繰り返したり、口の中でぶつぶつ言ったりしていました。客観的にみると相当アブナいですよね(笑。
「分かりやすいゴール」が生んだ落とし穴
何が何でも正社員になるというゴールは、シンプルでとても分かりやすいものです。シンプルなゴールだからこそ、一直線にそれを目指して頑張ることができてしまいます。僕は、そのための資格取得や自己啓発に必死になりました。
けれども、僕は肝心なことを完全に見落としていました。
それは、「なぜ正社員になりたいのか?」という自問を徹底的に避けてしまったことです。目標がはっきりしていると努力しやすいですが、表面的な目標に囚われると、本当に必要なことが見えなくなります。
実際に僕は35歳、40歳と年齢を重ね、年齢制限によって正社員への応募がほぼ不可能になったとき、これから何に向かって進めばよいのか分からなくなりました。その頃、正直に言えば「もう自分には何もない。死んだほうがいいのではないか」とまで思い詰めてしまいました。
いま振り返れば、正社員かどうかというのは人生にとって些細なことです。でも人間は弱く、思い込みが強くなると、些細なことでも簡単に自分を追い詰めてしまうものです。
派遣社員だけの問題じゃない
僕が正社員という呪縛から解放された後、ある親しい正社員の方に僕の過去の話をしたことがあります。その方は僕の話を聞き、「それって、派遣社員だけじゃないよね」と言いました。彼の話によれば、正社員であっても会社や上司から与えられる「分かりやすい目標」に囚われてしまい、本当に自分が望んでいることを見失っている人は少なくないということでした。
派遣社員、正社員を問わず、自分が人生で本当に何を求めているのか、自分自身でしっかり考えることが必要だと、そのとき初めて気付かされました。
あなたにとって本当に大切なことは何?
今あなたが持っている目標は、本当に自分自身が心の底から望んでいることですか?
正社員や派遣社員という肩書き、年収や資格のような分かりやすい目標にばかり目を奪われずに、自分が本当に欲しい人生や価値観について、じっくり考えてみてほしいと思います。
これが僕が派遣社員だった頃にもっとも苦しんだことであり、同時に多くの人にも共通する課題だと思います。
次回の記事では、僕がこの落とし穴から抜け出すきっかけとなった出会いや気づきについてお話ししたいと思います。
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