「JINS ASSIST(ジンズ アシスト)」は、メガネに取り付ける重さわずか4 gの超軽量デバイス。
JINS ASSISTを取り付けたメガネは、頭の動きだけでカーソルを操れる有線マウスとなります。
本来は手や腕などに障害のある方のために開発された製品ですが、健常者にとっても新しい入力方法になり得ると感じました。
そこで今回は実際どれくらい「活かせる」ものなのか、試してみました。
メガネに装着する小型デバイス。直感的に操作できる
装着しても重さはほとんど感じません。普段のメガネがそのままマウスになる体験も直感的で、違和感はまったくありませんでした。
有線接続のため充電は不要です。設定も不要、PCに挿せば確実に使えるので、使い始めるまでがとにかく早いです。チュートリアルや各種設定は専用アプリで確認できます。
ハードもソフトも丁寧に作られている印象を受けました。
大画面との相性がいい。音声検索を使った“ながら作業”が快適
JINS ASSISTを使っていて思ったのは、画面は大きいほうがよい、ということ。
詳しくは後述しますが、頭での操作はどうしても“大振り”な関係で、大画面のほうが操作しやすく感じました。
最終的にはノートPC×27インチモニターと組み合わせて使う感じに落ち着きました。ディスプレイの高さを目線と同じに設定するとより快適です。
たとえば、PCの前で試験勉強なんてときには参考書とペンで手が塞がってしまうわけですが、JINS ASSISTがあれば視線を上げて数回うなずくだけで検索できるようになります。
サイトを開くなどのアクションも同様に可能です。
音声入力を併用すればさらにスムーズです。
ポップコーンやドリンクを手にしながら映画を見ることができる
特に便利なのが、映画やドラマを視聴するとき。ポップコーンやドリンクを持ったまま、再生・一時停止・スキップを頭の動きだけで実現できるのは、あまりに快適です。
僕は寒いときはブランケットを被って視聴したりするのですが、そういったときでも手を伸ばすことなく再生等の操作ができてしまいます。
エンタメ視聴は「手を使わずに操作可能」がもっとも活きるシーンかもしれません。
キーボードから手を離さずに別の作業を同時進行することもできる
JINS ASSISTのすごいところは、クリックやダブルクリックはもちろんのこと、ドラッグ&ドロップもできること。
たとえば、文章のタイピング中に記事で使いたい写真をフォルダから文章内に挿入するなども十分に可能でした。
ただ、こういった細かめの操作は割り切ってトラックパッドやマウスに手を伸ばしてしまったほうがよく、最終的に利用頻度は少なくなっていきました。
ショートカット設定は絶対に使ったほうがいい
JINS ASSISTには自分好みのアクションを追加できるショートカット機能が備わっています。これを予め設定しておくことで、できることが増え、操作性も向上します。
僕は「首を左に1回振る」に「画面を下にスクロール」を、「首を右に1回振る」に「上にスクロール」を割り当てました。
この2つの操作はJINS ASSISTを活用するほうが楽に感じました。
細かい操作はトラックパッドを使ったほうがいい
上掲画像ではデスクトップに表示された小さな画面をドラッグして動かしていますが、押さなければならないボタンが小さいため、なかなか大変でした。
頭の動きで細かくカーソルを操作するには相応に集中する必要があるためです。
細かい操作に関しては、トラックパッドを併用しほうがいいでしょう。
カスタマイズをして自分に合わせるべき
まず、JINSの公式サイトから専用PCアプリダウンロードすることで、チュートリアルができますが、これはちゃんとやったほうがいいです。
通常のマウスとはあまりに感覚がちがうので、何回かやってもいいと思います。
アプリの専用UIを用いて操作を補助させてもいいですが、これは必須ではありません。慣れてきたらアプリを立ち上げずにJINS ASSIST単体でも使えます。
専用アプリを用いてのカスタマイズはマストだと思います。
僕の場合いくつかの設定を見直したことで首の疲れが激減し、操作性もグッと向上しました。うなずきの感度や首を傾ける角度の感度など、一般的なマウスには絶対にない設定項目が複数あり、しかも使い勝手に影響します。
最初は使いにくいと感じることもありましたが、設定を見直すことで問題が解消することが何回もありました。
アプリは常にアクセスできる状態にしておいた方が安心できると思います。
操作が簡単&手がフリーになると嬉しい状況と噛み合う
JINS ASSISTを日常使いとして色々と試してみましたが、個人的にはデスクトップ上の操作が簡単なシーン(自分の場合は映画やドラマの視聴)ほど便利に感じやすかったです。
性質上、ボタンやアイコンがデカければデカいアプリほど相性がいいです。
単純に操作しやすいため、JINS ASSISTでの操作も現実的と言えるでしょう。カスタマイズが済んだあとは頭や首もそれほど疲れません。
JINS ASSISTの本体価格は税込15,000円ですが、手が塞がった状態やなるべく手をフリーにしておきたい状況でもPCなどの操作ができることには十分な実用性があると感じました。
執筆・撮影:はらいさん
Source: JINS
ギズモード・ジャパンより転載(2025.04.25)
編集部の感想:
「JINS ASSIST」は、視線や頭の動きでPCを操作できる新しいデバイスで、特に手がふさがっている場面での利便性が高いと感じました。特に、映画を見ながら再生やスキップができる点が魅力的で、日常生活に溶け込みそうです。また、カスタマイズ機能によって利用者のニーズに合わせられる点も、使い勝手を向上させています。
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