永野芽郁だけが原因じゃない…日曜劇場『キャスター』視聴率低迷の残念過ぎるワケ俳優の永野芽郁さん Photo:JIJI

日曜劇場『キャスター』の視聴率が伸び悩んでいる。主役に阿部寛、主要キャストに永野芽郁、道枝駿佑ら人気俳優を据え、テーマである「報道番組」も時宜を得ていた。失速の理由は何か。(フリーライター 鎌田和歌)

堺雅人主演の『VIVANT』の

逆を行きかねない

 近年のTBS日曜劇場のヒットといえば堺雅人主演の『VIVANT』(2023年7月から放送/平均視聴率19.6%)だが、初回視聴率は11.5%と目立って高いものではなかった。回を重ねるごとにSNSなどで話題となり、視聴率が伸びて行った経緯がある。

 その逆を行きかねないことになっているのが今期の『キャスター』である。初回視聴率は14.2%と『VIVANT』を大きく上回ったが、以降は11.7%、10.9%、10.4%と低迷している。SNSでの評判も思わしくない。

 TBSといえば40年以上続く報道番組「報道特集」があり、その調査報道に自負がある局である。そのTBSが報道番組に真っ向から切り込むドラマをオリジナル脚本で作るのだから、それなりの覚悟があったと考えるのが妥当だろう。しかし現段階では、視聴者の期待に応え切れていないように見える。

※放送回までのネタバレが含まれます。

 初回の放送で、阿部寛演じる進藤壮一が「生ぬるい報道体制を正す」と宣言する。進藤は公共放送で干され、民放放送「JBN」会長に拾われて看板報道番組『ニュースゲート』のメインキャスターに就任したという設定だ。

 進藤は特徴的な嫌味っぽい口ぶりで「コンプライアンスや時代の空気に合わせた」現代の報道番組を批判し、「ネットの話題をコピペして取り上げる始末」と毒づく。現実の報道番組に対する視聴者の不満を言い当てているように見え、この場面を見て期待をした視聴者は少なくないだろう。