土曜日, 5月 24, 2025
ホームマーケティング書評・レビュー『森岡毅 必勝の法則 逆境を突破する異能集団「刀」の実像』著・中山玲子さん書評博士@投資とビジネスの本

書評・レビュー『森岡毅 必勝の法則 逆境を突破する異能集団「刀」の実像』著・中山玲子さん書評博士@投資とビジネスの本

🧠 概要:

概要

『森岡毅 必勝の法則 逆境を突破する異能集団「刀」の実像』は、USJをV字回復させたマーケター・森岡毅氏の独立後の活動を描いた作品。著者の中山玲子氏が、森岡氏のマーケティング集団「刀」の実践事例とその思考法、組織運営に迫ります。成功だけでなく、失敗や葛藤も赤裸々に描くことで、読者は生きたマーケティングを体験できる一冊です。

要約

  • マーケティングの定義変更: マーケティングは一部の才能者ではなく、多くの人が扱える分野であると知るきっかけ。
  • 森岡毅氏のプロフィール: USJを再生させた歴史を持つ伝説のマーケター。
  • 集団「刀」の設立: 独立後に立ち上げたマーケティング集団が、どのように逆境を突破したかの実例を紹介。
  • リアルな事例: 成功談だけでなく、失敗や葛藤を通じて学んだ教訓を具体的な事例とともに描写。
  • 実用的な学び: マーケティング、組織論、リーダー論における実務に直結するヒントが満載。
  • 推奨対象者: ビジネス成功を目指す人や、経営者、マーケティングに関心があるビジネスパーソンに特におすすめ。
  • 最終的なメッセージ: すべてのビジネスパーソンに向けた勇気を与える内容で、実践的な知見が得られる。

書評・レビュー『森岡毅 必勝の法則 逆境を突破する異能集団「刀」の実像』著・中山玲子さん書評博士@投資とビジネスの本

マーケティングとは、一部の才能ある人間にしか扱えない特殊なスキルだ――かつてはそう思っていた。しかし、本書『森岡毅 必勝の法則 逆境を突破する異能集団「刀」の実像』は、その固定観念を覆す一冊である。

本書は、USJをV字回復へ導いた伝説のマーケター・森岡毅氏が、独立後に立ち上げたマーケティング集団「刀(カタナ)」の軌跡を描いたドキュメンタリーである。マーケティングの実務、組織運営、そして逆境を突破する思考法が、豊富な実例とともに紹介されている。

注目すべきは、単なる成功談にとどまらず、失敗や葛藤も赤裸々に描かれている点だ。そのため、読者は理論だけでなく、現場で起きている“生きたマーケティング”を追体験できる。

本記事では、本書の優れた点と、ビジネスパーソンにとっての学びを紹介する。

書籍の基本情報

書籍概要

タイトル:森岡毅 必勝の法則 逆境を突破する異能集団「刀」の実像
著者  :中山玲子
出版年 :2024年12月初版

書籍説明書

発売たちまち大重版!
再生の旗手、希代のマーケターとして知られる森岡毅氏の強さの根源を日経ビジネス記者が徹底解剖!
大きな挫折を経験した森岡氏はどのようにして立ち直ったのか。
快進撃の背景にある、森岡氏率いる100人の異能集団「刀」とは?

リスクを取り、新たなビジネスモデルを生み続ける森岡氏と仲間たちによる挑戦の物語。マーケティングだけでなく、森岡流の組織論やリーダー論も学べる1冊!

あらゆるテーマパークの再生から、食品や外食の既存市場の成長など、マーケティングで結果を出し続ける森岡氏だが、そのすべてを一人で担っているわけではない。

森岡氏率いる精鋭集団「刀」の存在が背景にある。森岡氏は仲間とどのような言葉を交わし、様々なプロジェクトで結果を残してきたのか。

その息づかいを表現することで、森岡氏や彼が創った刀という組織の実態に迫ったのが本書だ。

一度挫折したプロジェクトも、停滞市場の事業だとしても、刀は諦めない。

最後までやり切るための思考と独自の「数学マーケティング」で道を切り拓く。そして、自らをでこぼこな性格という森岡氏の組織づくりは強みを生かす。

「その物件、その人、その文脈、すべての事象には特徴がある」(森岡氏)

あらゆるものから強みを見いだし、組み合わせ、最強組織をつくる森岡流の組織論とは。事例を通して森岡イズムを体得できる1冊。これを読めば、あなたもきっと前を向ける!すべてのビジネスパーソンに贈る勇気の書!

【目次】
プロローグ 挫折からの再始動 悲願のジャングリア
第1章 全国で巻き起こす旋風
第2章 人生を変える唯一無二の武器
第3章 異端の経営者 森岡毅の月旦評
第4章 これが本当の消費者理解
第5章 マーケティングで日本企業を変える
第6章 最大の敵は「投資」
第7章 最強組織は個人の可視化でつくる
第8章 バタフライエフェクトを起こす
第9章 森岡毅が見る未来
おわりに

Amazonページより抜粋

どんな人に読んでほしいか

本書は、以下のような人に特におすすめです。

  • ビジネスで成功したいと考えているすべての人

  • 自ら事業を営む経営者・起業家

  • マーケティングやブランド戦略に関心のあるビジネスパーソン

本書では、あのユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)をV字回復させた伝説のマーケター・森岡毅氏が、USJ退職後に立ち上げたマーケティング集団「刀」における実践記が描かれています。

大手テーマパークの看板がない中で挑んだビジネスの数々。森岡氏もまた、多くの起業家と同じく、ゼロからの挑戦に苦しみながらも、卓越した戦略と圧倒的な執念で数々の革新を実現していきます。

本書には、そんな彼の逆境突破ストーリーが、実例とともに豊富に紹介されており、「どうすればビジネスで勝てるか」「消費者が本当に求めているものをどう見つけ出すか」といった、実務に直結するヒントが詰まっています。

この書籍の要点

株式会社刀を創業した森岡は、様々な業界で数々の変革に取り組んだ。度肝を抜く変革、誰しもがその手腕に驚愕した。

第1章では「全国で巻き起こす旋風」として、多種多様な変革の事例が挙げられている。うどん、パスタ、最近若者の間で有名な「イマーシブ・フォート東京」まで大なり小なりの変革がまとめられている。ちなみに刀が手掛ける事業は、コンサル事業だけではない。図1の通り、自社で運営を行う自社事業とコンサルティング事業の2つの事業を運営している。

図1)ここに記載しているのは、本書から抜粋した一部だ

第2章以降では、マーケティングの観点から実例を分析する。たとえば、本書の中で紹介されている例として図2のようなものがある。

消費者の行動を左右する要素は様々だが、「絞り込むと本質的には3つしか残らない」(中略)最も重視すべき点は「プレファレンス(相対的好意度)」。次にどれだけ知ってもらえているかの「認知」。最後に消費財であれば製品の手に取りやすさを示す「配荷」が続き、テーマパークなら、ここはパークまでの「距離」になる。

「森岡毅 必勝の法則 逆境を突破する異能集団「刀」の実像」より引用
図2)消費者行動は本質的には3つ

本書では森岡毅という1人の人間を通じて、マーケティングの事例とともにマーケティングとは何かについて深堀していくドキュメンタリーだ。

ここがすごい!本書の優れた点

リアルなマーケティング事例とその現場を追体験できる
ドキュメンタリー調だがマーケティングとは何か学ぶことができる
すべてのビジネスマンに必要な実用的マーケティングの考え方を得ることができる。

本書では、実際のプロジェクトや事例が多数紹介されており、まるで現場に立ち会っているかのような臨場感がある。単なる成功談にとどまらず、試行錯誤や失敗からの学びにもフォーカスしている点が非常に実践的な印象。
読み進めるうちに、マーケティングの核心が自然と理解できる構成になっており、実例の中から思考や仮説検証の流れが浮かび上がってくるため、まさに“読んで体験する”感覚だった。また、マーケティング部門に限らず、商品企画、営業、経営層など、すべてのビジネスパーソンに必要な「マーケティング的な視点」を養うことができると感じた。読後には、視点が一段広がり、日々の仕事にすぐ活かせるアイデアやヒントが見つかるだろう。

まとめ

『森岡毅 必勝の法則 逆境を突破する異能集団「刀」の実像』は、単なるマーケティングの教科書ではない。再起をかけた挑戦、仲間との連携、現場での格闘を通じて、実践的な知見が詰まった一冊である。

フレームワークにとらわれないマーケティング理論が豊富に紹介されているのはもちろんだが、真に価値あるのは「どのように考え、どのように行動したか」というプロセスが克明に描かれている点だ。マーケティングの仕事に携わる者はもちろん、商品企画、経営、起業を志す者にとっても示唆に富んでいる。

本書は、ビジネスの現場で何かを変えたいと願うすべての人にとって、確かなヒントと勇気を与える一冊だと感じた。



続きをみる


Views: 2

RELATED ARTICLES

返事を書く

あなたのコメントを入力してください。
ここにあなたの名前を入力してください

- Advertisment -

インモビ転職