🧠 あらすじと概要:
映画『サブスタンスさかいりえ』のあらすじと要約
あらすじ
元人気女優エリザベスは50歳の誕生日を迎え、自身の容姿の衰えと仕事の減少に悩む。再生医療「サブスタンス」に手を出し、薬品を注射すると、彼女の背中から若く美しい新たな存在「スー」が現れる。スーはエリザベスの経験を持ちながらも、その見た目によってスターダムに駆け上がるが、二人には「1週間ごとに入れ替わらなければならない」というルールがあった。しかし、次第にスーがこのルールを破り始める。
要約
この映画は、加齢による美とキャリアの喪失をテーマにしたホラーエンタテインメントで、デミ・ムーアの圧倒的な演技が際立つ。物語はエリザベスが再生医療によって若さを取り戻そうとする中での葛藤や欲望を描いており、彼女とスーとの間で起こる緊張感が観客を引き込む。ホラーエレメントに加え、デミ・ムーアの生き様を通じて、女性が直面する社会的な問題を鋭く風刺している。クライマックスでの衝撃的な展開は、観る者に様々な感情を引き起こし、その余韻を残す。
『REVENGE リベンジ』などを手がけてきたフランスの女性監督コラリー・ファルジャが、『ゴースト ニューヨークの幻』のデミ・ムーアを主演に迎え、美と若さに執着する元人気女優が辿る運命を描いた異色のホラーエンタテインメント。『哀れなるものたち』などヨルゴス・ランティモス作品の常連マーガレット・クアリー、『僕のワンダフルライフ』のデニス・クエイドらが共演する。第77回カンヌ国際映画祭コンペティション部門で脚本賞受賞。第75回アカデミー賞では作品賞のほか計5部門にノミネートされ、メイクアップ&ヘアスタイリング賞を受賞。主演のデミ・ムーアはゴールデングローブ賞で主演女優賞を受賞、アカデミー賞でも主演女優賞にノミネートされた。(2024年 イギリス・フランス合作)
story:
50歳の誕生日を迎えた元人気女優のエリザベスは、容姿の衰えと、それによって仕事が減っていくことを気に病み、再生医療「サブスタンス」に手を出す。薬品を注射するやいなやエリザベスの背中が裂け、若く美しい、“エリザベス”の上位互換“スー”が現れる。抜群のルックスに加え、エリザベスの経験を持つスーは、たちまちスターダムを駆け上がっていく。エリザベスとスーには、それぞれの生命とコンディションを維持するために「1週間ごとに入れ替わらなければならない」という絶対のルールがあったが、次第にスーがルールを破り始め…
review:
1990年の『ゴースト/ニューヨークの幻』で世界を魅了したデミ・ムーア。世界中の乙女たちを号泣させた、映画史に残る珠玉のラブストーリーだ。デミのキュートなショートカットと、透明感のある佇まいが輝きを放ち、鮮烈な印象を残した。デミの星を宿した瞳からこぼれ落ちる涙の、なんと美しいことよ。あれから35年。あの瞳が分裂する日が来るとはねぇ…。とにかく、デミ・ムーアの生き様をしかと観た。何か知らんけどエンパワメントされた。これはもうホラーというジャンルを超え、伝説のカルト映画と呼ばれることだろう。マジでしゅごいのよ…何がって全部よ全部(語彙力)。加齢によってキャリアを失った元女優エリザベスが、若さと美しさを取り戻すために「如何にも」危なそうな再生医療に手を出し、自身の若く美しい分身「スー」を生み出すわけだけど、もうね、全体的にケレン味がすぎる(褒めてる)。危ない薬ですよと言わんばかりに蛍光色だとか、背中がぱっくり割れて若い個体が出てくるとか、いくらなんでもそれはないだろうって思うんだけど、なぜかしっくりくる。ボリウッド映画のケレン味を受け入れるが如く、受け入れざるを得ない。というか、デミの迫力に圧倒されて納得させられてる気がする。冒頭のエアロビだけで、デミが全部晒け出す覚悟なのが伝わってくる。ゴーストのモリーを知ってる世代は所々で「デミ〜〜〜!」ってなるわそりゃ。「若さ由来の美」という一瞬ごとに失われる資産が消費される地獄、その地獄で女性が直面する葛藤や苦悩、執着と承認欲求と自己嫌悪が絡み合う更なる地獄が、デミ・ムーアという存在を介して鋭く風刺されていく地獄。スー役のマーガレット・クアリーが本当にかわいい&セクシーで魅力的でハート撃ち抜かれちゃうんだけど、最後はデミのことしか覚えてない。
要注意なのは、ボディ・ホラーなので痛覚的共感を伴うシーンも多い。ワシ痛い場面は薄目にしてセルフモザイクをかけながら観たもんね・・・。料理でゴア表現は面白かった。エリザベスとスーが相克するサスペンスにハラハラさせられながら迎える、衝撃のクライマックス。ドン引きするか、乗っかるかは人によると思うけど、私は爆笑した。そして謎のカタルシスで涙が出そうになった。それはバッドエンドのようでもあるけれど、私としては、デミにとっても、エリザベスにとっても、観客にとっても、ハッピーエンドだったんじゃないかと思いたい。映画史に残る怪作。
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