他にも「あれ、これどうやるんだっけ?」となったらすぐにGoogleで検索する。僕は未だに「スプレッドシート セル 色変え 条件」を定期的に検索する。
そんな時いつも心の中で自分に「ggrks」と言っている。
僕は「分からないならまず検索、それで解決しない事はあまりない」と思っていた。
悲しい事に、これは過去形になってしまったんだ。
Excelで思ったggrksの敗北
セルの色が自動で変わらない
先述のよく検索するワードは「A列に『完了』と入れたら行全体が灰色になる」みたいな設定をするもので、新しい表を作るときに毎回やる。
でも新しい表を作る作業なんて年に1~2回程度なので、次に作る頃にはやり方を忘れてまた検索することになる。
僕や他の先輩らが使っているのを見て、ある後輩から「このやり方が分からない」と質問され、僕がいつも見てるサイトのURLを送った。
数分後、彼から「見たけど分からないんですよね」と言われた。
僕が教えたサイトでは「これをここにコピペして、こう設定すれば出来るよ!」と、画像付きで詳しく説明されている。
僕がスプレッドシート使いたての頃に見ていたサイトだ。
もしかしたら僕にとって分かりやすいだけで、彼には分かりにくかったのかもしれない。だから「検索してみたら似たようなサイト出てくるよ」と伝えた。でも「色々検索したけど分からない」という。仕方が無いので、教えながら僕が設定をして理解してもらえたようだった。次から出来るだろう! と思いきや、やはり出来ない。指摘すると色々と言いながら「必要ないと判断したので」と回答を貰った。
……じゃあ最初のも必要なかったんじゃない? と思ったけど、僕は何も言わなかった。
文字が自動で入力されない
他の例だと、Excelでこんなのを見たことはないだろうか?
名称のところを色んな所から引用してるやつ
IDと章とNoの部分を入力すれば、名称の部分が自動的に入力される関数。先述の後輩は、表内の名称の部分をすべて手入力をしていた。僕は「ミスの元じゃん、だからエラー多かったのか」と思い、この関数を勧めてみた。
僕も詳しい方ではないので、当時も今回の画像もggりながら表を作った。
余計なお世話かもしれないけど……とは思いつつ、その時のやりとり(大筋)
僕:「ここさ、関数使えば手入力いらなくない?」
後輩:「あー…でも、全部ちょっとずつ違うんですよね」
僕:「うん、だからそれぞれのセルから引用して、自動化するんよ」~ここで実際に修正したExcelを見せてみる~
後輩:「うーん……でも、結局自分で入れた方が早い気がするんですよね」
僕:「う、うん」
その後もずっと手入力でやっていて、サンプルも無視。後に別のプランナーが彼に関して「仕事が減るのが嫌なんだと思いますよ、あとは理解できないことを認めたくないか。まぁ両方だと思います、プライドが高いからなぁ」
と言っていた。
仕事が減るのはいいことじゃない? わざわざコピペするの面倒でしょ?
と思うけど、きっとこういう事じゃないんだろうなぁ。
Excelがメモ帳にしかなってないケースは結構多い。関数を使わないなら意味がないのに。
Excel以外でも似たようなやりとりを何度か経験して「検索すれば解決する」は今や通用しないんだと感じた。
それに、彼らは言う。「ChatGPT使ってるんですけどね」って。なので僕は、ChatGPTに出会う前はかなり懐疑的にだった。ggrksを超えられない程度なの? と。
当時僕は、上司から教えろと言われ、相手には響かずで、とても疲れていたのも理由かもしれない。
当時の考えをGPTさんに聞いてみたら「それは使ってるのではなく触ってるだけ」と答えを貰った。
GPTさんの困惑
僕はその会社を辞めた後でGPTさんと出会った。
今では身近な存在で、いろんなことを相談している。
「ggrksの敗北」に代わるものはあるのか?
そんな疑問を投げかけてみた。
僕:「僕はGPTさんを使っていつも『なるほど!』ってなることが多いですが、検索が苦手だったり、斜め上の質問をする人でも同じような結果になるのでしょうか?」ChatGPT:なるほど、例の後輩のようなケース――つまり「言語化の方向性がズレている人」は、検索でもAIでも同じ壁にぶつかることが多いです。
あなたの言う「斜め上の質問」、これはまさに “問題の構造”や“本質”を捉えられていない状態” ですね。
あぁ、やっぱそういうのあるのね。
質問がズレてしまう人の特徴とパターン
■ 後輩のような人の特徴:質問のズレ方のパターンあなたの例や観察をもとに、代表的なパターンを整理してみます:
1. 「現象」ではなく「印象」で伝える
×「上が動かないのが変な感じがする」○「固定表示が解除できない」→ 抽象的な“印象”で語るので、問題の正体がつかみにくくなります。
2. 解決策を含んだ問いを立ててしまう
×「上の行を削除すればいいかな?」○「上の行が動かないのはどうして?」→ 誤った前提で話を進めることで、正しい答えから遠ざかる。
3. そもそも“何に困っているか”が曖昧
×「エクセルのこれ、なんか変だよね?」○「この部分が固定されてて、他の行を見たいのに動かせないんです」
→ 自分の困りごとを明確にできていない。
あぁぁ、すごく覚えがある。仕事中もそんなの結構あった。
ついでに質問例を作ってみてもらったが「あぁぁぁ見たことある…」となってしまった。
例1:「固定表示」関連
❓斜め上の質問「エクセルでさ、上が勝手に止まってるんだけど、なんか変じゃない?」✅問題の本質
→ Googleスプレッドシートの「1行目が固定表示」されている状態。
💡GPT向けに言い換えた例
「Googleスプレッドシートで、上の1行がスクロールしても動かないのですが、これを解除するにはどうしたらいいですか?」例2:PDFのテキスト編集ができない件
❓斜め上の質問
「PDFって文字入らなくない?なんか文字入れようとしたら消えるんだけど」
✅問題の本質
→ テキスト編集できないPDFを、Acrobat Readerなどで編集しようとしている or 入力モードが違う。
💡GPT向けに言い換えた例
「PDFファイルに文字を入力したいのですが、入力欄をクリックしても文字が入らないときの対処法を教えてください。」例3:パスワードが保存されない件
❓斜め上の質問
「またログインさせられた。なんか勝手に忘れてるっぽい」
✅問題の本質
→ ブラウザがパスワードを保存していない、あるいはCookieが削除されている。
💡GPT向けに言い換えた例
「Chromeでログイン情報を毎回入力しないといけないのですが、パスワード保存の設定方法を教えてください。」例4:バグ報告なのか操作ミスなのか曖昧なとき
❓斜め上の質問
「前までできたのに、今日やったら全然できなかった。なんで?」
✅問題の本質
→ 操作手順が変更されているか、アップデートによりUIが変わった。
💡GPT向けに言い換えた例
「以前はAという操作をするとBの画面に移行できたのですが、今日やったらCの画面になってしまいました。何か仕様が変わったのでしょうか?」例5:チャットツール(Slackなど)での通知ミス?
❓斜め上の質問
「メンション来てなかったんだけど、俺通知されなかったんだよね、たぶんバグ?」
✅問題の本質
→ 通知設定がオフ、もしくはスレッド内メンションを見落としている。
💡GPT向けに言い換えた例
「Slackでメンションされたはずなのに通知が届きませんでした。通知設定を確認するにはどうしたらいいですか?」
あぁ、なるほど。それと思った。
つまり結局ちゃんと説明できてないとダメってことだよね?
それは相手がAIでも人間でも同じって事じゃないか。GPTさんも混乱するのね。
解決させるために
人力でサポートする方法でこんな提案があった。
■ ChatGPTがうまく機能するには?後輩タイプの人がAIを活用するには、以下のサポートが有効です:◆ 質問の「リフレーズ」を覚えさせる「それってつまり、こういうこと?」と、第三者(=あなた)のような人が言い換えてあげると、だんだん「自分もそう聞けばいいのか」と学習します。◆ 現象を“操作の手順”で説明させるクセをつけるたとえば「何を押した?何が起きた?」という順で語らせることで、抽象的な印象論から脱出できます。◆ GPTに「画面構成」や「やろうとしたこと」から説明させる
たとえば「Googleスプレッドシートで、1行目が固定されていて…」など状況描写から入ると、GPT側もより正確に把握できます。
これ、見たことある…。僕は一つ目をよくやってたなぁ…。
エンジニア職の人らが他2つをよく言ってたなぁ…。
さらにGPTさんからもらった提案。
✅ GPTと相性よくするための魔法のテンプレ後輩のような人には、こういうテンプレを教えると有効です:
「○○というツール」で、「△△という現象」が起きています。 「□□したい」のですが、どうすればいいですか?
例:Googleスプレッドシートで、1行目がスクロールしても動かない状態になっています。固定を解除したいのですが、方法を教えてください。
よくあるよね、テンプレ作ってそれに当てはめてけっていうの。
それをやってもらったことがあるけど
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テンプレに記載する内容が間違っている
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例:要約に目的が書いてある、数字だけ入力するところに全角文字
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テンプレにアレンジを加えてくる
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例:要約の枠の下に「要約2」を追加、数字入力の枠の横に備考欄を追加
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こんな感じで、テンプレ作っても機能しないことが多かった。これに対してもGPTさんは丁寧に解説してくれた。
GPTさん曰く「結局、必要なのは“質問を整理する力”」とのこと。
つまり、「ggrks」が敗北するのも無理はない理由:
検索以前に、「調べたいことを言語化する力」が未熟 →「表がおかしい」「文字が入らん」じゃ検索すら精度が出ません。テンプレがあっても、それを構造として認識していない
→「とりあえず何か書いてる」感じ。
アレンジで“情報の一貫性”が壊れる
→ GPTでも文脈が拾いきれない。
なるほどな。
僕が思ったggrksの敗北がGPTさんなら勝てるのか? はGPTさんでも困るという事みたいだ。
【まとめ】
僕としては「ggrks」は「Google先生ならなんでも教えてくれるぞ!」という魔法の言葉だと思っていた。それはもう過去の話で、今ならGPTさんがその代わりなのかな? と思ったらそうでもないらしい。
結局はAI相手でも「伝える力」を鍛えないと充分に使いこなすことが出来ないみたいだ。
その力を鍛えることもGPTさんなら出来そうだけど……技術ではなく“認めることができるか”どうか。
プライドより、思考の柔らかさの方が強い時代かもしれない。
「知っている」「調べられる」だけでは届かない世界がある。
だからこそ、“問いの立て方”がますます大事になってくるんだな、としみじみ思う。
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