木曜日, 5月 22, 2025
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最後になった大工の仕事/信頼は一瞬でななしの23区外@ざらりとした話

🧠 概要:
この記事の概要は、高齢の大工が引退を考える中で、最後の仕事を受けて手を抜いた結果、期待外れの家を建ててしまったという物語です。雇い主は、その家を大工への感謝のプレゼントとして渡しますが、大工自身は失望感を抱いています。

### 要約の箇条書き
– 高齢の大工が引退を考え始める。
– 雇い主から最後の仕事の依頼を受ける。
– 大工は心があまり乗らず、手を抜いて家を建てる。
– 完成後、雇い主は家を大工にプレゼントとして渡す。
– 大工は自分の期待に反する出来にショックを受ける。
– 雇い主も大工の腕前を評価しつつ、今後の仕事を依頼することはできなくなる。

最後になった大工の仕事/信頼は一瞬でななしの23区外@ざらりとした話

ななしの23区外@ざらりとした話

2025年5月22日 00:53

高齢の大工は引退しようとしていた。

もう年で、若いころはやすやすとできたことが難しくなっていた。
それでも職人の誇りとして、手を抜かず、いい家を作り続けていた。

しかし、さすがにそろそろもう家を建てる仕事をやめ、のんびりと引退しようと決意した。

そんなこととはつゆ知らず、長い付き合いの雇い主が「もう一軒建ててくれないか」と頼んできた。

大工は引退のことを言いそびれ、承知してしまった。

承知した以上は作らねばならない。だがすでに心はここにあらず、真剣に仕事をする気にはなれなかった。

手を抜いた。今までの経験から、ひどい出来という風にはならなかったが

いつもの出来には程遠い。

最後の最後に残念な仕事だった。

家が完成すると、雇い主は点検をしにやってきた。
そして点検の後に大工に鍵を渡してきた。

「これは?」
「これはあなたの家です。あなたは私からの最後の仕事を果たしたのです。私からのプレゼントです」

大工はひどくショックを受けた。
ひどく落胆した。

自分の家だとしたら、もっとちゃんと家を建てていただろう。
だがもう遅い。

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雇い主は、大工の腕を買っていた。もう高齢だが、腕はピカイチだ。体力は若いころとは比べられないが、

年を追うごとに仕上がりは増していた。

なので今後も、できる限り仕事を頼みたいと考えていた。

しかし、完成した家を見て、驚いた。
今までの家と比べると、積み木のような家だ。

この職人がつくったものとは思えなかった。

しかし、これがいまの彼の腕なのだろう。

もはや、彼に家作りを頼むことは出来ない。
そして、この出来の家を使うこともできやしない。

やむなく、雇い主は大工に鍵を渡した。

この家の出来で誰かが彼を貶めないように。

最後の最後、いままでの仕事に感謝をしつつ、雇い主は「プレゼントです」
と付け加えた。

今後、仕事を彼に頼むことはないだろう。

ななしの23区外@ざらりとした話

サラッと読めて、ザラリと終わる後味の1分間ショートショート。 1話完結。気になるタイトルをサクッと読んでみてください。フォロー・コメント・スキ・シェアしてもらえると嬉しいです。



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