「Until Dawn −惨劇の山荘−」以降,リアルなキャラクター表現にこだわり続けるSupermassive Gamesは,遊べるホラー映画ことThe Dark Pictures Anthologyシリーズの第5弾,インタラクティブドラマゲーム「Directive 8020」(PC / PS5 / Xbox Series X)を発表している。
今回は,現在開催中のSummer Game Fest 2025の会場でデモ版が公開されていたので,プレイの様子をご紹介しておこう。
異なるジャンルや設定を背景に,複数の主役の顛末がプレイヤーの決断で決定付けられる。それが同社のThe Dark Pictures Anthologyシリーズだが,第5弾の舞台は,地球から12光年離れたタウセティ星系を回る惑星fと,そこに不時着してしまった宇宙船カシオペア号だ。
冷凍睡眠から目覚めたクルーたちは,宇宙船内が謎の生命体シェイプシフトによって巣作りされていたことを知る。怪物たちはクルーの姿に成りすまし,仲間のうちに潜り込み,隙をついてはグロテスクな容貌に変化して,仲間たちに一気に襲いかかろうとしている。
本作を端的に言い表すならば,無数の選択肢と結末が散りばめられた,宇宙人狼風のアドベンチャーゲームである。
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今回のデモでは,初めて火星への有人飛行に成功したという老齢の司令官ノーラン・スタフォードが,大きな倉庫のような場所で,自分とうり二つの人物と鉢合わせになるところから始まる。
彼の後ろにはサーナンという若きエンジニアもいるが,本物のスタフォードの後方のドアが開き,快活そうな本物のサーナンが入ってくると,偽物はグロテスクなクリーチャーに姿を変えるのだった。
本作の大きな特徴は,従来作品では見られなかった“ステルス系のメカニック”が取り入れられたことだ。少なくとも素手や小銃では太刀打ちできなさそうなエイリアン相手には,プレイヤーはオブジェクトの後ろにコソコソと隠れたり,逃げたりして血路を探し当てるしかないのだ。
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なんとか難を逃れてコマンドセンターに戻ってきたスタフォードとハーマンだが,今度は1人の男性クルーがガラスで覆われた隔離室に閉じ込められている姿を目撃した。その男は先ほどの無表情な偽物とは異なり,感情を露わにして言葉を話してくる。その一方で,強化ガラスに傷を付けており,明らかに人間とは思いがたい様子でもある。
コマンドセンターに集まるクルーは,彼の処遇をどうすべきかで意見が割れており,スタフォードは司令官としていくつかの選択を迫られる。こうした1つひとつの決断やアクションにより,登場人物たちの人間関係も微細に変化していき,ストーリーが複雑に分岐していく。
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特筆すべきは,ゲーム中の“ターニングポイント”と呼ばれるナラティブシステムだ。プレイヤーは本機能でゲーム進行を巻き戻し,特定の部分からプレイし直せるようになっている。ストーリー分岐はマッピングされるので,未視聴のシーンに戻って選択を変えることも可能だ。
なお,一度決めたことは変えることができない「サバイバルモード」も用意すると,デモを解説してくれた開発メンバーは話していた。
正直,ちょうど10年前にリリースされた同社の名作「Until Dawn −惨劇の山荘−」を見たときほどの衝撃はなかったのがすなおな印象だ。
しかし,パフォーマンスキャプチャ(モーションと表情,声の演技も同時撮影するアニメーション制作手法)による,登場人物のリアルな感情表現や挙動はお手の物といったところ。また,サバイバルホラー的な要素が加わったことで,クイックタイムイベントがゲームプレイの中核を成す純粋なインタラクティブドラマを求める人だけでなく,コアなゲーマー層にもアピールできる作品に仕上がるかもと思えた。
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本作は2025年10月2日(イギリス時間と思われる)の発売が決定しているが,残念ながら日本語化の予定は現時点ではないとのこと。
2024年の映画「ボブ・マーリー:ONE LOVE」で,妻のリタ役を演じた気鋭のイギリス人女優,ラシャーナ・リンチさんも出演しているだけに人的には残念だが,実力派の演技を伴ってゲームに没入したい人は,Supermassive Gamesの新たな挑戦を記憶しておこう。
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「Directive 8020」公式サイト
4Gamer「Summer Game Fest 2025」記事一覧
「Summer Game Fest 2025」公式サイト
🧠 編集部の感想:
最新のインタラクティブドラマゲーム「Directive 8020」は、サイコホラーと宇宙を背景にした緊張感あふれる体験が楽しめそうです。シェイプシフトする怪物との駆け引きや、選択によって変わる物語が魅力的です。特に、キャラクターのリアルな表現や多様な選択肢が、プレイヤーを引き込む要素になると感じました。
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