月曜日, 5月 19, 2025
ホームニュースライフニュース木とデジタルの交差点——コクヨが仕掛けるデザインコンペ「Digi Fab Award 2025 」

木とデジタルの交差点——コクヨが仕掛けるデザインコンペ「Digi Fab Award 2025 」


「自分だけの時間」と「誰かとつながる空間」。この二つ、今のあなたにとってどんなバランスが理想だろう。働き方や人との関わり方がめまぐるしく変わる現代で、この「パーソナル」と「パブリック」の境界線は、時に曖昧で、時に悩ましい。

そんな私たち自身の空間感覚に、新たな視点を投げかけるデザインコンペティションが開催される。それは、ただ新しいモノを生み出すだけでなく、これからの心地よい「間(あいだ)」のあり方を共に考える、刺激的な招待状かもしれない。

ヴェネチアにも届く!
「木」と「デジファブ」で描く未来の空間

「コクヨ株式会社」と、デジタルファブリケーション技術で建築・家具界に新風を吹き込む「VUILD」社。この異色のタッグが国際デザインコンペティション「Digi Fab Award 2025 by KOKUYO×VUILD」を開催する。作品募集は2025年6月1日から同年7月31日まで。テーマは、まさに現代を象徴する「Personal and Public」だ。

同コンペの核心は、VUILDが扱うデジタル木材加工機「ShopBot」に代表されるデジファブ技術と、素材としての「木材のみ」という温故知新の掛け算。コクヨは22年7月にVUILDと資本業務提携を行い、これまでも同社の技術を活用したサービスを展開してきた。その協業が、国際的なアワードという形でさらに発展するわけだ。

グランプリ作品は、その斬新なアイデアが現実のものとなる。展示場所は、イタリアで開催される現代建築の国際展覧会「ヴェネチア・ビエンナーレ2025」の関連会場「ヨーロッパ文化センターPalazzo Mora」(25年5月10日~11月23日の会期中)、そしてコクヨのリアルオフィス「THE CAMPUS」(同年11月以降予定)。国際的なアートシーンと、日常的なワークプレイスという二つのパブリックな舞台が用意されている。

募集されるのは、公共空間に設置される、建築と家具の領域を軽やかに横断するデザイン。W5000×D5000×H2000mmの空間に収まり、自立する木製の構造体。3軸CNCルータでの加工が前提で、使用できる木材は1枚あたりW1200×L2400×t100mm以内。この具体的な制約こそ、クリエイター魂をくすぐるのではないだろうか。

「自分らしさ」と「ゆるいつながり」
テクノロジーが紡ぐ、“間”の心地よさ

さて、この「Personal and Public」というテーマ。リモートワークの浸透やオンラインコミュニティの活発化で、私たちの「個」と「公」の感覚は大きく揺さぶられている。

オフィスに出社すれば、同僚との雑談からアイデアが生まれるかもしれないし、家で一人作業に没頭したい日もある。カフェで隣り合わせた人と、ふとした会話が生まれるのも悪くない。

このコンペが問いかけるのは、そんなグラデーションのある「私」と「公」の“あいだ”を、いかにデザインで満たせるかだ。それは単なる空間設計を超え、そこに生まれる体験やつながりの質を問うもの。

ここで鍵となるのが「デジファブ×木材」という組み合わせ。VUILDが推進するようなデジタルファブリケーションは、個人のアイデアを形にしやすく、いわば「創造性の民主化」を後押しする。そこに、温もりや安心感を与える「木」という素材が加わることで、どんな化学反応が期待できるか。

たとえば、公園に置かれた、一人で読書もできれば、数人で集まって語らうこともできる、モジュール式の木製ベンチ。あるいは、コワーキングスペースに設置された、視線を適度に遮りつつ、気配は感じられるような、パーソナルな集中ブースとオープンな交流エリアをシームレスにつなぐ木製の間仕切り。これらは、画一的なプロダクトでは生み出せない、使う人それぞれの「ちょうどいい距離感」を可能にする。

テクノロジーは効率化や省人化のためだけではない。むしろ、人の感覚や感情に寄り添い、より人間らしい、心地よい「間」を創出するためにこそ活かされるべきではないだろうか。このコンペは、そんなテクノロジーの新たな可能性を示唆している。

老舗の知恵 × スタートアップの情熱
「共創」がひらく、まだ見ぬ風景

コクヨといえば、長年私たちのワークスタイルや学びの場を支えてきた知恵と信頼のブランド。いっぽうVUILDは、テクノロジーを武器に新しい価値創造に挑む、まさに時代のフロンティアランナー。この両者の「共創」は、それ自体が「Personal and Public」のテーマを体現しているようにも見える。それぞれの強みを持ち寄り、一つの大きな目標に向かう。

さて、コンペの対象は、国内外の建築家、クリエイター、そして学生たち。年齢も国籍も問わないこのグローバルな呼びかけは、多様な視点と斬新な発想が集まるるつぼとなるだろう。

そして、その中から選ばれたアイデアが、歴史あるヴェネチアの地と、人々が日々活動する日本のオフィスで実際に形になる。このプロセスは、参加者だけでなく、それを見守る私たちにとっても、大きな刺激と学びを与えてくれるはずだ。

もしかしたら、あなたの日常にも、もっと心地よい「パーソナル」と「パブリック」の調和があるかもしれない。このコンペから生まれるデザインは、そんな自分らしい空間を見つけるための、小さなヒントをくれるかもしれない。

テクノロジーと人の温もりが織りなす、未来の「間」の風景。その誕生に、少しだけ期待してみては?

©コクヨ株式会社

Digi Fab Award 2025 by KOKUYO×VUILD

【募集要項や応募規約】6月1日より下記応募フォームにて公開。
【応募フォーム】https://kokuyo.jp/dfa2025

Top image: © コクヨ株式会社





続きを見る


🧠 編集部の感想:
このデザインコンペは、現代の「個」と「公」の境界を再考する素晴らしい機会だと感じます。木材とデジタル技術の融合が、クリエイティブなアイデアを生み出す土壌となるのは非常に興味深いです。多様な視点からの参加が期待される中、新たな空間のあり方がどのように表現されるのか楽しみです。

Views: 0

RELATED ARTICLES

返事を書く

あなたのコメントを入力してください。
ここにあなたの名前を入力してください

- Advertisment -

インモビ転職