土曜日, 6月 7, 2025
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時にはシネフィルな夜「キュア」ぺぺ高橋

🧠 あらすじと概要:

あらすじ

「キュア」は、他者に催眠暗示をかけて殺人を行わせることができるかというテーマの犯罪サスペンスです。登場人物は、精神的に不安定な状態で、存在感や演技が観る者に強く影響を与えます。作中では、狂気が静かに広がり、観る側の現実感を揺さぶる描写が続きます。映像の粒子感や重低音の音楽が不安と不穏を引き起こし、観終わった後に日常生活が揺らぎそうな印象を与えます。

記事の要約

この記事では、映画「キュア」の再鑑賞について感想が述べられています。映画のジャンルを分類できない絶妙なバランスや、観客に不安をもたらす映像表現が強調されています。特に、演技者の存在感が精神的に影響を与えることが語られ、観る人を選ぶ内容であるため、注意が必要とされています。また、映画が持つ人間の根源的な恐怖について考察されています。最終的に、再鑑賞で得た印象や感じた恐怖が強調されています。

時にはシネフィルな夜「キュア」ぺぺ高橋

最近、個人的に少し思うところがあります。

新しい映画を観ていても、なんとなく自分の感情の源泉を見失っているようだと…。

そういうわけで、いま一度、自分が過去イチでヤバいくらい怖いと感じた本作を四半世紀以上ぶりに再鑑賞。

犯罪サスペンスなのかホラー映画なのか、あくまでエンターテイメントな商業ベースの娯楽作なのか、作家性の高い問題作なのか、その何れにも明確に分類ができない絶妙なバランスのうえに成り立っている、オレが勝手に断言する現段階での黒沢清監督の最高傑作!

16ミリからブローアップされた粒子を感じる彩度の低い映像、その背後に流れ続ける重低音ノイズのような音楽。そんなストーリーや演出以外の表現の部分でも、サブリミナルのように言いしれぬ不安と不穏を掻き立ててきます。

早めに断っておきますが、本作の視聴はあまり一般的にはおすすめできません。

特にメンタルに自信のない方、もしくは弱っていると自覚のある方は要注意。避けられた方が賢明です。

シンプルに言うなら、この作品のテーマはずばり、他者に催眠暗示をかけて殺人を行わせることは出来るか? というもの。

もうね。萩原聖人がヤバいの。演技というよりも劇中での存在自体が。

登場人物と彼との会話シーンを見ていると、単に映画を観ているだけのはずの自分の精神も侵され、今の自分が狂っているのかマトモなのかの自信が徐々に揺らぎ始めるのを感じてしまうほど。

作中の狂気が画面を通して少しずつ染み出してきて現実を侵食してくる感じ。

超常現象に逃げたり、そこに原因を求めたりせずに、観終わった後に明日からの日常生活が引っくり返りそうな予感すら内包させつつ人間の根源的な恐怖を描いているのが、オレが本作を好む要因でもある気がします。

滴り流れる水や炎の揺らぎの描写が効果的に使われていますが、そういうイメージシーン以外にも直接的な死体や加虐行為も淡々と描写されますので、その点からもこの映画は見る人を選びます。良識ある方は、くれぐれもご注意を。

今回、本作をオレが再鑑賞して改めて気になったワードは「動物磁気」。またコツコツと私的に調べてみようと思います。

ああ、ひさびさに心底怖かった…。

https://eiga.com/movie/35938/



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