火曜日, 5月 6, 2025
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枯渇する関税フリーの自動車在庫、販売減・値上がりの痛みこれから – Bloomberg


トランプ米大統領による自動車関税の発動を控え、春に駆け込み購入が急増したことで、「関税フリー」の在庫が急速に枯渇しつつある。自動車業界では夏以降の販売減速が懸念されているほか、消費者は急激な値上がりに直面する恐れがある。

  調査会社コックス・オートモーティブのチーフエコノミスト、ジョナサン・スモーク氏は、駆け込み需要により新車在庫は前年比24%減と、「数年ぶりの大幅な落ち込み」を記録していると述べた。コックスによると、現在の在庫水準は61日相当と、1月の98日相当から大きく減り、約2年ぶりの低水準となった。

  スモーク氏は「関税フリーの在庫が尽きれば、販売は明らかに減速するだろう」と指摘する。

  トランプ政権は先週、自動車業界に対して一定の負担軽減策を提供したが、それでも関税の影響はすでに浮き彫りになっている。ゼネラル・モーターズ(GM)は、関税により今年最大50億ドル(約7200億円)の打撃を見込む。ステランティスやメルセデス・ベンツグループは通期見通しを撤回。フォードは5日の決算発表で影響を明らかにする予定だ。

  自動車メーカーはトランプ関税の次の荒波に備え、対策を急いでいる。GMやフォルクスワーゲン(VW)は関税コストの大半を吸収しつつ、コストの相殺に取り組む方針を示している。複数のメーカーは在庫確保のためインセンティブ(販売奨励金)を縮小。高金利時代に重要な客寄せ手段だった低金利ローンも減少しており、米国市場での無利子ローンは2019年以来の低水準となっている。

  その結果、販売促進策の減少と在庫不足が価格上昇を招き、消費者の購買意欲を鈍らせている。

  関税前の駆け込み購入を背景に、3月の米新車販売は11%増えた。4月は年率換算で1730万台と、前月の同1780万台からわずかに減速したが、昨年の約1600万台はなお大幅に上回るペースを維持している。

  在庫減少の背景には、在庫過多とされる水準にあったフォードとステランティスが大規模な割引キャンペーンを展開したこともある。両社は先週、従業員割引価格を一般顧客にも適用するプロモーションを延長。フォードは前月の16%増も含め販売が大きく伸びたが、その分ディーラー在庫の減少を招いている。

Mercedes Weighs Pulling US Entry-Level Cars Over Trump Tariffs

メルセデスのディラー店舗

Photographer: Eric Thayer/Bloomberg

売れるほど痛みも早く

  販促を強化すれば、痛みが急ピッチで迫るリスクもくすぶる。

  調査会社JDパワーでは、関税の影響で米国の年間自動車販売台数が約110万台、率にして約8%減少すると予測している。上期の販売は好調である一方、関税に伴う価格上昇で、第4四半期(10-12月)を中心に下期には販売が失速するとみている。

  調査会社ブラック・ブックのアナリストは、販売価格が5%上昇すれば、年内に販売ペースが年率1290万台に減速すると予測している。これまでの販売急増を考慮すると、2025年通年の販売台数は約1490万台となり、2024年の約1600万台から減少する見通しだ。

  これは自動車メーカーが関税分を価格に上乗せせず、利益率を削って吸収するとの前提に立った試算だ。関税分を全面的に価格に転嫁した場合、販売台数は1360万台にとどまるとブラック・ブックは推定している。

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